イメージ・リテラシー工場

フランスの新しい美術鑑賞法

ジャン=クロード・フォザ/アンヌ=マリ・ギャラ/フランソワーズ・パルフェ=著
犬伏雅一/前川陽郁/前田茂=訳
発売日
2006年2月
本体価格
3,200円+税
判型
B5判変型
頁数
336頁
ISBN
978-4-8459-0681-9
Cコード
C0070
備考
品切

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絵画、写真、映画、インターネットなど様々なイメージをどう読み解くか?21世紀のまったく新しい課題に応えたヴィジュアル系教科書。フランスのベストセラーがついに上陸です!

「見ることのエクササイズ!」
絵画、写真、映画、インターネットなど様々なイメージをどう読み解くか?イメージの世界に取り囲まれた私たちは、主体的にリテラシー(読み書き)する力を身につける必要に迫られてます。
本書はそうしたイメージの読解力をどのように養うのか?見ることを超える100のエクササイズがついた実践本です。
21世紀のまったく新しい課題に応えたヴィジュアル系教科書。
フランスのベストセラーがついに上陸です。

目次

1イメージと類似性
類像
aイメージと図像(アイコン)
bイメージ : 対象、記号
c眼と知覚
Column マグリットのパイプ
現実の構築された写真

類似性のコード
a線、形
b色
Column あらゆる状態での魚  地と図の理論
図式による表現のコード
主要な色彩理論  オートクローム
白黒とカラー
図像(アイコン)と文字
aイメージから文字へ
bカリグラム│テクストによるイメージ
cテクストの視覚的形態
Column 絵文字から表意文字へ
新聞 :一面のイメージ
絵画の「テクスト」:アルチンボルド
エクササイズ
1類似性の度合い/2図式化/3図式による表現力/4感情の図式/5さまざまな構造をもった形/6漫画の中の類像性/7線のもつ表現性/8中国美術における線/9空想の文学と数字/10空想の字体/11空想のアルファベット/12音のデッサン/13声のデッサン/14単語の持つイメージ/15記号:表意文字のロゴ/16町の読解/17カリグラム/18テクストがつくるイメージ/19テクストがつくるさまざまなイメージ/20削除21ミメーシス:〈これはパイプではない〉/22楕円の肖像/23さまざまな研究/24ガイド付き訪問/25探求
2奥行きと消失
先史時代の芸術における
空間の表現
a洞窟の壁面のいたるところに
絵が描かれている
b奥行きの表現
Column 様式化された図形と奥行き
絵画における古典的遠近法
aルネサンスにおける三つの研究例
b二つの絵画論
c歪像画、遠近法からの逸脱
Column 遠近法  完璧なイリュージョン
死の顔
遠近法と写真の発明
a カメラ・オブスクーラ
b 写真の登場
c 絵画と写真
Column 暗い部屋  悪魔の糞  写真機
リアリズムと芸術について
写真、見えるものと視覚
エクササイズ
1眼の焦点合わせ/2視野/3中心の視覚と周辺の視覚/4生理的視覚/5手探りで/6暗箱/7見る機械/8カメラ/9ズーム/10描写/11視覚と想像されるもの/12鮮明なものとぼけたもの/13遠近法の象徴的価値14遠近法の逸脱/15大きさと奥行き/16反射/17歪像/18影/19引き伸ばしと歪像/20ハイパーリアリズム/21現実/22探求
3イメージの世界
フレーム
a「窓」の歴史
bフレームとカメラマン
Column フレームと視線
画面と画面外
a空間の断片としての画面
b画面外から想像の中に現れる
c画面外の効果
Column 文学における画面と画面外
被写界深度
a被写界深度の技術
b映画における被写界深度の歴史
c被写界深度の機能
Column 被写界深度と画面の奥行き
光の職人  空間、音楽そして音
イメージとその大きさ
aショットとショットの大きさ
b観客が想像する大きさ
Column イメージの大きさとショットの大きさ
近接(学)  リラの枝
映画の蜘蛛
エクササイズ
1現実空間のフレーミング/2奥行きのある空間のフレーミング/3フレームの操作、フレームとマスク/4フレーミングと記述/5フレーム、画面と画面外/6二つのものの間/7ズームとフレーム/8画面/画面外9フレーミングと再フレーミング/10画面(視野)の奥行き/11文学における〈音による〉画面外/12視点と場の奥行き/13行為と被写界深度/14箱をつかっての演出練習/15クロースアップ/16ルーペを使って17架空のスケール/18アリスのサイズ/19写真における演出/20分析/21研究/22物は奇妙である
4視線
視点
a視点の価値
b視点は言表である
c視点とイデオロギー
Column 文学における視点  視点と先入観
主観カメラ  地理学者の視点
観客の同一化
a一次的同一化
b二次的同一化
c投影
Column 精神分析における鏡像段階
夢遊病的状態  同一化と語り
同一化の巧みな利用
エクササイズ
1カメラマンの位置と視点/2視点の多様性/3風景/4空間とさまざまな視点/5行為とさまざまな視点/6さまざまな視点と機能/7同じ椅子に対するさまざまな視点/8絵画の分析/9カギ穴/10のぞき見る人/11小さな人物/12写真の分析/13文学の中の視点/14新聞における〈視点〉/15〈視点〉と情報/16〈視点〉と資料/17同一化と投影/18投影の一側面 : 〈プンクトゥム〉/19主観性/客観性/20視点とフィクション
5 静止イメージの記号学
イメージは、
言語よりも多義的である
イメージによるコミュニケーション
a発信者/受信者
bコミュニケーションの状況
cイメージの読解
dコードと文化的目録
Column 言語コミュニケーション
広告の発信者と受信者  コードの観念
芸術のデータバンクから借用された広告の比喩的イメージ
白雪姫、ピクスとその仲間……
類像記号からメッセージへ
a修辞の文彩
b無意識の役割
c神話の役割
Column 修辞的アヒル  神話的人物形象
言語メッセージと
類像メッセージ
aキャプション、タイトル、キャッチコピー
b自由な吹き出し
Column イメージとキャプション
金(スー:sous)とキャベツ(シュー:choux)
イメージの多義性
固定したイメージを形式的に分析する方法
エクササイズ
1地図記号/2記号と視覚的コード/3衣服のコード/4行動のコード/5コミュニケーションの身振りのコード/6コミュニケーションと言語のコード/7シンボル/8色と形の象徴性/9夢の象徴性/10図像学的、文学的動物画集/11広告の中の動物園/12引用イメージ/13転用/14言語的共示/15外示的機能/共示的機能/16コノテーション/17アナグラム/18広告のテーマ/19スポット広告あるいはビデオクリップの分析/20コミュニケーション/21転用/22一義対多義:シークエンス化/23一義対多義:キャプション
6空間とイメージ
世界のイメージである地図
a類像的対象としての地図
bイメージの作者である地図作成者
c社会的なイメージとしての地図
Column 中世の信仰の地図
地図と想像上のもの
a地図と物語
b現代の研究
Column 遊びと規則
宇宙進化論と原始都市
a古代の宇宙進化論の機能
b原始都市の構築
Column 中国と巨人  世界の中心
空間の象徴的表現と
世界の再現
a場所の図面
b場所の考え
Column フェルナン・ドゥリニーの放浪の線
エクササイズ
1地図/2図法/3地球がオレンジ/4体積/5記憶の地図/6行程/7想像上の地図/8道順/9小説風の行程10フランス一周/11宝探しゲーム/12空想地図/13地名学/14宝島/15空想旅行/16宇宙進化論/17月/18天空の地図/19場所の図面/20空間の象徴的表現/21迷路/22記憶の場所/23現代のタンドル/24物語/25探求/26分析
7身体とイメージ
身体の再現
a身体の最初の再現
b神々の再現
cルネサンスの貢献
Column 先史時代の身体  身体と悪
顔の再現
a肖像と自画像
b十九世紀の肖像写真
c二〇世紀の壊された身体
Column 人間の顔つき  風刺画
身体、物質、イメージ
a〈目で触る〉
b身体/カンヴァス、身体/ページ、
身体/スクリーン
c〈目で聞く〉:無声映画と写真
d〈耳で見る〉
Column 映像と音の関係:依存と自律
身体のない声『サイコ』の中の母親
エクササイズ
1自画像/2〈クラスの肖像〉/3しかめ面、風刺画/4肖像画/5他人の肖像/6グループの写真/7モンタージュ写真/8グループの肖像/9映像化された肖像/10集団の像/11役者/登場人物/12皮膚、ざらつき/13壁のざらつき/14化粧/15大きい映像/大きい音/16音とイメージ/17音の分析/18音のイメージ/イメージの音/19調査/20一覧表/21研究/22収集保存/23探求
8時間とイメージ
静止イメージにおける
時間と運動
a運動の時間
b静止イメージのなかでの行動
Column 最初は時間がかかった
絵画における時間と奥行き:
『キリストの笞刑』
絵画における時間と奥行き:
『ウルビーノのヴィーナス』
絵画の時間
連続する静止イメージでの
時間と運動
aシークエンス化のコード
bフォト・シネマ:クリス・マルケル
『ラ・ジュテ』1962年
Column 静止イメージにおける時間 漫画のコマ『アラック・シナ│デカあるいは私立探偵』
空間的・時間的連続『アラック・シナーーデカあるいは私立探偵』
空間的・時間的不連続『トルビアック橋の霧』
次に続く
エクササイズ
1運動とその痕跡/2速度とカメラ/3運動と写真/4アニメーション/5画風と運動/6時間と運動/7シークエンスのつながり/8写真のシークエンス/9シークエンス/10イメージで綴る一日/11漫画における時間と空間/12小説の冒頭部の翻案/132ページ目/14連続ドラマ/15写真小説/16シークエンス:イメージと音/17シークエンス・フォト/18コンタクトシート/19時は流れる/20言葉の時間とイメージの時間
9映画の時間
映画の発明者たち
aリュミエール
bメリエス
cグリフィス
dソヴィエトの映画
Column 列車の歴史  メリエスが大きな頭を持つ
十分なクレショフ効果をどのように念入りに作り上げるか
歴史から作られる映画
a理論的論議
b研究される映画作品
Column モンタージュとモラル
映画作品の小工場
aシナリオ
b撮影
c編集
Column カメラの位置と動き
10映画の大工場
社会学
a歴史的社会学
b映画とその大衆
Column 検閲委員会
映画の経済学 : 零細商店と
スーパーマーケット
a制作
b配給
c興行
d保存
Column 国立映画センター(CNC)
映画祭
時は金なり
a快楽の代価
b尺数と時間
c短編映画
Column 現実の構築された写真
展示された時間 : ダグラス・ゴードン、『デジャ・ビュ』  『実験映画』
エクササイズ
1〈造形的〉な映画/2コラージュ/3点滅/4調子外れのカメラ/5〈リュミエール風に〉/6〈メリエス風に〉/7即席映画/8視覚的な詩/9拡大撮影/10バスを待ちながら/11すべてがひっくり返る/12小さなシークエンス/13繋ぎ/14開いたドア/15日常/16猫の微笑み/17〈クレショフの実験〉/18変形/19コメント/20音声による改変/21音響から映像へ/22音のスケール/23予告編/24長編映画の分析/25映画のジャンル/26一人の映画作家についての研究/27映画と歴史/28映画作品の制作/29映画ポスター/30映画作品の保存と修復/31写真によるルポルタージュ/32映画批評/33映画と私たち/34インタビュー/35インターネット
11映像の記憶
〈ドキュメントとなった〉
現実 : 見る・知る・できる
a写真とリアリティ
bドキュメンタリー映画
Column 『チチカット・フォーリーズ』
アーカイヴとその扱い
a歴史学者とドキュメント
b〈照会済みの〉映像
c証拠、証人、ドキュメント
Column 映像対象の同一性
危機にある報道写真
芸術とアーカイヴ
a死ぬ運命にある映像
b物真似されたドキュメント
c引用、リメイク
d主観的な調査
eアーカイヴのモンタージュ
f現代的な探求の実例
Column アーカイヴされたドキュメントの扱い
ジャン = リュック・ゴダール『映画史』1988│98年
12今日のスクリーン
テレビ
a手短な歴史記述
bメディア、メディウム
c生中継の世界、監視された世界
d先駆的芸術家とテレビ
eビデオ作家とインスタレーション
fテレビと映画
Column 監視  2001年9月11日
インスタレーション
ヴァーチャルな世界に向かって
a映像とヴァーチャル・リアリティ
bシュミレーション
c身体の映像、銀塩写真から
デジタル写真へ
dビデオゲームと対話型ディスク
eインターネットのネットワーク
Column アナログとデジタル
インタラクティヴ・アート[対話型アート]の実例
世界に住まう
クリス・マルケルの新しい映像
エクササイズ
1空想の考古学/2ある場所の考古学/3場所の記憶/4証人/5家族の考古学/6捜査の手がかり/7物真似(パスティシュ)/8パリ警視庁情報部/9あなたを語らせる方法/10無題/11虚像と、虚像の使用法/12引用/13改竄/14自分への関心/15私立探偵/16モンタージュする│サンプリングする/17コマーシャルとコマーシャルの間/18高校のパンフレット/19分解/20斬新なスクリーン/21閉じた回路/22吸盤カメラ/23ジャン・ヴィゴの映画/24時間が過ぎ去る……/25リサーチ