対立・葛藤類語辞典 下巻

アンジェラ・アッカーマン/ベッカ・パグリッシ=著
新田享子=訳
発売日
2023年6月24日
本体価格
2,000+税
判型
A5判・並製
頁数
352頁
ISBN
978-4-8459-2303-8
Cコード
C0090
装画
小山健
ブックデザイン
イシジマデザイン制作室
原題
The Conflict Thesaurus: A Writer's Guide to Obstacles, Adversaries, and Inner Struggles Volume 2
類語辞典シリーズ全冊セット(20%OFF) 上下2冊セット(20%OFF)

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シリーズ累計24万部突破!

小説、脚本、マンガ、演技、二次創作、TRPG……
すべての創作者必携の大ヒット類語辞典 第7弾〈下巻〉

登場人物に最適な《コンフリクト=対立・葛藤》を組み込むことで、物語は鮮やかに動き出す

「辞典」というより、もはや「宝庫」だ。
最初の一歩のパートナーにも、道中での道標にもなり得る必携書。
──加藤陽一(脚本家)

物語が面白くなるからくりを全てバラされていて、書き手としては脂汗。
──西川美和(映画監督)

現実世界では避けたい対立や葛藤は、フィクションにおいてはいくらあっても足りないもの。人の不幸、番狂わせ、裏切り、身の毛もよだつありえない展開……私たちはそれらを追体験することで、登場人物に感情移入し、臨場感たっぷりの物語を味わうことができるのです。本書は、常に書き手を悩ませている「対立・葛藤をどう作品に組み込むべきか」について解説する、最適な手引書となっています。読者の心を捉えて離さないような物語を書くためには、キャラクターに個人的なリスクを負わせ、失敗すれば大惨事を招きかねないように、ストーリー全体を通して緊張感が高まっていくような対立や葛藤が必要となります。本書はあらゆる作品づくりにおいて、最適な表現をする助けとなることでしょう。

シリーズを通して好評の前半パートでは、さまざまなレベルやタイプの対立・葛藤の種類から、ストーリーへの効果的な組み込み方、緊張感を高める方法、魅力的な悪役のつくり方、読者の満足度を高めるためのクライマックスの設定方法、対立・葛藤導入時に書き手が陥りやすい問題などを、実例を交えながら丁寧に解説。後半の辞典パートでは、具体的な115のシチュエーションを例に、それぞれの対立・葛藤が生じる具体的な状況、引き起こされるネガティブな問題や困難、起こりうる悲惨な結果・特性、もたらされる感情、起こりうる内的葛藤、基本的な欲求への影響、対処に役立つポジティブな特性や結果などを、見開き1ページで紹介しています。

この『下巻』では、 「コントロールの喪失」、「権力闘争」、「優位性の喪失」、「エゴにまつわる対立・葛藤」、「危険と脅威」、「その他の困難」 に分けた115もの対立・葛藤が生じる場面を収録。
「人間関係の摩擦」、「失敗と過ち」、「道徳的ジレンマと誘惑」、「義務と責任」、「プレッシャーとタイムリミット」、「勝ち目の無いシナリオ」 に分けた110の項目を収録した『上巻』とともに、味わい豊かな、力強いストーリーを構築する手助けとなるはずです。

あらゆる創作指南書において最重要視されている《コンフリクト=対立・葛藤》の適切な使い方についてまとめ、作品づくりに役立つ豊富なアイデアを提供する、唯一無二にして実用的な1冊となっています。

【『類語辞典』シリーズについて】
フィルムアート社の『類語辞典』シリーズはSNSを中心に爆発的に広まり、これまでの累計刷部数は24万部を超える大ヒットを記録しています。人間の喜怒哀楽を項目化し、それぞれの感情に由来する行動や反応を集めた『感情類語辞典[増補改訂版]』。あらゆるキャラクターの明るい面、暗い面から人物描写を深めたい方におすすめの『性格類語辞典 ポジティブ編』 『性格類語辞典 ネガティブ編』。255もの「場面」を通して物語の舞台・世界観をつくりあげるための『場面設定類語辞典』。読者の共感を呼ぶ多面性のある豊かなキャラクターや、リアリティのある状況設定を描くための『トラウマ類語辞典』。キャラクターの人生にとって欠かせない要素=職業を適切に設定するための『職業設定類語辞典』。ストーリー全体を通して緊張感が高まっていくような対立や葛藤を適切に組み込むための『対立・葛藤類語辞典 上巻』 『下巻』。 そしてこれらの中に収録されている、創作に役立つ様々なツールをダウンロードできる特設サイトも併せてご活用ください。

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メディア掲載

目次

はじめに
●ストーリーにおける対立・葛藤の役割:プロットの形成
●4つのレベルの対立・葛藤
●中心的な対立・葛藤を中核に据える
●対立・葛藤という黄金の糸がストーリーを動かす
●対立・葛藤で緊張感を高める方法
●ストーリーの中の悪役:力強い衝突を作り出す
●クライマックス:苦闘の頂点
●人間関係の対立・葛藤の解決を急がない
●キャラクター・エイジェンシー:主人公を運転席に座らせる
●対立・葛藤導入時に書き手が陥りやすい問題
●筆者から最後に

◆コントロールの喪失
悪天候/思いがけない妊娠/家族が死ぬ/強制退去/景気の後退/突然の不況/怪我をする/強盗/孤児になる/子どもを見失う/詐欺に遭う/定められた道を強いられる/事情聴取される/自動車事故に巻き込まれる/自分に子どもがいたことが発覚する/切望しているものを得られない/誰かを置き去りにしなければならない/捕まる/取り残される/パートナーが借金を重ねる/パニック発作が起きる/引越さなければならない/ペットに先立たれる/家賃が上がる/流産する/罠にはめられる/悪い知らせを受け取る

◆権力闘争
いじめられる/訴えられる/えこひいき/家族に圧力をかけられる/差別を経験する/出席を強制される/信念が対立する/逮捕される/適応するように圧力をかけられる/ぬれぎぬを着せられる/ハラスメントを経験する/妨害される/求めるものが合わない

◆優位性の喪失
安全な場所がなくなる/競争相手が現れる/協力者を失う/グループからはずされる/故郷や祖国を追われる/資金を失う/重要な人を失う/重要な物資がなくなる/重要な目撃者や証人を失う/重要なものが盗まれる/重要なものにアクセスできなくなる/重要なものを紛失する/重要なリソースが足りない/ルールが不利なものに変更される

◆エゴにまつわる対立・葛藤
あとに残らなければならない/嘘をつかれる/事細かく管理される/自己不信を振り払えない/自分が養子だったことを知る/自分の権威が危ぶまれる/自分のスキルや知識を越えた問題に直面する/重要なイベントの前に外見が損なわれる/真剣に取り合ってもらえない/真実を伝えているのに信じてもらえない/信用を落とす/他人に頼らなければならない/チームからはずされる/地位や富を突然失う/仲間はずれにされる/人に金を借りる/人前で恥をかく

◆危険と脅威
愛する人が危険にさらされる/アレルゲンにさらされる/安全のために分かれる/家が火事になる/追い詰められる/閉じ込められる/怪物や超常的な存在に狙われる/機械が誤作動する/危険な仕事を任される/危険な場所を横切る/危険な犯罪者が自由の身になる/救援を断たれる/最後の抵抗を試みる/自然災害/生活が脅かされる/戦争が勃発する/毒におかされる/人に気づかれる/武器なしで脅威と対峙する/復讐のターゲットになる/見知らぬ人に襲われる/身を隠す/追手から逃げる/目撃者が脅迫される

◆その他の困難
嫌な人に邪魔される/記憶を失う/恐怖心や恐怖症が頭をもたげる/健康問題が生じる/自殺を考える/指導者の立場を強制される/自分が何をしたいのかわからない/自分を許すことができない/信仰の危機が訪れる/セキュリティをくぐり抜けねばならない/楽しみにしていたイベントが中止になる/特定のグループに潜入しなければならない/肉体疲労/人間の死体を発見する/望まない超能力がある/呪いをかけられる/人違いされる/魔法をかけられる/無意識に抑圧されていた記憶が蘇る/盲目的に人を信用しなければならない/もっともらしい噓をつかなければならない/予定が突然変わる/悪いタイミングで悪い場所に居合わせる

付録A:GMC+Sツール
付録B:クライマックスにおける問題の見つけ方
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おわりに

プロフィール

[著]
アンジェラ・アッカーマン(Angela Ackerman)
ベッカ・パグリッシ(Becca Puglisi)
アンジェラ・アッカーマンは主にミドルグレード・ヤングアダルトの読者を対象に、若い世代の抱える闇をテーマにした小説を書いている。SCBWI〔児童書籍作家・イラストレーター協会〕会員である。ベッドの下にモンスターがいると信じ、フライドポテトとアイスクリームを一緒に食し、人から受けた恩をどんな形であれほかの人に返すことに尽くしている。夫と2人の子ども、愛犬とゾンビに似た魚に囲まれながら、ロッキー山脈の近く、カナダのアルバータ州カルガリーに暮らす。
ベッカ・パグリッシはヤングアダルト向けのファンタジー小説、歴史フィクションの作家であり、雑誌ライター。SCBWI会員である。太陽が輝くフロリダ州南部に暮らし、好きなことは映画鑑賞、カフェイン入りドリンクを飲むこと、体に悪い食べ物を食べること。夫と2人の子どもと暮らす。
アンジェラ、ベッカはともに多くの作家と作家志望者が集まるウェブサイト「Writers Helping Writers(前身は「The Bookshelf Muse」)」を運営している。豊かな文章を書くにあたり参考となる数々の類語表現を紹介するこのウェブサイトは、その功績が認められ賞も獲得している。
http://writershelpingwriters.net

[訳]
新田享子(にった・きょうこ)
三重県生まれ、サンフランシスコを経て、現在はトロント在住。テクノロジー、国際政治、歴史、文学理論、服飾と幅広い分野のノンフィクションの翻訳を手がけている。ウェブサイトはwww.kyokonitta.com