本を読むときに、何を見て、何を思い描いているのか?
読書における想像力の謎を、ブックデザインの名手が解き明かす、世にも不思議な言語とビジュアルの謎解き書
高山宏(英文学者)推薦!
山本貴光(『文体の科学』著者)解説付!
本書は、アメリカの老舗出版社クノッフ(Knopf Books)で活躍するカリスマ装丁家が、人間の認識力の謎と不思議の本質に迫り、「読書すること」に光をあてビジュアルで表わした、まったく新しいアプローチで視覚文化を考える書物です。
著名な文学作品を、視覚的・現象学的な見地から、デザイン性に優れた豊富な図版とともに解読し、言語とビジュアルにまつわる秘密と、文学とデザインのめくるめく世界を表現します。
全編、ビジュアルによる意味の発見に満ちており、文学、心理学、図像学、美学、デザイン、記号論、哲学を自在に横断しながら、言語の深淵さ、デザインの面白さに触れることを試みた、「見る」「読む」「書く」「描く」ことを考えるための必読の一冊。
☆「サンフランシスコ・クロニクル」誌、老舗書評誌「カーカス(Kirkus)」において、
“Best Book of the Year”を受賞!!
☆「ニューヨーク・タイムズ」「ロサンゼルス・タイムズ」「ボストン・グローブ」……
数々の有力誌で絶賛された名著、堂々の日本版!!
読んで知った。いとも簡単に人はそう言う。白いページの黒い文字の列が脳の内部でどうなった時にはじめて、「本が理解できた」と言えるのか。皆が知っているようで誰も知らないこの本のこの意表つく問いひとつで、いま読書論、そしてメディア論が一変する。しかもどこまでもリーダブルに、どこまでもグラフィックに! ──高山宏(英文学者)
〈本書で言及される主な作家・作品群〉
トルストイ/『アンナ・カレーニナ』/シェイクスピア/フォークナー/ヘンリー・ジェイムズ/ハーマン・メルヴィル/『白鯨』/フローベール/ボヴァリー夫人/イタロ・カルヴィーノ/ジェイムズ・ジョイス/『ユリシーズ』/メルロ・ポンティ/スタインベック/カフカ/『審判』/ディケンズ/ナボコフ/ボルヘス/ウィトゲンシュタイン/ゴンブリッチ/プルースト/ロラン・バルト/アラン・ロブ=グリエ/ドストエフスキー/ベケット/ヴァージニア・ウルフ/『灯台へ』/チョーサー/etc…
メディア掲載
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紀伊國屋じんぶん大賞2016にて、本書が第7位に選ばれました!
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「図書新聞」3228号(10/31刊行)にて、関西大学准教授・門林岳史先生(メディア論)に「近代小説、映画、現象学という三つの領域の同時代性をひそかに指摘している」とご紹介いただきました!
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Numero TOKYO」11月号(9月28日発売)「山崎まどかが選ぶ今月の本 デザイナーたちの思想書」にて、「想像力の仕組みとデザインを教えてくれる本」として紹介されました!
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J-WAVE「THE HANGOUT」において、川田十夢さんにご紹介いただきました!
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「読売新聞」(8月2日朝刊)において、書評が掲載されました!(評者:岡ノ谷一夫さん・東京大学教授)
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書評サイト「HONZ」において、冬木糸一さんにご紹介いただきました!
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NHKラジオ「すっぴん」において、内沼晋太郎さんにご紹介いただきました!
目次
PICTURING “PICTURING”
「描くこと」を思い描く
FICTIONS
フィクション
OPENINGS
冒頭
VIVIDNESS
鮮やかさ
PERFORMANCE
演奏
SKETCHING
素描する
SKILL
技
CO-CREATION
共同創作
MAPS & RULES
地図と規則
ABSTRACTIONS
抽象
EYES, OCULAR VISION & MEDIA
目、視覚、媒体
MEMORY & FANTASY
記憶と幻想
SYNESTHESIA
共感覚
SIGNIFIERS
意味しているもの
BELIEF
信念
MODELS
模型
THE PART & THE WHOLE
部分と全体
IT IS BLURRED
ぼやけて見える
[解説]本と体の交わるところ──本書の遊び方
山本貴光
プロフィール
[著]
ピーター・メンデルサンド(Peter Mendelsund)
ブックデザイナー。アメリカの老舗名門出版社、アルフレッド・A・クノッフ社のアート・ディレクター。クラシック・ピアノもたしなむが現在は休業中。彼のデザインは『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙で「現代の小説の分野において、一目で誰によるデザインかが分かる、もっとも特徴的で象徴的なカバーデザイン」と評されている。本書『What We See When We Read』は、彼の作家としての初めての著書となる。ニューヨーク在住。
[訳]
細谷由依子(ほそやゆいこ)
出版・映像翻訳者。ファッション誌『zyappu』(光琳社出版)編集部勤務中より数多くのインタビュー通訳、翻訳を手掛け、2000年以降はフリーランスとして出版翻訳、映像制作・翻訳に携わる。主な翻訳歴に『ポップカルチャーA to Z』(グラフィック社)、『アンディ・ウォーホル 50年代イラストブック』(ゴリーガブックス)、『色と意味の本』(フィルムアート社)などの書籍や、ドキュメンタリー映画『躍る旅人 能楽師・津村禮次郎の肖像』、『Landscapes with a Corpse』、アニメーションや映像芸術作品の字幕翻訳など多数。