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ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門

アートが社会と深く関わるための10のポイント

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真に「ソーシャル」なアートはどのように可能か? 
アートプロジェクトを象徴で終わらせず、社会を変えるリアルな活動にするためには? 

社会に深く関わる=エンゲイジする世界的なアートの潮流を、理論と実例を通じて伝える。
アーティスト、アートプロジェクトのスタッフ、美術教育関係者必携の、「社会に関わるアート」の手引き。

アートによる社会創造のムーブメント「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」。
その表現は、「参加」「対話」「行為」に重点を置き、美術史はもちろん、教育理論、社会学、言語学、エスノグラフィーなど、さまざまな分野の知見を活用しながらプロジェクトを組み立て、コミュニティと深く関わり、社会変革を目指すものです。
この新しい試みは、パブリック・アート、リレーショナル・アート、コミュニティ・アート、参加型アートなど、さまざまな歴史的な実践を踏まえて登場し、近年の欧米で盛んになっています。

本書では「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」の実例に迫り、実践の手法について、「コミュニティ」「会話」「コラボレーション」「敵対関係」「ドキュメンテーション」などの10のポイントを通じて、理論と実例を交えながら、その可能性を検証していきます。

著者のパブロ・エルゲラは、「関係性の美学」「リレーショナル・アート」の思想に疑問を抱き、単に美術館やギャラリーのコンテクストの中で参加型体験を作り出すだけではなく、アートを出発点とした、真に社会に寄与する試みが必要だという考えに至ったといいます。その実践はまさに国際的な「社会に深く関わるアート=ソーシャリー・エンゲイジド・アート」の潮流と重なっていました。

全国的に芸術祭やアートプロジェクト、アーティスト・イン・レジデンスが浸透し、アーティストが地域社会にコミットする機会が急増した現在。一方で、アートとコミュニティがすれ違い、互いの目的や思いがうまく通じなかったり、有益な関係が築けないまま終わってしまう場合も少なくないのではないでしょうか。
私たちが今まさに直面しているアートと社会の諸問題に対して、理論と実例の両面から、多くのヒントを与えてくれる一冊です。

「拡張する〈ソーシャルな場〉で道に迷う人に、この勇気ある一冊は必ず重要な指針を与えてくれる」
──クレア・ビショップ[美術批評家]推薦!

日本版の巻末には片岡真実氏(森美術館チーフ・キュレーター)による特別寄稿「ソーシャリー・エンゲイジド・アートと日本を考える」を収録。ソーシャリー・エンゲイジド・アートの国際的な動向と、日本における80年代末以降の「社会に関わる」アートの歴史を結びつける貴重な論考となっています。

目次

日本語版への前書き

0 Introduction イントロダクション
Ⅰ Definitions 定義
Ⅱ Community コミュニティ
Ⅲ Situations 状況
Ⅳ Conversation 会話
Ⅴ Collaboration コラボレーション
Ⅵ Antagonism 敵対関係
Ⅶ Performance パフォーマンス
Ⅷ Documentation ドキュメンテーション
Ⅸ Transpedagogy 超教育学という視点
Ⅹ Deskilling 熟練の解体と再構築

謝辞
[特別寄稿]ソーシャリー・エンゲイジド・アートと日本を考える
──片岡真実
訳者あとがき
用語集

経歴

【著者】
パブロ・エルゲラ (Pablo Helguera)

1971年メキシコシティ生まれ。人類史、伝記、逸話、歴史的事件の間の思いがけない結びつきを見出し、それらすべてを一つに統合し、そこに我々とアートとの現在の関係性を投影させるアーティストである。その手法は秩序だったもので、バロック音楽のフーガやアルス・コンビナトリア(結合術)につながる戦略を思わせる。歴史、教育学、社会言語学、人類学に強い関心をもち、それはレクチャー、美術館での展示、パフォーマンス、小説のかたちをとって提示されている。プロジェクト《The School of Panamerican Unrest》(2003-2011)は、教育に重点を置いたソーシャリー・エンゲイジド・アートの初期の事例で、“ノマディック・シンクタンク”がアラスカのアンカレッジから南米南端のティエラ・デル・フエゴまで車で旅するというものだった。世界各地で展覧会を開いている(ニューヨーク近代美術館[MoMA]、ハバナ・ビエンナーレ、パフォーマ、ソフィア王妃芸術センターほか)。また、グッゲンハイム、フランクリン・ファーナス、ABOG(ア・ブレイド・オブ・グラス)のフェローシップ、クリエイティブ・キャピタル、アート・マターズの助成金を獲得している。2011年には、イタリアのエミリア=ロマーニャ州議会から、第1回の「国際パーティシパトリー・アート賞」を受賞した。
本書『Education for Socially Engaged Art』(2011)は、ソーシャル・プラクティスの手引きとして、世界各地のアートスクールや大学におけるこの科目の授業の主要なテキストに採用されている。その他、おもな著書に、アートワールドでの処世術をユーモアと皮肉を込めて説く『The Pablo Helguera Manual of Contemporary Art Style』(2005, 英語版2007)、パフォーマンス・テキスト選集『Theatrum Anatornicum (and other Performance Lutures)』(2009)、フィラデルフィアのペン博物館の“主観的伝記”『What in the World』(2010)、コンテンポラリー・アートの社会学についての『Art Scenes: The Social Scripts of the Art World』(2012)などがある。2013年には、スペイン語の古本だけを集めた移動書店《Librería Doncele》をニューヨークで開始した。これは米国においてラテンアメリカ文化がどう認識されているかに関心を集めることを目的とした非営利のプロジェクトで、フェニックス、サンフランシスコでも実施(2015年中にブルックリンに戻る予定)。また2014年には、ニューメキシコ州のサイト・サンタフェで、ニューメキシコがメキシコ領だった時代の歴史を、伝承音楽と歴史的ドキュメントでたどるパフォーマンスと展示シリーズ《Nuevo Romancero Nuevomejicano》を行った。2007年よりMoMAの教育課において、アダルト&アカデミック・プログラムのディレクターを務めている。

【訳者】
特定非営利活動法人 アート&ソサイエティ研究センター

都市や地域における芸術文化活動ならびにパブリックアートの情報発信および調査研究・実施活動に関する事業を行い、都市や地域の文化的発展と市民の文化環境の向上に寄与することを目的として活動する非営利芸術団体。

秋葉美知子|Michiko Akiba
一橋大学経済学部卒。近畿大学大学院産業技術研究科博士後期課程満期退学。訳書に『グラスルーツ・シアター〜アメリカの地域芸術を探して』。九州大学芸術工学部非常勤講師。

工藤安代|Yasuyo Kudo
埼玉大学大学院文化科学研究科博士後期課程修了。著作に『パブリックアート政策』等。NPO法人アート&ソサイエティ研究センター代表理事。日本女子大学および実践女子大学非常勤講師。

清水裕子|Hiroko Shimizu
南カリフォルニア大学芸術建築学部パブリックアート研究修士課程修了。『ECO-ART』『Earth Art Catalogue』等に執筆。NPO法人アート&ソサイエティ研究センター副代表理事。大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員。

ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門
アートが社会と深く関わるための10のポイント

パブロ・エルゲラ=著|アート&ソサイエティ研究センター SEA研究会=訳

  • 四六判|196頁|定価 2,000円+税|ISBN 978-48459-1450-0

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