シリーズ累計24万部突破!
すべての創作者必携の、大ヒット類語辞典シリーズ第5弾!!
読者の共感を呼ぶ多面性のある豊かなキャラクターや、リアリティのある状況設定は、トラウマを描くことによって生まれる!
物語の創作を志す者はぜひ持っておきたい一冊。
「この本といかにつきあうか」を考えるだけでも価値がある。
——綾辻行人(小説家)
「心の闇」なんて言いますが、心なんて押し並べて闇です。
私が知りたいのは、闇の種類です。
——武田砂鉄(ライター)
私たちは誰もが、大小様々な形で「トラウマ」と呼ばれるものを持っているはずです。不意の事故や予期せぬ災害、幼少期の体験、失恋や社会不安……そんな経験に基づいた心の傷はいつの間にか消え去ってしまうようなものではなく、日常に訪れた些細な出来事によってふとした瞬間に蘇り、そのたびごとに心を締め付け、そしてときにはさらなる傷を生み出すかもしれません。
本書は、物語創作において不可欠とも言える心の傷/トラウマというテーマをめぐり、それらがどのような作用をそのキャラクターにもたらすかについて、その原因となる具体的な事例とともに詳細にまとめた画期的な一冊です。
物語に登場するキャラクターにはもちろん過去があり、その過去に紐付いたトラウマは彼らの行動を動機づけるばかりでなく、具体的な動作・振る舞いにも多大な影響を及ぼします。心の傷/トラウマによって、キャラクターはどのような先入観を抱きがちになり、どのように人格を変化させがちになり、あるいはどのように行動や態度を生み出すのか。トラウマがもたらす物語の起伏には、どのようなケースが想定できるのか、どのようにそれを設定できれば、読者の共感を呼び起こすことができるのか。本書は、物語創作における心理描写の核心ともいえる心の傷/トラウマについて、100を超える事例とともにその状況設定を網羅的に解説します。
Twitter から爆発的に広まった『類語辞典』シリーズは、二次創作者(ライトノベル・同人誌)、小説家、脚本家、漫画家、演出家、俳優、ライターなど、多くの創作者、文字を扱う人たちにとって、今なお重宝され続けています。過去のシリーズ愛用者はもちろん、作品により深みを出したい、妄想をよりリアルなものにしたいなど、様々な用途でお楽しみ頂く際の強力なツールとして、きっと役立つことでしょう。
☆カバーイラスト:小山健
【『類語辞典』シリーズについて】
フィルムアート社の『類語辞典』シリーズはSNSを中心に爆発的に広まり、これまでの累計刷部数は24万部を超える大ヒットを記録しています。人間の喜怒哀楽を項目化し、それぞれの感情に由来する行動や反応を集めた『感情類語辞典[増補改訂版]』。あらゆるキャラクターの明るい面、暗い面から人物描写を深めたい方におすすめの『性格類語辞典 ポジティブ編』 『性格類語辞典 ネガティブ編』。255もの「場面」を通して物語の舞台・世界観をつくりあげるための『場面設定類語辞典』。読者の共感を呼ぶ多面性のある豊かなキャラクターや、リアリティのある状況設定を描くための『トラウマ類語辞典』。キャラクターの人生にとって欠かせない要素=職業を適切に設定するための『職業設定類語辞典』。ストーリー全体を通して緊張感が高まっていくような対立や葛藤を適切に組み込むための『対立・葛藤類語辞典 上巻』 『下巻』。 そしてこれらの中に収録されている、創作に役立つ様々なツールをダウンロードできる特設サイトも併せてご活用ください。
【読者の方より、読後の感想をいただきました】
「類語辞典」シリーズすべて購入させていただいておりますが、今回の『トラウマ類語辞典』はその中でも一二を争う満足度の高さです! トラウマとはなにかという初手から解説があり、各トラウマに陥ると考えられる具体的な状況、キャラクターが抱くと考えられる感情、さらに各トラウマを経ることで形成される人格、悪化させる引き金の出来事や克服するシーンに至るまで、痒いところに手が届く仕様で、創作者にとって本当にありがたい辞典になっていると思います! 作者本人と周囲の経験だけでは想像に限りがありますが、こちらの辞典を用いることで容易に様々なキャラクターの人生の岐路を産み出すことができるのではないでしょうか。
ーー30代女性
この本のすごいところは、自分のトラウマの項目をめくった時にとてもよくわかった。自分がよく知ってるトラウマですら、こんなにしっかり人生に根付いていたことがわかってしまうし、他の項目も同じぐらいしっかり書かれているのかと思うととてもワクワクした。自分が書こうとしていたキャラクターのトラウマをひとつずつ調べていると、彼らの別の顔が説明の段落のひとつひとつに浮かび上がってくるし、このトラウマをどうやって克服させようかと考えるととても楽しくなる。
ーー30代
過去に何かを抱えているキャラクターはとても魅力的です。今のキャラクターの性格や行動が先にあって、過去のトラウマを考えるにしても、その逆でも、この『トラウマ類語辞典』は役に立ってもらってます。より深みをもたせることができました。気がついていない、取り入れていない一面や行動パターンに、(これも、これも、あれも、使える取り入れよう)って、どんどんキャラクターを深く考えるようになりました。
ーー30代女性
俳優という仕事は創造力が大事で、それが無ければ成り立ちも成功も絶対にしないと言っても過言ではなく、表現力はその先にあるものです。人の痛みを想像し、台本に書かれている場所を思い浮かべ、その人物の性格や抱えている悩みやトラウマを考えまずは準備をする。こういう本があればその手助けにもなるし、共通言語が増え皆で作ることも少し容易になります。もっともっと普及して全俳優、全監督が読んでいたら日本映画界ももっと変わる革命書だと思います。
ーー30代男性
関連リンク
メディア掲載
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関西テレビ セブンルール(2021年2月23日放送)
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日経新聞 2019年4月9日号夕刊
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クリスクぷらす
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ダ・ヴィンチニュース
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UOMO 2018年11月号
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同人誌をつくる
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コリス
目次
はじめに
書き手のためのセルフケア
フィクション:人生と心の奥を映し出す鏡
心の傷とは何か
悪役の旅路
キャラクターの心の傷をめぐるブレインストーミング
根深い痛み:心の傷に影響を与える要素
行動を通じて心の傷を写し出す
避けるべき問題
筆者から最後に
◇犯罪被害のトラウマ
カージャック/個人情報が盗難される/殺人を目撃する/住居不法侵入/ストーカーされる/性暴力の被害に遭う/暴行を受ける/未解決事件の被害者になる/物扱いされる/拉致監禁される
◇障害や損傷によるトラウマ
一般的な美基準から外れた身体/学習障害/外見の損傷/外傷性脳損傷/過剰な美貌/五感のひとつを失う/性機能障害/精神疾患/対人関係不全/手足の欠損/発話障害/不妊/慢性的な病気の苦痛
◇失敗や間違いによるトラウマ
過失で人を死亡させる/世間を騒がす間違いを犯す/子どもの人生から消える/プレッシャーに負ける/人命を救えなかった/多くの犠牲者を出した罪に苛まれる/人間として正しい選択ができなかった/同調圧力に屈する/破産宣告/まずい判断が不慮の事故につながる/服役者/学校で落ちこぼれる
◇社会の不正や人生の苦難によるトラウマ
悪意ある噂を立てられる/いじめに遭う/冤罪/解雇/レイオフされる/飢饉・干ばつ/暗い秘密を持つ/権力が乱用される/社会不安/第三者の死の責任を不当に問われる/貧困/不当な拘束/偏見・差別/ホームレスになる/母国を追われる/報われない愛
◇誤った信頼と裏切りのトラウマ
アイデアや仕事の成果が盗まれる/浮気・不倫/親が異常な人間だと気づく/親に別の家庭があることが発覚する/顔見知りによる幼児への性的虐待/兄弟姉妹の虐待に気づく/兄弟姉妹への不信/業務上過失で愛する人を失う/近親相姦/子どもが誰かに虐待されていることに気づく/失恋/自分が養子だと知る/自分の証言を信じてもらえない/信用していた人に裏切られる/絶縁・勘当/組織や社会制度に失望する/仲間外れにされる/望まれぬ妊娠/パートナーの隠された性的志向を知る/配偶者の無責任による家計の破綻/夫婦間のドメスティックバイオレンス/模範的な人への失望/有害な人間関係
◇幼少期のトラウマ
依存症の親のもとで育つ/幼い頃に暴力行為や事故を目撃する/親からの拒絶/過保護な親のもとで育つ/カルト集団の中で育つ/感情をあらわにしない家庭で育つ/期待にそぐわないと愛してくれない親のもとで育つ/兄弟姉妹間でひいきをする親のもとで育つ/強姦によって自分が生まれたことを知る/子どものことを後回しにする家庭で育つ/自己愛の強い親のもとで育つ/児童養護施設で育つ/支配欲が強い/厳格な親のもとで育つ/衆目に晒されて育つ/障害や慢性疾患のある兄弟姉妹と育つ/治安の悪い地域で育つ/出来の良い兄弟姉妹とともに育つ/ネグレクトの親のもとで育つ/非定住生活/保護者に虐待されて育つ/幼少期から家族の面倒を見る/幼少期・思春期に親を失う/幼少期に親と離れて育つ
◇予期せぬ出来事によるトラウマ
愛する人が無差別暴力行為の犠牲になる/愛する人の自殺/生き残るために人を殺す/学校での銃乱射事件/管理下にあった子どもの死/拷問/子どもを養子に出す/事故で死にかける/自身の離婚/自然災害・人災/死体と一緒に取り残される/自宅の火事/遭難/中絶/テロに遭遇する/倒壊した建物に閉じ込められる/恥をかかされる/屈辱を与えられる/人の死を目撃する/不治の病だと診断される/流産・死産/両親の離婚/我が子の死
付録A:心の傷・フローチャート
付録B:キャラクター・アーク進行ツール
付録C:人気ストーリーに描かれる心の傷
付録D:背景としてのトラウマをめぐるプロファイル・ツール
あとがき
関連リンク
プロフィール
[著]
アンジェラ・アッカーマン(Angela Ackerman)
ベッカ・パグリッシ(Becca Puglisi)
アンジェラ・アッカーマンは主にミドルグレード・ヤングアダルトの読者を対象に、若い世代の抱える闇をテーマにした小説を書いている。SCBWI〔児童書籍作家・イラストレーター協会〕会員である。ベッドの下にモンスターがいると信じ、フライドポテトとアイスクリームを一緒に食し、人から受けた恩をどんな形であれ他の人に返すことに尽くしている。夫と2人の子ども、愛犬とゾンビに似た魚に囲まれながら、ロッキー山脈の近く、カナダのアルバータ州カルガリーに暮らす。
ベッカ・パグリッシはともに多くの作家と作家志望者が集まるウェブサイト「Writers Helping Writers(前身は「The Bookshelf Muse」)」を運営している。豊かな文章を書くにあたり参考となる数々の類語表現を紹介するこのウェブサイトは、その功績が認められ賞も獲得している。
[訳]
新田享子(にった・きょうこ)
三重県生まれ、サンフランシスコを経て、現在はトロント在住。テクノロジー、国際政治、歴史、文学理論、服飾と幅広い分野のノンフィクションの翻訳を手がけている。ウェブサイトはwww.kyokonitta.com
お詫びと訂正
・「はじめに」P41の見出しの表記に誤植がございました。
〈誤〉ステップ4:良い習慣を身につける
〈正〉ステップ4:感情のソフトランニングを促す
・「はじめに」P60の文中の表記に誤植がございました。
〈誤〉付録D
〈正〉付録4
ご購読の皆様にはご迷惑をおかけしましたことを謹んでお詫びし、訂正いたします。