英国を代表する美術家グレイソン・ペリーが、アートに関する素朴な疑問に皮肉と愛を込めて答える──
誰もがアートを理解し、楽しむために。
不思議なアートの国をめぐるインサイダーガイド!
SNS上で写真付きで話題になる現代アートの展覧会や各地で観光客を集める地域アートなど、いまやすっかり身近な存在となっている“アート”ですが、実は「今さら聞けないかも…」という疑問をもっている人も多いはず。
作品ってどう鑑賞すればいいの?
アートとそうでないものとの違いは?
「良い」アートって何?
アートの価値はどう決まる?
アーティストとして生きるには?……
大衆の人気、権威たちの評価、マーケット論理などが渦巻く現代のアートワールドを、ターナー賞作家グレイソン・ペリーがユーモアたっぷりに御案内。
アーティストとしての個人的経験を交え、またキュレーターやコレクター、画商などが動かす業界の仕組みも踏まえながら、現代アートの分かりづらさを読み解いていきます。
アートの世界においてもポピュリズムの勢いが増す時代に、批評的視点からやさしく理解を深めることができる世界的ベストセラー、待望の邦訳!
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▼欧米の各メディアが絶賛!!
「本書には、軽妙なジョークや風刺画がたくさんあり、心に残るエピグラムもたくさんあり、そして何よりも、誰かに話したくなるような示唆に富むアイデアがすべてのページに詰まっている。これほどまでに刺激的な芸術に関するガイドブックは読んだことがない。すべての学校で教科書にすべきだ」(サンデー・タイムズ紙)
「視覚的にも知的にも楽しめる本」(タイムアウト誌)
「パンチが効いていて、茶目っ気がある非常に面白い内容。2ページごとに格言や引用文として用いることができるだろう。素晴らしくも罪深い書物であり、アートへのラブレターでもあり、快楽の書物でもある。21世紀の多様性に対してのお茶目な賛美歌だ」(タイムズ紙)
「ペリーは単なるアーティストではなく、言葉の魔術師でもあることがわかる。鋭く、そして同時に面白い。これこそが、人々がペリーを愛する理由だと思うのです」(デイリー・テレグラフ紙)
「多様性のための論争である。ペリーが本書で述べていることの素晴らしい点は、彼がそれを信じて生きていることを常に確信させてくれることだ」(オブザーバー紙)
誰もがアートを楽しみ、そしてアーティストになれると私は強く信じている──どんな間抜けも貧民も、誰かと共有したいヴィジョンさえあれば。社会の認定も、所属すべき階層も必要ない。実践と、励まし、そして自信があれば、あなたもアートに生きることができるのだ。そのために、本書で私はその基本を提示できたらと思う。[…]アートの世界は過ごしやすい場所だ。さあ、どうぞこちらへ!
(本文より)
メディア掲載
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「GQ JAPAN」でご紹介いただきました。
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「BRUTUS」でご紹介いただきました。
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「月刊美術」(2021年10月号)でご紹介いただきました。
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「日本経済新聞」でご紹介いただきました。
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「artscape」でご紹介いただきました。
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「芸術新潮」(2021年11月号)でご紹介いただきました。
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「美術手帖」(2021年12月号)でご紹介いただきました。
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「図書新聞」(2021年12月11日付)で書評を掲載いただきました。 〈アンビバレントな現代アート入門書〉(評 菅原伸也さん)
目次
序 おいくら?!
1.民主主義は趣味が悪い
クオリティとは何か、私たちはそれをどう判断するのか、誰の意見を取り入れるのか、そもそもそれはもう意味をなさないのか?
2.境界を叩いて
何がアートだとみなされるのか? すべてがアートになり得る時代に私たちは生きているが、すべてがふさわしいわけではない。
3.素敵な反抗、どうぞ入って!
アートはまだ私たちを驚かせることができるのか、私たちはもうすべて見てしまったのか?
4.気づいたら私はアート界にいた
どうすれば現代アートの作家になれるのか?
おわりに
プロフィール
[著]
グレイソン・ペリー(Grayson Perry)
1960年イギリス生まれ、ロンドン在住のアーティスト。グレイソン・ペリーが初めて受け取った賞は、1980年に大学で行ったパフォーマンスアート作品の一部として自分自身に授与したハリボテの大きな頭。それ以降、2003年のターナー賞を含む、数多くの賞を受賞。イギリスで最も名の知れたアーティストのひとりであり、世界各地で個展を開催している。本書の元となったBBCラジオ「リース・レクチャー」での講義は同番組始まって以来一番の人気となった。6つのタペストリー作品の制作過程を記録したChannel 4のドキュメンタリー「The Vanity of Small Differences, Best Possible Taste(小さな差異の虚無、最高に近いセンス)」で英国アカデミー賞を受賞。同作でグリアソン・ドキュメンタリー賞のベストプレゼンターにも選出されている。邦訳書に『男らしさの終焉』(フィルムアート社、2019年)。
[訳]
ミヤギフトシ
現代美術作家。1981年沖縄県生まれ、東京都在住。2006年ニューヨーク市立大学・シティカレッジ美術学部卒業。アーティストランスペースXYZ collectiveの共同ディレクター。国籍や人種、アイデンティティといった主題について、映像、オブジェ、写真、テキストなど多様な形態で作品を発表。2019年に小説『ディスタント』(河出書房新社)を刊行。