
人と服と社会のプロセス・イノベーションを夢想する
水野大二郎+ファッションは更新できるのか?会議実行委員会=編
四六判・並製|456頁|ISBN 978-4-8459-1559-0|定価:2,600円+税
前人未踏の (インターネット+テクノロジー+SF+アート+ものづくり+コミュニティ+FAB+デザイン+情報社会+法律+アーカイブズ+複雑系+哲学) × ファッション
情報環境との連動のなかで
更新されるファッションとその可能性を探る!
21.5世紀のクリエイションを試行/思考する総勢57人が、考えて、聞いて、話して、作った、
ファッションをアップデートする実験と実装の格闘の軌跡。
パブリシティ掲載情報
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☆「美術手帖」2015年12月号 書評にてご紹介いただきました。
☆「ブレーン」2015年11月号のエディターズ・ブックセレクトにてご紹介いただきました。
☆「繊研新聞」2015年9月28日付 新刊書評にて取り上げられました。
☆「CINRA.NET」にてご紹介いただきました。
http://www.cinra.net/news/20150824-fashionkoushin
☆「fashionsnap.com」にてご紹介いただきました。
http://www.fashionsnap.com/news/2015-08-12/fashion-koushin/
・「WWD JAPAN」(2019年9月16日号)にて書評を掲載いただきました。
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本書は、「ファッションは更新できるのか?会議」と銘打ち、インターネットが前提となった現代の社会において、ものをつくるプロセスが変化し「共同・共有・共創の時代」が訪れつつある今、ファッションデザインやそのアーキテクチャを今一度考えてみることを目的として連続的に行なわれた会議の議事録と、そこから派生した論考、そして注目のファッションデザイナーへのロングインタビューを1冊に編纂した、ファッションを自由に議論し解放するための書物です。
つくり方、伝え方、コミュニティ形成といったクリエイティブや表現に関することから、売り方、買い方といった市場経済のこと、さらには法律やアーカイブの問題まで、多種多様なテーマから、ファッションの現在と未来を照射します。
情報技術、ものづくり、パーソナル・ファブリケーション、デザイン、批評、イノベーションなど、現代日本の重要課題をファッションを軸に考えることを試みた、議論と挑戦と実践が渾然一体となった前人未踏のファッションを考える一冊。
★注目の「ファッションの更新者たち」6名へのロングインタビューも敢行!カラー図版多数!
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編著=水野大二郎/永井幸輔/金森香/小原和也/岩倉悠子/小林嶺/山本さくら/幸田康利
登壇・執筆者=森永邦彦(ANREALAGE)/山縣良和(writtenafterwards)/河村慶太+井村美智子(YEAH RIGHT!!)/廣川玉枝(SOMARTA)/鈴木淳哉+佐久間麗子(chloma)/Hachi(BALMUNG)/コタケカズキ(伍戒)+鵜戸庚司(DID)/江渡浩一郎/川田十夢/山下陽光(途中でやめる)/蘆田裕史/岡部大介/下西風澄/坂部三樹郎(MIKIO SAKABE)/まさじ/ヌケメ/山本詠美/よしだともふみ/菅野創/藤谷香子+佐々木文美+山崎皓司(快快)/山口壮大(ミキリハッシン)/高野公三子/向千鶴/田中浩也/成実弘至/水野祐/武内昭(THEATRE PRODUCTS)/岡瑞起/重松泰斗/山本憲資/鄭一志/馬場貞幸/南馬越一義/平松有吾/蓮沼千紘/ドミニク・チェン/岡田栄造/鈴木潤子/鈴木清之/横山泰明/本橋康治/齋藤歩/筒井直子/野村由芽
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「ファッションは更新できるのか?」とは、
挑発的な問いである。
ファッションが柔軟に自らを変えられないなら、
それはもはやファッションではないからだ。
ファッションへの愛情と危機感と、
そして未来への希望をもって
わたしたちは、この問いを投げかけ続ける。
──ファッションは更新できるのか?会議 実行委員会一同
はじめに 水野大二郎
まえがき 永井幸輔
Chapter 1
クリエイションの共有/アーキテクチャの更新
〈議事録〉vol.0 キックオフ・ミーティング 〈パクリ〉の文化史
登壇者|山口壮大、高野公三子、向千鶴、永井幸輔、金森香、小原和也、小林嶺、水野大二郎
小括:デザイナーとユーザーが一緒に考えること。そして、ファッションが抱えるその困難さ|水野大二郎
〈議事録〉vol.1 「DIY→DIWO→DIFOへ」という時代に
登壇者|田中浩也、成実弘至、水野祐、永井幸輔、金森香、水野大二郎
小括:特定多数(For Others)のファッションは可能か?|水野大二郎
〈INTERVIEW〉「THEATRE, yours」とは何か プロセス・デザインの実験|武内昭(THEATRE PRODUCTS)
〈TEXT〉更新せざるをえない未来を考える|江渡浩一郎
〈TEXT〉技術から新しくなる流行、流行から古くなる技術。|川田十夢
〈TEXT〉ギャンギャン|山下陽光
Chapter 2
売り方・買い方・法律──インターネット以降のファッションに何が起きているのか
〈議事録〉vol.2 「対価の改新!」 インターネット時代の新しい販売
登壇者|岡瑞起、重松泰斗、山本憲資、永井幸輔、金森香、水野大二郎
小括:meso型創造力の誕生|水野大二郎
〈議事録〉vol.3 ファッションのリーガル・デザイン 法律家による分析と提案
登壇者|鄭一志、馬場貞幸、南馬越一義、平松有吾、蓮沼千紘、河村慶太、永井幸輔、金森香、水野大二郎
小括:オリジナリティをめぐる思考、思考手段としての法|水野大二郎
〈取材〉keisuke kanda 展示会日記|野村由芽
Chapter 3
ファッションの更新者たち
〈INTERVIEW〉ショーの最中に思わず手を叩いてしまうような、ファッションの領域を超える瞬間がある。洋服が引き起こすそのちっちゃな革命を信じていたい。|森永邦彦(ANREALAGE)
〈INTERVIEW〉まず僕たちは大前提として「ファッションとは複雑なものだ」ということを理解するところから始めなければいけない。|山縣良和(writtenafterwards)
〈INTERVIEW〉たとえば着なくなって洋服が朽ち果てても、最後は土に還るような服がつくれたら。|河村慶太+井村美智子(YEAH RIGHT!!)
〈INTERVIEW〉デザインとして優れたものを生み出そうということを第一に好奇心がおもむくまま挑戦し、ジャンルを超えるような人に私もそうなれたらと思うんです。|廣川玉枝(SOMARTA)
〈INTERVIEW〉「強さ」「カッコよさ」みたいなものにはもうすでに行き詰まりがあるように感じていて。「かわいさの中にこそある強さ」というような日本的な文脈を持つ表現を目指していきたい。|鈴木淳哉+佐久間麗子(chloma)
〈INTERVIEW〉リアリティに訴えかけるもの、存在感のようなものがないと、誰の目にも留まらないし必要とされない。居場所の必然性や根拠がないブランド表現にはしたくない。|HACHI(BALMUNG)
〈INTERVIEW〉かわいいって流行り廃りではない。万国共通だし、やっぱりある程度普遍的で絶対にあり続けるものだから純粋に肯定していきたいですね。|コタケカズキ(伍戒)+鵜戸庚司(DID)
Chapter 4
創造力と想像力──ファッションデザインの未来のために
〈議事録〉vol.4 ファッションがアノニマスデザインに託す願いとは
登壇者|岡田栄造、鈴木潤子、ドミニク・チェン、永井幸輔、金森香、水野大二郎
小括:プロセスやリソースという〈他者〉は、更新を可能にするのか?|水野大二郎
〈TEXT〉ひろがりとゆらぎ、角度と精度、ひとりで速くとみんなで遠く──インターネット前提社会のファッションデザインを想像する|水野大二郎
〈TEXT〉システムの更新/教育の更新|蘆田裕史
Chapter 5
人と服と社会と──創造が連鎖する時代に
〈議事録〉vol.5 コミュニティからうまれるものづくりの生態系──コスプレイヤー、デコラー、ユザラー、デコクロ、キタコレ、手芸……
登壇者|鈴木清之、山下陽光、横山泰明、本橋康治、小竹一樹、ヌケメ+よしだともふみ+山本詠美、永井幸輔、金森香、幸田康利、水野大二郎
小括:個の創造力。その波を世界へ届けるために|水野大二郎
〈議事録〉スピンオフ ファッションデザインのアーカイブと創造性
登壇者|蘆田裕史、齋藤歩、筒井直子、永井幸輔、水野大二郎
総括:プロセス・イノベーションは可能か?──ファッションの売り方、買い方、つくり方、伝え方を夢想する|水野大二郎
〈座談会〉ファッションの「アウトサイド」を巡る
登壇者|坂部三樹郎、岡部大介、まさじ、ファッションは更新できるのか?会議実行委員
〈TEXT〉コスプレイヤーにみる密猟とデザイン|岡部大介
〈TEXT〉纏われる心 Weared Mind|下西風澄
さいごに 金森香
特別付録|やってみた
1 ファッ更は実装できるのか? ニッティングマシーン・ハックとグリッチニットプロジェクト|文・写真/ヌケメ、よしだともふみ、菅野創、山本詠美
2 ファッションは更新できるのか? 快快美術部からの提案|文・写真/快快(FAIFAI)=佐々木文美、藤谷香子、山崎皓司
編著/「ファッションは更新できるのか?会議」実行委員会
水野大二郎(みずの・だいじろう)
慶應義塾大学環境情報学部准教授。1979年東京生まれ。2008年、Royal College of Art(英国王立芸術大学院)PhD in Fashion Womenswear 修了、博士号(ファッションデザイン)取得。日本に帰国以後、デザインと社会の関係を架橋する多様なデザインプロジェクトの企画・運営に携わる。主な活動に社会的包摂を目指すインクルーシブデザインの普及・実践活動、デジタルファブリケーションの普及・実験の場であるFablab Japan Networkとの協働、蘆田裕史との共同責任編集によるファッション批評誌『vanitas』の運営などがある。共著書に『x-DESIGN』(慶應義塾大学出版会)、『Fabに何が可能か』(フィルムアート社)、『インクルーシブデザイン』『リアル・アノニマスデザイン』(共に学芸出版社)、『fashion design for living』(Routledge)など。
「ファッションは更新できるのか?会議」とは
2012年9月から約半年、全7回にわたり、実施されたセミクローズド会議です。消費者のソーシャル化、知的財産権への意識の高まりといった社会状況の変化は、現在のファッション産業に避け難い変容をもたらすと同時に、新しい創造性を獲得する契機をもたらしています。
この会議では、他分野における現状とファッション界の状況を対比し、社会の「設計」や「構造」=アーキテクチャと向きあって試行錯誤を行っている実践者(デザイナー、メゾン関係者)、販売店、批評家、メディア関係者、ウェブデザイナー、研究者、法律家などを招き、ファッションの更新の可能性について議論しました。
2015年8月27日記
ブランド名「BALMUNG」において誤記がございました。
<P240 2段12行目>
誤:BULMUNG → 正:BALMUNG
<P276 3段16行目>
誤:BULMUNG → 正:BALMUNG
<P280 2段6行目>
誤:BULMUNG → 正:BALMUNG
ご購読の皆様ならびにブランド関係者の皆様には
ご迷惑をおかけしましたことを謹んでお詫びし、訂正いたします。
(株)フィルムアート社
水野大二郎+ファッションは更新できるのか?会議実行委員会=編
四六判・並製|456頁|ISBN 978-4-8459-1559-0|定価:2,600円+税
西谷真理子 編/蘆田裕史、千葉雅也、鈴木親、林央子、井伊あかり、黒瀬陽平、田村有紀、高野公三子、藤原徹平、金森香、中村茜、川田十夢、神田恵介、山縣良和、他 著
西谷真理子=編|執筆者=五十嵐太郎+浅子佳英、千葉雅也、菊田琢也、平芳裕子、小澤京子、坂牛卓+入江徹+森永邦彦+松田達、井伊あかり、永江朗、成実弘至、井上雅人、長谷川祐子、藤原徹平、本間直樹+木ノ下智恵子、桑原茂一、柳本浩市、工藤雅人、西谷真理子
田中浩也、門田和雄=編著|渡辺ゆうか、津田和俊、岩嵜博論、すすたわり、水野大二郎+太田知也、松井茂、久保田晃弘、城一裕=著
ドミニク・チェン=著
マット・メイソン=著|玉川千絵子、八田真行、鈴木沓子、鳴戸麻子=訳