モンスターを書く

創作者のための怪物創造マニュアル

フィリップ・アサンズ=著
H・P・ラヴクラフト歴史協会=序文
島内哲朗=訳
発売日
2023年8月5日
本体価格
2,200円+税
判型
四六判・並製
頁数
314頁
ISBN
978-4-8459-2306-9
Cコード
C0090
日本語版ブックデザイン
小沼宏之
日本語版装画
はるやまひろし
原題
Writing Monsters: How to Craft Believably Terrifying Creatures to Enhance Your Horror, Fantasy, an d Science Fiction

その他のネット書店から購入

恐れるな、恐ろしくあれ

竜、サメ、ゾンビ、悪魔、吸血鬼、巨大生物……
人々はなぜこんなにも「モンスター」に惹かれるのか――

H・P・ラヴクラフト歴史協会推薦、
すべての迷える創作者たちに捧ぐ、
「人ならざるもの」を描くための導きの書。

映画、ドラマ、小説、ラノベ、マンガ、ゲーム、TRPGなど、あらゆるジャンル作品に登場する「モンスター」なる異形のものども。本書は、モンスターという「リアルでないもの」を、「もっともらしく」表現するためのガイドブックである。

第一部では「モンスターとは何か」という根源的な問いから、それを恐ろしいと人が感じる要素や理由、悪役(ヴィラン)との違いについて明らかにする。第二部および第三部では、作品におけるモンスターの役割、モンスターを創造する際の実践的な手段、五感に訴えかけるような生き生きとした描写の方法、登場人物だけでなく読者にとっても恐ろしく、そして意味をもつ登場の仕方など、創作活動における実践的な取り入れ方についてレクチャーしている。

また、各章末のコラムでは、既存の作品の数々に登場してきたモンスターをカテゴリごとに紹介。ゾンビや吸血鬼といった原初的なモンスター像から、超有名モンスター、サメや自然などの現実に存在するものをモンスターとして活かす方法、あるいは未確認生物や幽霊船、呪いのアイテムといった細部まで、実例を交えながら解説。

ファンタジー、SF、ホラーといったジャンルの創作活動への最良のガイドブックであるとともに、H・P・ラヴクラフト歴史協会メンバーの著者の語る卓越したモンスター論としても読める、知的好奇心を駆り立てる一冊。

★序文:H・P・ラヴクラフト歴史協会
★「クトゥルフ(クトゥルー)神話」の生みの親
H・P・ラヴクラフトの短編『名状しがたきもの』を解説つきで収録
★あなた好みのモンスターを創造するための練習問題つき

画家のゴヤがこう書いている。「理性に見捨てられた夢想(ファンタジー)が、ありえない怪物を生む。理性と結びついた夢想は芸術の母であり、驚嘆すべきものの源泉なのだ」。これこそが、ファンタジーやホラーを創作する者に課された責務だ。(本文より)


目次

【序文】 H・P・ラヴクラフト歴史協会
【イントロダクション】リアリズムVSもっともらしさ

第一部 モンスターの正体
第一章 モンスターとは何か?
第二章 何がモンスターを怖くするのか
第三章 変容
第四章 モンスターはどこから来るのか
第五章 ただのモンスターか悪役か
偉大なモンスターたち:フランケンシュタインの怪物
モンスターの基本型:竜
現実世界のモンスターたち:サメ
未確認生物:ビッグフット
モンスター的な諸々:幽霊船

第二部 モンスターがそこにいる理由
第六章 どれだけ「モンスターだらけ」にするか
第七章 モンスターという比喩
第八章 モンスターという障害物
第九章 悪の手先としてのモンスター
第一〇章 憐れみの源としてのモンスター
第一一章 モンスター由来の魔法またはテクノロジー――魔法またはテクノロジーの源としてのモンスター
第一二章 人間性の光と闇を引き出す
偉大なモンスターたち:ゴジラ
モンスターの基本型:吸血鬼
現実世界のモンスターたち:母なる自然
未確認生物:ネス湖の怪獣
モンスター的な物:呪いのアイテム

第三部 モンスターの書き方
第一三章 ルールを決める
第一四章 大きさ
第一五章 能力とパワー
第一六章 弱点
第一七章 描写
第一八章 五感
第一九章 正体を表すためのお膳立て
第二〇章 孤立
第二一章 独創性とは――使い古された表現と基本形の違い
偉大なモンスターたち:エイリアン
モンスターの基本型:ゾンビ
現実世界のモンスターたち:恐竜
未確認生物:チュパカブラ
モンスター的な諸々:核爆弾

結論:モンスターよ、永遠に!

【小説】『名状しがたきもの』 H・P・ラヴクラフト=著

モンスター用語の手引
訳者あとがき
参考文献
索引

プロフィール

[著]
フィリップ・アサンズ(Philip Athans)
フィリップ・アサンズは、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーの『Annihilation』を含むファンタジーやホラー小説に加えて『The Guide to Writing Fantasy and Science Fiction』等十冊以上の書籍を上梓している。多数のクリエイティブ系大会やコンベンションに出席した経験を持つアサンズは、フリーランスの編集者で出版コンサルタントでもある(www.athansassociates.com)。ブログ「Fantasy Author’s Handbook」は、毎週火曜日に更新される。Twitterアカウントは @PhilAthans

[訳]
島内哲朗(しまうち・てつろう)
映像翻訳者。字幕翻訳を手がけたモンスターが出てくる主な劇映画には『ゲゲゲの鬼太郎千年呪い歌』『GANTZ:O』『事故物件 怖い間取り』『彼岸島 DELUXE』『鋼の錬金術師』『小さき勇者たち・ガメラ』『大怪獣のあとしまつ』『喰女』『いばらの王』そしてテレビシリーズ『仮面ライダーアマゾンズ』等がある。翻訳した書籍には、カール・イグレシアス『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方』、ジェシカ・ブロディ『Save the Catの法則で売れる小説を書く』、イアン・ネイサン『ウェス・アンダーソン 旅する優雅な空想家』(以上、フィルムアート社)等がある。