俳優のためのオーディションハンドブック

ハリウッドの名キャスティング・ディレクターが教える「本番に強くなる」心構え

シャロン・ビアリー=著
奈良橋陽子=監修&解説
シカ・マッケンジー=訳
発売日
2020年3月26日
本体価格
1,800円+税
判型
四六判変形・並製
頁数
176頁
ISBN
978-4-8459-1927-7
Cコード
C0074

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『ウォーキング・デッド』や『ブレイキング・バッド』を手がけたハリウッドの名キャスティング・ディレクターが、悩める役者のために、自身の経験を惜しみなく披露。

俳優や声優を志す全ての人たちに向けた、唯一無二のオーディションのハンドブックが遂に登場!

森崎ウィンさん、大塚明夫さん、推薦!

「オーディションは落ちるもの」
そう考えることで僕は自分らしく楽しんで演技ができるようになった。
著者が言うように演技する喜びこそが大切なんだ。
──森崎ウィン(俳優・アーティスト)

オーディションの通過はゴールではなくスタートだ! 
出発点に立つために必要なことを学んで下さい。
──大塚明夫(声優・俳優)

『ウォーキング・デッド』や『ブレイキング・バッド』、『GOTHAM/ゴッサム』といった海外ドラマに携わり、作品を成功に導いてきたキャスティング・ディレクターのシャロン・ビアリー。知名度ではキャストを選ばず、俳優の才能を見抜き、物語やキャラクターをより魅力的にするための配役を行う彼女の手腕は、内外で高く評価されている。

本書では、海外ドラマだけでなく、ハリウッド映画やブロードウェイ・ミュージカルにも関わるビアリーが、悩める俳優からの28の質問に回答。「オーディションでキャスティング・ディレクターが俳優に求めているものは何ですか?」や「映画やテレビのオーディションでは直球的な選択か、独創的で意外性のある選択か、どちらで演じるのがお勧めですか?」といった質問に、俳優への敬意を示しながら情熱的かつ実践的に答えていく。

ビアリーの回答は抽象的な演技論ではなく、『ウォーキング・デッド』や『ブレイキング・バッド』といった、自身が関わった作品のオーディションを例に出しながら具体的かつわかりやすく展開。オーディションにおいて大切なことを学びながら人気海外ドラマの裏話も楽しめる。

『ラストサムライ』や『バベル』のキャスティングを担当した奈良橋陽子が監修を担当。日本版限定の書き下ろし解説も執筆しており、日本の俳優志望の人たちに熱いエールを送っている。また、『ブレイキング・バッド』主演のブライアン・クランストンによるまえがきのほか、『ブレイキング・バッド』製作総指揮のヴィンス・ギリガン、『ハンニバル』脚本のデヴィッド・マメット、『ジェシカ・ジョーンズ』主演のクリステン・リッター、『ウォーキング・デッド』出演のノーマン・リーダス、『不都合な真実』監督のデイビス・グッゲンハイムらによるコメントも収録。周囲の人々の言葉から、ビアリーがキャスト・スタッフにどれほど信頼されているかがよくわかるはずだ。

ほかにオーディションに関する専門的な言葉を解説する用語集や、現場に向かう前に確認しておくべきことがわかるオーディション チェックリストも掲載。またスティーヴン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』に出演し大きな話題を集めた俳優・アーティストの森崎ウィン、「攻殻機動隊」のバトーや「メタルギアソリッド」のスネークなどの演技で多くのファンを持つ声優・俳優の大塚明夫が帯文を担当しているほか、関連企画として二人のインタビュー記事をWeb公開する。

俳優や声優といった演技に携わる者だけでなく、プロデューサーや監督など製作サイドの人々にとっても意義のある1冊だ!

セールスポイント

■『ウォーキング・デッド』や『ブレイキング・バッド』を成功に導いたキャスティング・ディレクターが、自身が経験した具体的な事例を通して、オーディションにおいて重要なことを執筆
■奈良橋陽子(『ラストサムライ』キャスティング)が監修および解説を担当
■ブライアン・クランストン(『ブレイキング・バッド』主演)によるまえがきを掲載
■ヴィンス・ギリガン(『ブレイキング・バッド』製作総指揮)、デヴィッド・マメット(『ハンニバル』脚本)、クリステン・リッター(『ジェシカ・ジョーンズ』主演)、ノーマン・リーダス(『ウォーキング・デッド』出演)、デイビス・グッゲンハイム(『不都合な真実』監督)らによるコメントを収録
■オーディションに関する専門的な言葉を解説する用語集や、現場に向かう前に確認しておくべきことがわかるオーディション チェックリストを掲載
■『ウォーキング・デッド』や『ブレイキング・バッド』の裏話も多数収録
■帯文を森崎ウィン(『レディ・プレイヤー1』出演)、大塚明夫(『攻殻機動隊』シリーズ出演)が担当。関連インタビューをWebにて掲載

サラ・ベルナール級の名優も出演依頼が来なければ意味がない。演技は芸術、オーディションは技術。
本書には、この世界を知り尽くしたシャロンならではの実践的なアドバイスと厳しい愛が詰まっている。生半可な言葉はない。野心的なテレビドラマを作るプロデューサーは俳優に何を求めるか? その答えがはっきりわかるだろう。
――ヴィンス・ギリガン(プロデューサー/『ブレイキング・バッド』製作総指揮)

シャロン・ビアリーの発想力は素晴らしい。発想力なら連邦政府も負けてはいないが、シャロンの事務所がいきいきとくり出すアイデアは実際にうまくいく。
僕はどれだけ助けられてきたことだろう。
『オーディションのコツが知りたいなら、しばらく審査する側として働いてみることよ』と彼女は言うが、これほど的を射たアドバイスは他にない。本書はあらゆる俳優に役立つはずだ。
この本を持っている俳優をオーディションで見かけたら、シャロンと僕は敬意のまなざしを向けるだろう。
――デヴィッド・マメット(劇作家/『ハンニバル』脚本)

オーディションと聞けば俳優として不安にならずにいられません。でも、シャロンの本を読めば安心です。
オーディションが実際にどのようにおこなわれて、俳優は何に気をつけるべきかがわかります。もっと前にこの本があったなら、私も恥ずかしい失敗をしなくて済んだのに。
シャロン・ビアリーは俳優を心から愛するキャスティング・ディレクター。この本には、自信をもって最高の演技するためのヒントが包み隠さず披露されています。
――クリステン・リッター (俳優/『ブレイキング・バッド』『ジェシカ・ジョーンズ』出演)

なぜこの本を読むべきか?
オーディションを受けるなら、事前に情報を仕入れておくほどいいからだ!
シャロンは『この役者なら安心して任せられる』と思ってもらえる余裕と自信をもてと言うが、そのとおりだ。
時間とお金を費やすのは彼ら、制作側なのだから。
弾薬の量が多いほど、バーンとでっかく爆発できる。
なぜ僕がそう言うかは、この本を読めばわかるだろう。
――ノーマン・リーダス(俳優/『ウォーキング・デッド』出演)

オーディションに来た俳優を輝かせる手腕にかけて、シャロン・ビアリーは天下一品だ。
いくつもの作品で彼女の仕事ぶりを見てきた僕は、この本で彼女が伝えようとしていることがよくわかる。
オーディションで最大限の表現をするために必要な知識がいっぱいだ。
――デイビス・グッゲンハイム (映画監督/『不都合な真実』監督)

業界に携わるなら必読の一冊。
私は俳優をオーディションに送り出す側の人間ですが、シャロンが俳優をリスペクトし、最高の演技を引き出そうとしてくれているのがわかります。
俳優を選ぶ目において、彼女と並ぶ者はいません。
――アイリス・グロスマン(タレントエージェント/パラダイム・タレントエージェント在籍)

駆け出しの頃に、こんな具体的なアドバイスがほしかった。
ブライアン・クランストン (俳優/『ブレイキング・バッド』出演)

メディア掲載


目次

シャロン・ビアリーへの賛辞
ブライアン・クランストンによるまえがき
第二版によせて

イントロダクション

キャスティング・ディレクターに聞く28の質問とその答え
1. オーディションでキャスティング・ディレクターが俳優に求めているものは何ですか?
2. 作品のことをどれぐらい知っておくべきですか?
3. セリフは完全に暗記しておくべきですか? 台本を見てもいいでしょうか?
4. 宣材写真や出演経歴書(レジュメ)を電子データで送りました。それでも紙に印刷したものは必要ですか?
5. 役柄に合わせた衣装を着て行くべきですか?
6. オーディションを受ける順番で、最初は避けた方がいいですか?
7. オーディションルームはどのようになっていますか?
8. 順番を待つ間から役の人物になっておくべきでしょうか?
9. 私に外国語訛り(オーストラリア、ドイツ等々)がある場合、それを隠してアメリカ人としてアメリカ英語を話すべきですか?
10. 役に訛りがある設定の場合、その訛りで演技をすべきですか?
11. 演技は座ってするのか、立ってするのか、どちらがいいでしょうか?
12. キャスティング・ディレクターに質問をしてもいいですか?
13. 複数のシーンがある場合、次に移るまでの間はどのぐらい空けるものですか?
14. 私が演じる人物がシーンの途中から映像に登場する場合、オーディションルームではどのように動けばいいですか?
15. 実際にできないト書きは無視してもいいですか? 何か他の動きをすべきですか?
16. 複数の登場人物がいるシーンで、オーディションルームにリーダー(相手役)が一人しかいない場合はどうすればいいですか?
17. 表現を抑えすぎるより、少し大きめに演じておいて、キャスティング・ディレクターの指示を仰ぐほうがよいですか?
18. 映画やテレビのオーディションでは直球的な選択か、独創的で意外性のある選択か、どちらで演じるのがお勧めですか?
19. アドリブはどの程度、許容されますか?
20. 演技を失敗したら最初からやり直せますか? シーンの最後のあたりで失敗した場合はどうでしょうか? 2テイク目のやり直しはできますか?
21. 誰がオーディションを見に来るか、あらかじめ知ることはできますか?
22. オーディションルームにキャスティング・アソシエイトしかいない場合は手抜きをされているのでしょうか? あるいは、監督やプロデューサーが見に来ず、キャスティング・ディレクターだけがいる場合はどうでしょうか?
23. オーディションを受ける役のものではない台本を与えられた場合、どんな役づくりをすべきでしょうか?
24. 映画やテレビ以外の新しいメディアやウェブシリーズではオーディションの流れは異なりますか? コンテンツを自主制作し配信することを勧めますか?
25. 自分でオーディション用の動画を撮影(セルフテープ)してもいいですか? どういう時に、どのような方法で撮影すべきでしょうか?
26. 腹立たしく感じることは何ですか?
27. 経験豊富な俳優によくある失敗は何でしょうか?
28. オーディションを受けた後、自分に対する評価などはどうすればわかりますか?

まとめ
用語集
オーディション チェックリスト
謝辞
日本版によせて

プロフィール

[著]
シャロン・ビアリー(Sharon Bialy)
1986年にコマーシャルのキャスティング助手として業界に入った後、舞台・映画へと活動の場を移す。デヴィッド・リンチ監督『ブルーベルベット』でキャスティング助手を務め、キャスティング・ディレクターであるリック・パガーノのキャスティング・アソシエイトを経て自らもキャスティング・ディレクターとなる。
芸術監督デス・マカナフと15年来の親交があった経緯から『A Walk in the Woods(未)』『ジャージー・ボーイズ』『The Farnsworth Invention(未)』 といったブロードウェイの舞台公演のキャスティングを担当。またデヴィッド・マメット作の舞台劇『Race(未)』『The Anarchist(未)』『China Doll(未)』の米国西海岸でのキャスティングも務めた。
映画作品でも大作からインディペンデントまで幅広くキャスティングを手がけ、担当した作品に『チャイルド・プレイ』『ドラッグストア・カウボーイ』『ハートブルー』『レッドベルト 傷だらけのファイター』などがある。
テレビドラマでは『ブレイキング・バッド』『ウォーキング・デッド』『GOTHAM/ゴッサム』『The Son(未)』などにパイロット版から関わり作品を成功させた。
2011年、メディアアクセスアワードにてCSA賞を受賞。2015年、『ブレイキング・バッド』で米国キャスティング協会が選ぶアルティオス・アワードに輝く(ノミネートは16度)。『ブレイキング・バッド』ファイナルシーズンで共同事業者シェリー・トーマスと共にエミー賞ノミネート。
全米テレビ芸術科学アカデミーおよび映画芸術科学アカデミー会員。ロサンゼルスで上演された優れた舞台作品を表彰するLAステージ・アライアンス・オベーション・アワードの投票委員を過去に務め、現在では映像作品をとおして国際理解を促進する団体ジャーニーズ・イン・フィルムの諮問委員会に参加。LAファミリーマガジンにコラム「The Kids Casting Corner(未)」を執筆、掲載。また、米国キャスティング協会において2012年から2015年にわたり役員を務める。
新刊『How to Self-Tape Your Audition(with interactive links)(未)』と小説『I Never Had a Couch: Tales from Behind the Door of a Casting Office(未)』の発売が予定されている。

[監修&解説]
奈良橋陽子(ならはし ようこ)
キャスティング・ディレクター、演出家、作詞家。『太陽の帝国』『ラストサムライ』『バベル』といったハリウッド映画のキャスティングに関わり、日米をつなぐ仕事をおこなっている。キャスティング・ディレクターとして活躍する以前から、作詞家および演出家として活動し、ロックバンド・ゴダイゴの楽曲の作詞や、ミュージカル『ヘアー』や『チャーリーとチョコレート工場のひみつ』などの演出を担当。また国際基督教大学(ICU)卒業後、渡米しニューヨークのネイバーフッド・プレイハウスで演劇を学んだ経験を活かし、俳優の育成などをおこなうユナイテッド・パフォーマーズ・スタジオを立ち上げた。全米キャスティング協会の会員でもある。

[訳]
シカ・マッケンジー (Shika Mackenzie)
関西学院大学社会学部卒業。「演技の手法は英語教育に取り入れられる」とひらめき、1999年渡米。以後ロサンゼルスと日本を往復しながら、俳優、通訳、翻訳者として活動。教育の現場では、俳優や映画監督の育成にあたる。訳書に文化庁日本文学普及事業作品『The Tokyo Zodiac Murders』(英訳、共訳)、『魂の演技レッスン 22 』、『“役を生きる” 演技レッスン』、『演出についての覚え書き』、『俳優・創作者のための動作表現類語辞典』、『人気海外ドラマの法則21』(フィルムアート社)他。