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日本の現代写真の基礎知識、決定版!



アート化とデジタル化/震災後の写真/「戦後写真」の終焉……
現代日本写真の転換期・2009〜2017年のトピックから厳選し、
105の用語、72組の写真家、170の展覧会・写真集を網羅。

基本的な用語を押さえながら、
不確かな時代に変わりゆく写真の現在形をとらえ直した、
格好の「写真入門」となる一冊です。

写真の見方が分かる/変わると同時に、
「写真」を通して、現代日本が見えてくる。



〈キーワード〉
アウトサイダー・フォト、ヴァナキュラー写真、記念写真、コンセプチュアル・フォト、私写真、セルフ・ポートレート、路上スナップ、動物写真、ニュー・ドキュメンタリー、ファッション・広告写真、フォト・ジャーナリズム、アオリ、アレ・ブレ・ボケ、SNS、古典技法、シークエンス、ダゲレオタイプ、デジタル画像/デジグラフィ、パレルゴン、ピンホール・カメラ、木村伊兵衛写真賞、自主運営ギャラリー、写真新世紀、フォト・コラージュ、アニミズム、LGBT、エロス/タナトス、沖縄、肖像権、震災、写真分離派 ほか

〈写真家〉
新井卓、荒木経惟、石内都、石川直樹、石川竜一、梅佳代、金川晋吾、川内倫子、川島小鳥、齋藤陽道、笹岡啓子、志賀理江子、篠山紀信、柴田敏雄、新津保建秀、杉本博司、鈴木理策、鷹野隆大、殿村任香、東松照明、長島有里枝、中平卓馬、蜷川実花、野口里佳、野村佐紀子、村越としや、森村泰昌、森山大道、秦雅則、畠山直哉、林典子、原美樹子、ホンマタカシ、松江泰治、米田知子 ほか

 写真評論家として、日本の写真表現の現場をフォローするようになって、もう30年以上になる。その中で強く感じてきたのは、日本の写真家たちの仕事が、世界的に見てもとてもユニークなものであるということだった。日々、これだけたくさんの写真展が開催され、驚くべき数の写真集が刊行され続けている国は他にないだろう。日本人の写真好きというのは、以前からよく指摘されることだが、それ以上に写真を通じて何かを表現していくという意欲の強さはただ事ではない。(中略)

 考えてみれば、写真はわれわれの環境の中に空気や水のように存在していて、それらに接する機会も多い。誰もが写真を便利なツールとして使いこなしているのだが、それらの魅力や面白さを本当に理解しているのかといえば疑問が残る。日本の写真家たちの高度な表現のあり方を、もっと深く読み解くことができれば、表面的な知識を超えた認識力、洞察力を身につけることができる。そのためには、どうしても写真特有の用語や、日本の現代写真の背景についての基本的な知識が必要になる。そのことをきちんと、効果的に伝えるにはどうしたらいいのかと考えているうちに、これまで書き続けてきた写真展、写真集のレビュー(展評、書評)をベースにして、現代日本写真についてのキーワード(基本用語)集を作ることを思いついた。(中略)実際に執筆を進めていくと、これまでおぼろげだった思考が、よりくっきりとした輪郭を持つものに変わっていくように感じた。結果的に、僕自身にとっても、このような本があったらいいなと思いに応える、とても有意義な内容になったのではないかと自負している。

(飯沢耕太郎「序論 現代日本写真の展開2009-2017」より)

CONTENTS

序論 現代日本写真の展開2009-2017

キーワード

[A]様式/ジャンル
A-1 アウトサイダー・フォト
A-2 アジア写真
A-3 アマチュア写真
A-4 ヴァナキュラー写真
A-5 記念写真
A-6 建築写真
A-7 コンセプチュアル・フォト
A-8 私写真
A-9 自然写真/ネイチャー・フォト
A-10 スナップショット/路上スナップ
A-11 セルフ・ポートレート
A-12 動物写真
A-13 ドキュメンタリー/ニュー・ドキュメンタリー
A-14 ファッション・広告写真
A-15 風景写真
A-16 フォト・ジャーナリズム
A-17 ポートレート
A-18 ラテン・アメリカ写真

[B]テクニカルターム
B-1 アオリ
B-2 アルバム
B-3 アレ・ブレ・ボケ
B-4 インスタレーション
B-5 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
B-6 大判カメラ
B-7 オリジナル・プリント/ヴィンテージ・プリント
B-8 小型カメラ
B-9 古典技法
B-10 コンタクト・プリント
B-11 シークエンス
B-12 スライドショー
B-13 静止画像と動画
B-14 ダゲレオタイプ
B-15 中判カメラ
B-16 デジタル画像/デジグラフィ
B-17 パフォーマンス
B-18 パレルゴン
B-19 ピンホール・カメラ
B-20 フォトグラム
B-21 フォト・コラージュ/フォト・モンタージュ
B-22 ポートフォリオ
B-23 ポラロイド
B-24 モノクロームとカラー

[C]賞/コンペティション/制度
C-1 アーカイブ
C-2 伊奈信男賞/三木淳賞
C-3 企業ギャラリー
C-4 木村伊兵衛写真賞
C-5 京都国際写真祭
C-6 自主運営ギャラリー
C-7 写真新世紀
C-8 写真の会賞
C-9 写真美術館
C-10 写真フェスティバル/アートフェア
C-11 写真1_WALL(旧写真ひとつぼ展)
C-12 田淵行男賞
C-13 ツァイト・フォト・サロンと商業ギャラリー
C-14 東京アートブックフェア
C-15 東京都写真美術館
C-16 土門拳賞
C-17 日本写真協会賞
C-18 パリ・フォト
C-19 東川町国際写真フェスティバル/東川賞
C-20 ビジュアルアーツフォトアワード
C-21 文化庁新進芸術家海外研修制度

[D]テーマ/被写体/思想
D-1 『明るい部屋』
D-2 アニミズム
D-3 LGBT
D-4 エロス/タナトス(エロトス)
D-5 沖縄
D-6 キャプション/テキスト
D-7 記録
D-8 決定的瞬間
D-9 現代美術シーンと写真
D-10 こども
D-11 『自然の鉛筆』
D-12 写真雑誌
D-13 写真集
D-14 『写真は魔術』
D-15 『写真論』
D-16 シャーマン/シャーマニズム
D-17 肖像権
D-18 震災
D-19 政治性
D-20 タイトル
D-21 旅
D-22 男性原理と女性原理
D-23 東京
D-24 東北
D-25 日記
D-26 「複製技術の時代における芸術作品」
D-27 ヌード
D-28 枠[フレーム]

[E]ムーブメント
E-1 ガーリー・フォト/女の子写真
E-2 近代写真
E-3 コンストラクテッド・フォト/ステージド・フォト
E-4 コンポラ写真
E-5 写真分離派
E-6 新興写真
E-7 戦後写真
E-8 日本写真
E-9 ニュー・カラー
E-10 ニュー・トポグラフィクス
E-11 ピクトリアリズム/芸術写真
E-12 プロヴォーク
E-13 ベッヒャー派
E-14 網膜派

レビュー

浅田政志 「家族写真」の新たな可能性を探る
新井卓 ダゲレオタイプのモニュメント性を活かす
荒木経惟 “天才アラーキー”は何度でも甦る
有元伸也 高度に練り上げられたスナップ/ポートレート
石内都 記憶を物質化する営み
石川直樹 「同化、受容」を基本とする写真家のあり方
石川竜一 沖縄から登場した、抜群の身体能力の持ち主
石元泰博 アメリカと日本、「両洋の眼」を持つ写真家
インベカヲリ★ 女性たちの自己主張に寄り添う、パフォーマンスの記録
梅佳代 天才スナップシューターの現在形
ERIC 香港人、アジア人としてのルーツを探る
エレナ・トゥタッチコワ ロシア出身の写真家の記憶のタペストリー
大久保潤 「アウトサイダー・フォト」の輝き
大西みつぐ 覚悟を決めて震災後の東京を撮り続ける
大森克己 スナップショットの方法論を模索する
尾形一郎/尾形優 「ディスレクシア」の建築家の視覚世界
奥山由之 新世代の旗手のノスタルジックな写真世界
尾仲浩二 「旅と移動の日々」の副産物
小原一真 原発事故の「その後」を追い続ける
金川晋吾 じわじわと恐怖がこみ上げてくるポートレート
川内倫子 日常の細部を永遠の相で写しとる
川島小鳥 軽やかに、カラフルに世界を捉える
川田喜久治 震災を契機として新作に挑む
北島敬三 「自己消去」のスナップ、ポートレート
蔵真墨 中間距離のスナップショット
齋藤陽道 聾唖の写真家の、みずみずしい「せかいさがし」の成果
笹岡啓子 「風景」の変容を粘り強く問いつづける
志賀理江子 「震災以後の写真」を全身全霊で構築する
篠山紀信 「目ん玉」の欲望に忠実に走り続ける
柴田敏雄 日本の風景写真の到達点をさらに超えて
島尾伸三 軟体動物のように伸び縮みする「私写真」
新津保建秀 デジタル時代の「風景」の再構築
杉本博司 自らのコレクションによる「歴史」の組み替え
鈴木理策 大判カメラで「経験」をまるごと捉える
須田一政 アニミズムを体現した“全身写真家”
高木こずえ 一作ごとに生成と変容を繰り返す
鷹野隆大 ヌードを起点に写真のあり方を再考する
田附勝 「東北」の土着の声を掘り起こす
津田直 シャーマンの呼び声に誘われる旅
東松照明 「戦後写真の巨人」のラスト・メッセージ
百々俊二 大阪を舞台に重量級の写真集を次々に刊行
殿村任香 体を張った「究極の私写真」
長島有里枝 家族を通して「女性の視点」を浮かび上がらせる
中平卓馬 純粋にラジカルであり続けようとした写真家
蜷川実花 時代を牽引する写真家に求められるもの
Nerhol グラフィックデザインと写真との境界領域
野口里佳 現実世界に潜む「不思議な力」を探求しつづける
野村恵子 メランコリーな気配の漂う新作
野村佐紀子 闇に溶け込んでいく男性ヌード
畠山直哉 震災を契機に写真家としてのあり方を問い直す
秦雅則 何が出てくるか予測不可能な「不思議な生きもの」
林典子 ニュー・フォト・ジャーナリズムの旗手として
原美樹子 宙を漂う6×6判スナップショット
原芳市 日常とエロスとが境目なく混じりあう写真世界
菱田雄介 時代の変わり目を全力疾走で見つめ続ける
深瀬昌久 いま甦る「私写真」の極限値
藤岡亜弥 哀しく、愛らしく、不気味な人間の生のかたち
古屋誠一 亡き妻の「記憶」を問いつづける
本城直季 ジオラマ化した世界像を提示し続ける
ホンマタカシ 独特のバイアスがかかった「ニュー・ドキュメンタリー」
増山たづ子 ダムに沈む村を撮り続けた「カメラばあちゃん」
松江泰治 地誌的な視点で世界各地の風景をスキャンする
村越としや 湿り気のある風土を、確信を持って撮り続ける
森村泰昌 何者かに「成りきる」ことの凄み
森山大道 普遍的な「路上の経験」の視覚化
やなぎみわ 写真に物語性を導入して新風を吹き込む
山崎博 「世界を測る」コンセプチュアル・フォト
山谷佑介 路上スナップの現在形を更新する
横田大輔 画像の物質性への徹底したこだわり
吉永マサユキ 「記念写真」から溢れ出るエロス
米田知子 国際派の写真家の新たな問いかけ
榮榮&映里 中国と日本のカップルの新たな写真の展開
グループ展・企画展

おわりに

おもな写真賞受賞者

写真関連年表

PROFILE

飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
1954年宮城県生まれ。写真評論家。
1977年日本大学芸術学部写真学科卒業、1984年筑波大学大学院芸術学研究科修了。主な著書=『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書、1996)、『私写真論』(筑摩書房、2000)、『デジグラフィ』(中央公論新社、2004)、『写真を愉しむ』(岩波新書、2007)、『増補 戦後写真史ノート』(2008、岩波現代文庫)、『アフターマス―震災後の写真』(菱田雄介との共著、NTT出版、2011)ほか。

キーワードで読む現代日本写真

飯沢耕太郎=著

  • 四六判変型・上製|456頁(予定)|ISBN 978-4-8459-1701-3|定価:3,800円+税

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