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音楽と美術のあいだ

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音楽家・大友良英の〈演奏〉と〈展示〉のすべて。



音楽って? 美術って? そのあいだって?
それが音楽であるとか美術であるとか、そんなもんは本当はどうでもいいと思っているんです。でも、「そもそもそれって何なの?」ってところから考えてみると、今までゴミクズだと思っていたものが輝きだすことだってあって、あ、輝かなくてもゴミクズのままでも充分素敵だと思えることもあって、そんなことをやっているちょっと風変わりだけど素敵な人たちと話していく中で思ったのは、名付けようもないことをやるってことは、自分の手で未来を見つけることなんじゃないかってことなんです。この本にはそんなことが書いてあります。(大友良英)

☆本書は、札幌国際芸術祭2017(2017.8.6-10.1)(ゲストディレクター:大友良英)の推奨副読本になります。
http://siaf.jp/

「あいだ」というのは「関係」のことなんです。

自分のやってることは、録音できたり、録画できるものではなくなってきてるって自覚もはっきりあったけど、それって、(……)録音してもそこからこぼれるような、録画してもその画面には映らないようなもの、記録を超えた何かと何かの関係、そしてそれが生まれる場や空間、そしてその状況をつくりだすことに大きな魅力を感じるようになったってことだと思います。

それが音楽であるとかないとか、本当はどうでもいい感じがしてるんです。
美術作品でも、そうでなくても、どうでもいい。

「日常を非日常に転換する」とか「非日常のものが日常に作用する」あるいは「異界を見せる」でもいいし、そんな回路をつくっていくのが僕らの仕事のような気がしています。(大友)

CONTENTS

まえがき

第一部 音楽と美術とあいだ

第1章 音と空間
展覧会「音楽と美術のあいだ」/音の状況をつくる/即興演奏について─展示作品《quartets》を題材に/「場をつくる」ことと「コンポジション」はイコールである/身体性と人の痕跡/形式に則らずにゼロから立ち上げていく/単一の軸では考えず、「マルチ」な軸を意識する/音楽を生成する仕方が思想そのものである/素人と音楽/アンサンブルを組むと音楽は生き生きしてくる

第2章 音楽と装置
プレーヤー、レコーダー、自作楽器/「即興音楽の極北」?デレク・ベイリーという体験/身体性とエレクトリック・ギター/高柳昌行とギター/何でも音楽であり、何でも音楽にはならない/身体の痕跡という幽霊を聴く/「透明なテクノロジー」を露わにする/「何のため」でも「役に立つ」でもないものの面白さ

第3章 展示と演奏
インスタレーションのはじまり/作品を「展示」すること/ターンテーブルの再発見/たくさんの人と一緒にやる「アンサンブル」という手法/振り切ることと、開くこと/展示をつくりあげていくこと/展示=演奏というメタファー/壊れるものだから、つくり続けられる/アンサンブルを共振させる

第4章 アンサンブルの彼方に
「祭り」の場をつくる/「隣のおばちゃん」にひらくことを考える/言葉にできないものをどう体感できるか、させるか/「強い言葉」に頼らない抑止力のあり方を考える/無力な音を響かせていく

第二部 音楽と美術とあいだの対話

対話1 毛利悠子×大友良英
街の「グルーヴ」を体験し、
それをどうやって美術作品にすればいいのかを考えている。(毛利)

対話2 刀根康尚×大友良英
音の知覚の場合、僕はなるべく、原理的に、未来把持と過去把持が成り立たないような
音が出るのが理想的なんです。つまり、知覚を否定すること。(刀根)

対話3 梅田哲也×大友良英
その空間に入った瞬間に音楽的に「鳴ってる」というか。
ものの「配置」も全部必然のような感じがするんです。(梅田)

対話4 堀尾寛太×大友良英
見た目とか出る音とか、その質にこだわるよりは、
合理性に回収できる動作の仕組みを考えるのが面白い。(堀尾)

対話5 Sachiko M×大友良英
考え合ったり見つめ合ったり話し合ったりする現場をつくってみる。
それは即興的作曲に近いかもしれない。(Sachiko M)

対話6 鈴木昭男×大友良英
「さらさらちょろちょろ」と流れる小川の中の石をひとつよけるだけで流れが変わって反響音も変わる。棒切れを差し込んでやると、流体波で音響がちょっと高まる。これも一種の演奏方法かな。(鈴木)

特別掲載 「美術(展示)と音楽(公演)のあいだ」 後々田寿徳

あとがき

PROFILE

大友良英(おおとも・よしひで)
音楽家。1959年、神奈川県横浜市生まれ。実験的な音楽からジャズやポップスの領域までその作風は多種多様、その活動は海外でも大きな注目を集める。また映画やテレビの劇伴作家としても数多くのキャリアを有する。近年は「アンサンブルズ」の名のもと、さまざまな人たちとのコラボレーションを軸に展示作品や特殊形態のコンサートを手がけると同時に、一般参加型のプロジェクトにも力を入れている。東日本大震災後は十代を過ごした福島でプロジェクトを立ち上げ、現在もさまざまな活動を継続中。2012年には、「プロジェクトFUKUSHIMA !」の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。2013年、「あまちゃん」の音楽でレコード大賞作曲賞ほか数多くの賞を受賞している。2014年、独立行政法人国際交流基金アジアセンターとともに「アンサンブルズ・アジア」を立ち上げ、音楽を通じたアジアのネットワーク作りに奔走している。2015年、札幌国際芸術祭2017のゲストディレクターに指名される。
著書に『MUSICS』(岩波書店)、『大友良英のJAMJAM日記』(河出書房新社)、『シャッター商店街と線量計』(青土社)、『学校で教えてくれない音楽』(岩波新書)ほか多数。

音楽と美術のあいだ

大友良英=著 刀根康尚、鈴木昭男、毛利悠子、梅田哲也、堀尾寛太、Sachiko M=対談

  • A5版・並製|440頁|ISBN 978-4-8459-1568-2|定価:3,000円+税

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