ケッズ、コンバース、プーマ、アディダス、オニツカ、ナイキ、ニューバランス、リーボック、ヴァンズ etc…
競技場からストリートへ、ストリートからSNSへ
ライフスタイルとカルチャーの変革を見つめ、
誕生から現在までをたどるスニーカー・クロニクル
われわれにとっても最も身近なファンションアイテムであり、誰もが一足は持っているスニーカー。
なぜスニーカーは現代を代表するポップカルチャーやファッションのアイコンになり得たのでしょうか?
今日のスニーカー産業はかつてない規模に巨大化しています。
アスリートやセレブと巨額のエンドースメント契約が結ばれ、ハイブランドとのコラボモデルのスニーカーが続々と登場。
そしてスニーカー情報を発信するメディアやSNSは多くの読者を獲得し、「スニーカーヘッズ」と呼ばれるスニーカーファンは、お目当てのアイテムを求めてショップに長蛇の列をつくります。
スポーツウェアとして誕生したスニーカーは、その後ストリートに飛び出し、カリフォルニアのスケートボーダーやニューヨークのラッパーのアイコンとなりました。時にはギャングの暴力や暴動の原因となり、世界的な経済論争の中心となり、スポーツを巨大ビジネスに変えるための探求の糸口となり、ハイファッションのミューズとなったスニーカー。
スニーカーの誕生から現代までの間に、スニーカーは、スポーツ、ファッション、消費文化、音楽、セレブ、広告、グローバリゼーションの発展に重要な役割を果たしてきました。
本書では、1830年代のゴム底製スニーカーの誕生から現代までの180年に及ぶ壮大なスニーカーの歴史を丁寧に紐解くと同時に、スポーツやストリートのポップカルチャーの中にスニーカーがどのように浸透し、現在のような巨大産業になり得たのかを解説しています。
天才的なゴムの発明者チャールズ・グッドイヤーからコンバースの靴を売るために全米を飛び回った「巡回販売員」のチャック・テイラー、確執がもとで分裂しアディダスとプーマを設立したダスラー兄弟、妻が作る焼き菓子のワッフルにヒントを得て「ワッフルソール」を生み出し、スポーツの世界を変えてしまったビル・バウワーマン(ナイキ共同創設者)まで、スニーカーの歴史をつくってきた数々の人物やエピソードを紹介しています。
スニーカー・ヘッズ必携の一冊!!
競技用具、汎用ファッション、記念碑、芸術作品……一世紀半のあいだに、スニーカーは、静かにわたしたちの生活の隅々にまで浸透し、文化的な存在になった。そもそもスニーカーが誕生したのは、産業革命と、その意図しない副産物である余暇の増加とが組み合わさった結果だ。その後、スポーツが体系化されていくにつれて発展した。第二次世界大戦時には米軍兵士の訓練に役立った。ファッションや消費者文化とともに進化し、郊外のティーンエイジャーと都会の不良グループ、両方のイメージを固めた。誕生したてのヒップホップでもさっそく歌詞に登場した。若いパンクロッカーも年配のロックスターも、定番のファッションに採り入れた。有名スポーツ選手の人気に貢献し、グローバル化のシンボルになった。大統領でさえ愛用するのだから、ほかの人々については言わずもがなだ。近年では、ある種の専門分野を生み出し、芸術的な撮影、科学的な分析、社会学的な研究などにつながっている。そうした成果の例として、たとえば、写真やインタビューを集めた書籍『SNEAKERS』(スペースシャワーネットワーク)、熱心なコレクターたちを追ったドキュメンタリー映画『スニーカーヘッズ』、本格的な学術研究に裏打ちされ、写真も豊富な書籍『アウト・オブ・ザ・ボックス:ザ・ライズ・オブ・スニーカー・カルチャー Out of the Box: The Rise of Sneaker Culture』(未邦訳)などがある。本書は、そうした流れの延長として誕生した。
ある意味で、スニーカーの歴史は、米国の現代史ともいえる。
いったいどんな経緯でこうなったのだろう?
――本書「プロローグより」
メディア掲載
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読売新聞 7月18日号 評者:橋本倫史(ノンフィクションライター)
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日本経済新聞 5月27日号 目利きが選ぶ3冊 評者:速水健朗
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雑誌『EYESCREAM』vol.178
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Pen Online
目次
プロローグ
第1章 発明の父
第2章 桃入れ籠とテニスセット
第3章 コーチのコーチ
第4章 ストライプとクーガー
第5章 ビルダーマン
第6章 スウッシュ
第7章 スポーツからストリートへ
第8章 誰もがアスリート
第9章 一方、西海岸では
第10章 レッツ・ゲット・フィジカル
第11章 スタイルとフロウ
第12章 ヒズ・エアネス
第13章 マーズとマイク
第14章 ブランド間の攻防
第15章 スニーカーの罪と罰
第16章 スニーカーヘッズ
第17章 バック・トゥ・ナウ
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
註
索引
プロフィール
[著]
ニコラス・スミス(Nicholas Smith)
2014年にコロンビア大学ジャーナリズム学部を卒業、Lynton Fellowship in Book Writingを受賞。現在はオーストリアのウィーンに在住し、ジャーナリストとして活動。第二次世界大戦中に盗まれた美術品、氷河の融解、オーストリアのインディーゲーマー、ニューヨーク市長選挙など、広範かつ多様なテーマを取り扱っている。
[訳]
中山宥(なかやま・ゆう)
翻訳家。1964年生まれ。主な訳書に『マネーボール[完全版]』『〈脳と文明〉の暗号』(ともにハヤカワ・ノンフィクション文庫)、『ジョブズ・ウェイ』(SBクリエイティブ)、『動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話』(フィルムアート社)、『生き抜くための12のルール』(朝日新聞出版)、『新訳ペスト』(興陽館)などがある。