本書は、これまで受け身でしかなかったオーディエンス(鑑賞者)が、より実践的に生活の中でアート活かすための方法、来るべき〈表現するオーディエンス〉のための情報を提供する新感覚アートテキストです。最小の知識と、最大の感性を使ってアートを読み説く新時代の鑑賞法を紹介します。
一枚の絵をあなたの言葉で語れますか?
いまやアートといえば、対象は美術だけにおさまりません。写真、映画、音楽、文学、建築と多ジャンル化が進んでいます。本書はさまざまな芸術をどう読めばいいのか、その現代の課題に応えるために、ベーシックな<鍵>を提出しようとするものです。
目次
◆Editorial:アートを読むことは作ること
◆アート・リテラシーとは何か?
・アート・リテラシーの世界へようこそ
・センシュアス(感覚的)であるために
1.気配、予感(美術の立場から)2.光と影(映画の立場から)3.響き(音楽の立場から)
4.感情(アートセラピーの立場から)
・既存の見方を変えるために
5.切り取る(写真の立場から)6.落ちる、倒れる(ダンスの立場から)
7.複数のまなざし(美術の立場から)8.流線、曲線(建築の立場から)
9.饒舌と寡黙(文学の立場から)
◆アート・リテラシーとその周辺
ぺドロ・コスタ映画講義/座談会:
「お仕着せのカノン(規制)を捨て、自分の感覚でアートを理解できますか」/
アーティストは〈世界〉と格闘する/これが、フランスのアート・リテラシー/
鑑賞者なくしてアートは存在しない!/
空に花を捧げる(アラーキーのフォト・ペインティング)/
ライフ・リテラシー(拡張するアート)
◆これだけは知りたいアートへのQ&A
アートはなぜ必要か?/インスタレーションと映像/アートと普通の生活/
パソコン上の発想とは?/現代アートとは?/制作中にいきづまった時/
日本の表現とは?/芸術と暴力の関係は?
◆いかにしてアートを書くか
◆これだけは読みたい、アート・リテラシー基本文献