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ならず者たちのギャラリー

誰が「名画」をつくりだしたのか?

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サザビーズの競売人(オークショニア)が案内する、美術史と美術品の価値に影響を与えた魅力的な画商列伝。

数量でははかることが難しく、美や質や稀少性といった概念によって左右される美術品の価値。

画商が売りこんでいるもの、それは漠然とした、はかり知れない、だが無限の値打ちをもったもの。
すなわち芸術家の天賦の才能である。

【メディア掲載】
2018年10月6日(土)の朝日新聞の書評でご紹介いただきました(評者:椹木野衣さん)。
2018年10月13日(日)の沖縄タイムスの書評でご紹介いただきました(評者:暮沢剛巳さん)。
『月刊美術』2018年11月号でご紹介いただきました。


※以下のリンクから本書の「はじめに」全文のためし読みができます。
ためし読みは こちら
※以下のリンクから本書の「訳者あとがき」のためし読みができます。
ためし読みは こちら

美術の世界でこれまで顧みられることのなかった画商という存在。
美術品を売ることに対して自身の想像力と創意工夫と、
そして説得力の限りを捧げた一群の魅力的な男たち(そして女たち)が登場!!
美術史に新たな角度から光を投げかける画期的な作品!!

オークション会社サザビーズのディレクター、フィリップ・フックが
今度は「画商」について語る!!

【本書に登場する画商の例】
レンブラントを雇い、才能を開花させた男 … ファン・アイレンブルフ
セザンヌの市場価値をつくった男 … アンブロワーズ・ヴォラール
ピカソらキュビストを発見し、応援した男 … ダニエル=アンリ・カーンワイラー
モディリアーニの水先案内人 … ポール・ギヨーム

征服者なのか寄生虫なのか、あるいはその中間のどこかしらにいるのかはともかくとして、画商というものが存在しなければ、美術史はもっとずっと違ったものになっていたであろうし、またもっとずっと(文字通りの意味で、そして同時に比喩的な意味で)貧しいものになっていただろう。画商という職業のもつ面白みと危険性は、彼らが取引をしている美術品という商品がもつ特有の性質に由来するものなのだ。
(中略)
画商は、コレクターが買う作品にどれほどの影響力を持ち、その結果、その同時代の人々の趣味にどれぐらい影響を与えているのだろうか? 画商は、画家が実際に描くものに対して、どれほどの影響を及ぼしているのだろうか? あるアーティストやある運動をプロモートすることにおいて、美術史、とりわけ近現代の美術史は画商たちによってどれぐらい左右されてきたのだろうか? 本書はこうした疑問に答えようとするものだ。
(本書「はじめに」より抜粋)

目次

はじめに

PartI ルネサンスと啓蒙主義の時代 画商という存在の誕生

◆第一章 
画商と代理人(エージェント)たちの出現 ――画家、コレクターらが参入した十七世紀以前の取引
◆第二章 ペテン師から鑑定家へ ――変容する十八世紀の画商たち

PartII 十九世紀 オールドマスターの画商と現代美術の画商

◆第三章 投機というアート ――紳士たる投機家を希求したウィリアム・ブキャナン
◆第四章 ヴィクトリア朝の美術ブーム ――英国現代美術をプロモートしたアーネスト・ガンバート

PartIII  近代 モダニズムの時代の画商たちの活躍

◆第五章 アーティストとしてのセールスマン ――アメリカのオールドマスター・コレクションをつくったジョゼフ・デュヴィーン 
◆第六章 機密保護と情報の蓄積 ――巨大アーカイヴを築いたウイルデンスタイン家
◆第七章 新しい芸術を売った初の近代的画商 ――印象派を支えたポール・デュラン=リュエル
◆第八章 現代美術で豊かな財産を構築 ――セザンヌの発見者アンブロワーズ・ヴォラール
◆第九章 キュビスムを支援した純粋主義者 ――ピカソらの理解者ダニエル=アンリ・カーンワイラー
◆第十章 前衛芸術をめぐる理想と現実 ――矛盾をかかえたローザンベール兄弟画商
◆第十一章 フランス美術界の流行のつくり手たち ――元テロリストのフェネオン、自動車業界出身のギヨームら
◆第十二章 前衛を追求したドイツの画商たち ――使命感に燃えたカッシーラーから戦後のベルグランまで
◆第十三章 大陸の芸術運動を追いかける英国紳士と業界人たち ――ゴッホの友人リード、シュルレアリストのメザンスら

PartIV  現代の世界へ 第二次世界大戦後のパラダイム・シフト

◆第十四章 美術品取引の世界を変えたオークション ――近代的な美術市場の発明者ピーター・ウィルソン
◆第十五章 買い物というアート ――前衛芸術の中心地をパリから奪ったアメリカの画商たち
◆第十六章 アメリカン・ドリームの実現 ――抽象表現主義とポップ・アートまで愛したギャラリスト、レオ・カステリ
◆第十七章 最先端(カッティング・エッジ)のアートへ ――二十一世紀の画商たちと美術界

PROFILE

【著者プロフィール】
フィリップ・フック(Philip Hook)
オークション会社サザビーズの現・取締役、印象派と近代美術部門のシニア・ディレクター。
ケンブリッジ大学で美術史の学位を取得後、1973年にオークション会社クリスティーズに入社し、80年から87年まで19世紀絵画部門の長を務める。画商として活躍したのち、94年にサザビーズに入社し、現在に至る。その間、英国BBCの人気テレビ番組「アンティーク・ロードショー」の鑑定人役としても知名度を高めた。オークショニア、画商として、40年にわたり美術市場で培ってきた経験と専門知識を活かし、執筆活動も行なう。著書に、推理小説『灰の中の名画』(ハヤカワ文庫NV)など美術界を舞台とした5冊の小説や、19世紀絵画を紹介した美術書もあるが、とりわけ美術市場に精通した立場から美術史を論じた書籍に対する評価が高い。世界各国での印象派の受容の歴史を分析した『印象派はこうして世界を征服した』(白水社)は、「フィナンシャル・タイムズ」紙の2009年の「ブック・オブ・ザ・イヤー」に、また『サザビーズで朝食を 競売人が明かす美とお金の物語』(フィルムアート社)は、「フィナンシャル・タイムズ」のほか、「サンデイ・タイムズ」「スペクテイター」「ガーディアン」など、2013年の各紙の「ブック・オブ・ザ・イヤー」に選ばれている。

【訳者プロフィール】
中山ゆかり(なかやま・ゆかり)
翻訳家。慶應義塾大学法学部卒業。英国イースト・アングリア大学にて、美術・建築史学科大学院ディプロマを取得。訳書に、フィリップ・フック『印象派はこうして世界を征服した』、フローラ・フレイザー『ナポレオンの妹』、レニー・ソールズベリー/アリー・スジョ『偽りの来歴 20世紀最大の絵画詐欺事件』、サンディ・ネアン『美術品はなぜ盗まれるのか ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い』(以上、白水社)、デヴィッド・ハジュー『有害コミック撲滅! アメリカを変えた50年代「悪書」狩り』(共訳、岩波書店)、ルース・バトラー『ロダン 天才のかたち』(共訳、白水社)、フィリップ・フック『サザビーズで朝食を 競売人が明かす美とお金の物語』(フィルムアート社)など。

ならず者たちのギャラリー
誰が「名画」をつくりだしたのか?

フィリップ・フック=著|中山ゆかり=翻訳

  • A5判・並製|512頁|本体:3,000円+税|ISBN 978-4-8459-1715-0

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