北野武は北野武を超え続ける
『その男、凶暴につき』から
『アウトレイジ 最終章』まで。
北野武監督/出演俳優/スタッフへの
ロング・インタビューと、
充実の論考群とともに、
映画監督・北野武の現在を思考する。
日本のみならず世界的な認知度、実績を誇る映画監督、北野武。
本書はこれまで発表してきた作品について、本人へのインタビューを含めた多種多様な視点から考察する。
あなたはまだ、北野武を知らない。
【ロング・インタビュー】
監督:北野武
プロデューサー:森昌行
カメラマン:柳島克己
俳優:大杉漣
俳優:大森南朋
【執筆陣】
伊藤洋司、入江哲朗、上野昂志、荻野洋一、北村匡平、熊切和嘉、黒岩幹子、河野真理江、杉田俊介、數藤友亮、角井誠、武田砂鉄、月永理絵、土田環、冨樫森、南波克行、樋口尚文、深田晃司、藤井仁子、降矢聡、松江哲明、三浦哲哉、モルモット吉田、渡邉大輔、クリス・フジワラ、ミゲル・ゴメス、ジャン=ピエール・リモザン、クレモン・ロジェ
メディア掲載
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キネマ旬報 1月上旬新年特別号 評者:寺岡裕治
「文脈横断気味な執筆勢を集めて、広い読者へ訴える論集にしたいとの心意気を感じた」 -
men's FUDGE VOL.98 2017年12月号
「なぜこれほどまでに北野映画は世界で評価されるのか?まだその魅力に気づいていない人にとっては最良の指南本となるだろう。」 -
ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」
目次
序文
凡例
Ⅰ.北野武の現在形──『アウトレイジ』から『アウトレイジ 最終章』へ
[インタビュー]北野武 聞き手=三浦哲哉
『最終章』は感触が違うね。重いなあっていうか。
[インタビュー]大杉漣 聞き手=荻野洋一
ぼくはいい俳優になりたい
[インタビュー]大森南朋 聞き手=月永理絵
俳優としては「北野監督の作品である」というだけで十分なんです。
究極のヤクザ映画(上野昂志)
演技大会の愉楽──「アウトレイジ」のパフォーマンス(角井誠)
Ⅱ.北野映画に出会うこと──映画と現場から
[インタビュー]柳島克己 聞き手=藤井仁子
映画は全部が上手くいくわけがない、と北野監督はわかっている──北野武監督との三〇年
海に散った「神風」(ミゲル・ゴメス)
[エッセイ]『北野武 神出鬼没』について(ジャン=ピエール・リモザン)
[エッセイ]買えよ、この野郎!(松江哲明)
[エッセイ]北野武と相米慎二(冨樫森)
Ⅲ. 何が北野武を走らせるのか
[インタビュー]森昌行 聞き手=土田環
北野映画を守り続けるために
[エッセイ]キタノ映画の呪縛(熊切和嘉)
[エッセイ]北野武とオリジナルについて。(深田晃司)
北野武監督作品解説(モルモット吉田/數藤友亮/降矢聡)
第1期…「北野武」の誕生
『その男、凶暴につき』
『3-4X10月』
『あの夏、いちばん静かな海。』
『ソナチネ』
第2期…「ビートたけし」から「世界のキタノ」へ
『みんな~やってるか!』
『キッズ・リターン』
『HANA-BI』
第3期…北野武と「日本(映画)」
『菊次郎の夏』
『BROTHER』
『Dolls[ドールズ]』
『座頭市』
第4期…自己模倣・自己否定・自己解体
『TAKESHIS’』
『監督・ばんざい!』
『アキレスと亀』
第5期…北野武の(再)転回
『アウトレイジ』
『アウトレイジ ビヨンド』
『龍三と七人の子分たち』
『アウトレイジ 最終章』
Ⅳ.北野武と/のいくつかの事柄
北野武と映画批評 北野武の批評眼と北野映画をめぐる批評(モルモット吉田)
北野武とヤクザ映画 超「ヤクザ映画」の涯てにあるもの(樋口尚文)
北野武の笑いと遊戯 地球外的な笑いについて──北野武論のためのノート(杉田俊介)
北野武のバカヤロー なぜ「バカヤロー」と叫び続けるのか(武田砂鉄)
北野武と赤塚不二夫 『アキレスと亀』と後期『天才バカボン』──笑いと死と芸術と(南波克行)
北野武の俳優/人形 背後にある顔(黒岩幹子)
北野武と大島渚 ハラ軍曹は「おい、起きろ!」と言った(荻野洋一)
Ⅴ.北野映画は思考する
死の欲動に貫かれて(伊藤洋司)
傷口と模造──北野武の映画にとっての「涙」あるいは「泣くこと」(河野真理江)
幽霊からオブジェクトへ──北野武の「アート三部作」とメディアの変容(渡邉大輔)
秤屋とペンキ屋とプータロー──あるいは北野武の映画に出てくる学生服について(入江哲朗)
北野博士とビート氏(クレモン・ロジェ)
敗北の美学、「アウトレイジ」シリーズ(クリス・フジワラ)
映画俳優の〈顔〉と身体──北野武「アウトレイジ」シリーズにおける人間/人形性(北村匡平)
映画監督北野武 バイオグラフィ
執筆者一覧
お詫びと訂正
① 「北野武監督作品解説」内の『龍三と七人の子分たち』における記載の中に、一部事実関係の誤認がありましたため、以下のように修正させていただきます。(初版のみ)
P242 下段8~11行目
原作はビートたけしがweb新潮に書いた短編小説「ヤクザ名球会」。高倉健主演で映画化をする話もあったが、“名球会”という固有名詞が使用出来ないことから先送りになり、その間に高倉健が死去し、現在の形になった。
上記、【高倉健主演で~になった。】までの3行を削除いたします。
② 論考「究極のヤクザ映画」のP85 4-5行目につきまして、下記のように訂正いたします。(初版のみ)
【誤】これで全部終わりましたね、という李は、懐から拳銃を出す。
【正】これで全部終わりましたね、という李は、大友に拳銃を向ける。大友は、李さん、いいよと断って懐から拳銃を出す。
③ 巻末の「執筆者一覧」内にて、柳島克己氏インタビューの聞き手を務められた藤井仁子氏の略歴が掲載されておりませんでした。掲載箇所はP401「インタビュアー」内となります。下記に掲載をさせて頂きます。
藤井仁子(ふじい・じんし)
一九七三年生まれ。映画評論家。早稲田大学文学学術院教授。編著に『入門・現代ハリウッド映画講義』(人文書院)、『甦る相米慎二』(共編、インスクリプト)、『森﨑東党宣言!』(インスクリプト)。
以上、ご購読の皆様、関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを謹んでお詫びし、訂正いたします。
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