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社会の芸術/芸術という社会

社会とアートの関係、その再創造に向けて

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法、ジェンダー、思想、教育etcの観点から、
研究者、アーティスト、キュレーターがアート⇄社会のバージョンアップを図る。

表現の自由・不自由/多文化主義/包摂と排除/搾取/公共性
その言説と実践をめぐって繰り広げられる、人文学と社会科学の〈異種格闘〉



様々なメディアで取り上げられています!
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★美術手帖4月号に短評が掲載されました!(評者:松崎未來さま)
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アートワールドを人文学的・社会科学的な側面から検討し、アートワールドという社会、あるいはアートワールド「と」社会の関係を問い直す。アーティストとキュレーター、批評家、研究者の相互的なプラットフォームのなかで「アートと社会の相互反映性」を領域横断的に考察し、アートの実践、批評の言語の新しい形を模索する。

 現在、さまざまな場所でアートと社会との関係性をめぐる議論が提示されている。
 地域系アートは地域社会のあり方を、アートを通して、アートにおいて問い返していく試みであり、また「社会」との接触においてアート自身が変容を迫られる、そうした再帰的な実践であると言える。というか、そうであるはず、そうでなければならないはずだ。

(中略)

 本書では、アートワールドを人文学的・社会科学的な側面から検討し、アートワールドという社会、あるいはアートワールド「と」社会の関係を、問い返していきたい。アーティストとキュレーター、批評家、研究者の相互的な討論のプラットフォームを形成し、アートの実践、批評の言語の新しい形を模索する。そうすることによって、上記の「アートと社会の相互反映性」を領域横断的に考察していくことが、「社会の芸術フォーラム」および本書の目的である。

(中略)

 「社会」といっても、一口に表現できるものではない。さまざまな水準における「社会」のあり方を丁寧にたどり返し、社会の複雑性を十分に踏まえながら、次なるアートの実践へとフィードバックしていく、そうした回路を整えていく必要を感じる。社会はアートの外にあるものではなく、アートそれ自体も社会的実践であり、自律性の意味論もそうした実践の反復を可能にする社会的なコードである、と考え、ロマン主義的な自律性神話とも、悪しき社会学的なイデオロギー論とも異なる、アートと社会の関係を考察する言説と場が切実に求められている、と考える。
 そうした問題意識にもとづき、私たちは、アーティスト、キュレーター、批評家、芸術研究者、芸術教育研究者、社会学者、文化研究者、経済学者、政治学者、文化行政の関係者、ワークショップの実践者、編集者、ジャーナリスト等が集まり議論を重ねる場を設計し、「社会〈と〉アートの関係性」をめぐる言説と実践のバージョンアップを図るべく、「社会の芸術フォーラム」の活動を行っている。個々の論点については、見解の対立はあるだろうし、それはむしろ歓迎されるべきことと考える。そのうえで、上記のようなアートと社会の複雑な相互反映性を精査する、という問題意識を共有していただける方と、「異種格闘技」をしていきたい。

(本書「まえがき」より)

CONTENTS

まえがき………北田暁大

第一章 表現の自由・不自由
イントロダクション………北田暁大
[論考]
芸術表現の自由と憲法上の「表現の自由」………志田陽子
制度としての美術館、あるいは表現の「場」と媒介者………成原慧
[フォーラム総括]
表現の自由と規制との間で考えるべきこと………神野真吾

第二章 多文化主義
イントロダクション………北田暁大
[論考]
多文化主義なき多文化社会、日本………韓東賢
表現の自由/表現が侵害する自由―アートはヘイトスピーチとどう向き合うべきか………明戸隆浩
[フォーラム総括]
多文化主義とアート―アイデンティティの表現をめぐって………神野真吾

第三章 包摂と排除
イントロダクション………神野真吾
[論考]
欲望と正義―山の両側からトンネルを掘る………岸政彦
ポルノ表現について考えるときに覚えておくべきただ一つのシンプルなこと(あるいはいくつものそれほどシンプルではない議論)………清水晶子
[フォーラム総括]
誰が何から排除されているのか………神野真吾

対談1
現代美術の表現から考える―方法・技術・戦略………高嶺格×チェ・キョンファ

第四章 搾取
イントロダクション………北田暁大
[論考]
遍在化/空洞化する「搾取」と労働としてのアート―やりがい搾取論を越えて………仁平典宏
[フォーラム総括]
アートにおいて交換される価値とは………神野真吾

対談2
芸術生産の現場から考える―労働・キャリア・マネジメント………藤井光×吉澤弥生

第五章 公共性
イントロダクション………北田暁大
[論考]
ハーバーマスとアレントの理論から考える「公共性」………間庭大祐
[フォーラム総括]
公共(性)とアート―「社会の芸術」の実現にあたって………神野真吾

対談3
美術館の公共性から考える―コレクション・展示・教育………蔵屋美香×神野真吾

ソーシャリー・エンゲイジド・アートとしての九〇年代京都における社会/芸術運動と『S/N』………竹田恵子

アートの開かれた王室問題―あとがきにかえて………神野真吾

PROFILE

北田暁大|Akihiro Kitada
東京大学情報学環教授。著書に『責任と正義―リベラリズムの居場所』(勁草書房、2003年)、『嗤う日本の「ナショナリズム」』(日本放送出版協会、2005年)などがある。社会の芸術フォーラム運営委員(2015年度共同代表)。

神野真吾|Shingo Jinno
千葉大学教育学部准教授。東京藝術大学大学院修了。1995年より山梨県立美術館学芸員として現代美術の展覧会企画を担当。2006年より現職。千葉アートネットワーク・プロジェクト実行委員長。国立美術館の教育普及事業等に関する委員会委員。社会の芸術フォーラム運営委員(2015年度共同代表)。

竹田恵子|Keiko Takeda
東京大学情報学環特任助教。パフォーマンス研究理論と社会学の接合を通じて、芸術と社会の関係を探求する。社会の芸術フォーラム運営委員(2016年度共同代表)。

社会の芸術フォーラム
社会と芸術の相互反映性を問うために2015年に設立されたプロジェクト。現在進行形の問題を俎上に載せ、さまざまな分野の専門家、実践者が集まり議論を重ねるべく、フォーラム、レクチャー、文献読書会、ケース・スタディ、ディスカッションなどの活動を行う。
http://skngj.blogspot.jp/

社会の芸術/芸術という社会
社会とアートの関係、その再創造に向けて

北田暁大・神野真吾・竹田恵子(社会の芸術フォーラム運営委員会)=編
論考:志田陽子、成原慧、韓東賢、明戸隆浩、岸政彦、清水晶子、仁平典宏、間庭大祐
対談:高嶺格×チェ・キョンファ、藤井光×吉澤弥生、蔵屋美香×神野真吾

  • A5版/ソフトカバー|352頁|定価 2,800円+税|ISBN 978-4-8459-1609-2

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