半建築

長坂常=著
発売日
2022年10月12日
本体価格
2,400円+税
判型
四六判・並製
頁数
256頁
ISBN
978-4-8459-2139-3
Cコード
C0052
刷数
2刷

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建築と家具の間、未完であること、用途に対する不確定性、見えない開発……「半」であることが建築にもたらす魅力と可能性とは──

「抜き差しなる」デザインを目指して奮闘する
スキーマ建築計画、待望のものづくり論!

作品(夢)と生活(現実)の間に確かに掴み取ることのできる新時代の建築を考える。

初期の代表作「Sayama Flat」において、引き算や誤用という考え方のリノベーションで建築界にセンセーションを巻き起こしたスキーマ建築計画。日常の中での気づき、既存のものから得られる新たな発見をきっかけに、家具から建築、都市のスケールまで1/1を基本にデザインする独自の取り組みを「半建築」というキーワードのもと書き下ろした待望の一冊。

現実が入り込む余地のないキメ顔の建築ではなく、抜き差しなる関係を受け入れるような大らかな建築。それでいて個々の素材や細部に対する解像度の高い扱いから、すべての要素が生き生きと共存するような空間。リノベーションにも新築にも、住宅にも店舗にも、そういった美学を貫き活動を続けてきた長坂常が、建築におけるさまざまな「半」的状態を考えることを通して新たな建築の可能性を提示する。

スキーマ建築計画の代表作:Sayama Flat / HANARE / Flat Table / Blue Bottle Coffee / 桑原商店 / DESCENTE BLANC / HAY / 東京都現代美術館 サイン什器・家具 / 武蔵野美術大学16号館 / D&DEPARTMENT JEJU by ARARIOなど

HAPPAで気づかされたもうひとつの大事な点は、自分のオフィスで自ら設計し、施工までしてつくったものが公にさらされている、ということ。つまり夢(作品)と現実(生活)が一致する初めての体験で、路面空間でこれをやりたかったのではないかと、その時初めて理解したのだ。その裏と表、夢と現実が一致した時から少し我々の作品の質が変わったような気がする。それが脱デスクトップアーキテクチャーだ。(本文より)


目次

はじめに

半建築01 コンクリートジャングル
半建築02 スタジオスキーマ
半建築03 脱デスクトップアーキテクチャー
半建築04 未完

Flat Tableの偶然すぎる誕生

半建築05 抜き差しなる関係
半建築06 建築と家具の間:インターフェース
半建築07 建築と家具の間:家具から建築まで

開かれたVitra Stand
動きをデザインする
ストックをデザインする
Blue Bottle Coffee

半建築08 見えない開発
半建築09 移築

工具から生まれるデザイン
究極のまかない家具
思い込みの更新
髙本貴志
堂前さん家の歯医者さん

半建築10 尾道

Still in LLOVE

半建築11 周回遅れのトップ
半建築12 島をデザインする

おわりに
写真クレジット

プロフィール

[著]
長坂常(ながさか・じょう)
スキーマ建築計画代表。1998年東京藝術大学卒業後にスタジオを立ち上げ、現在は北参道にオフィスを構える。家具から建築、そして町づくりまでスケールも様々、そしてジャンルも幅広く、住宅からカフェ、ショップ、ホテル、銭湯などなどを手掛ける。どのサイズにおいても1/1を意識し、素材から探求し設計を行い、国内外で活動の場を広げる。日常にあるもの、既存の環境のなかから新しい視点や価値観を見出し「引き算」「誤用」「知の更新」「見えない開発」「半建築」など独特な考え方を提示し、独自の建築家像を打ち立てる。
代表作:Sayama Flat / HANARE / Flat Table / Blue Bottle Coffee / 桑原商店 / DESCENTE BLANC / HAY / 東京都現代美術館 サイン什器・家具 / 武蔵野美術大学16号館 / D&DEPARTMENT JEJU by ARARIOなど

お詫びと訂正

『半建築』の初版におきまして、以下のような誤りがございました。
謹んでお詫びさせていただくとともに、下記の通り訂正をさせていただきます。

p. 44 11行目
誤) 横川いくこ

正) 横山いくこ

p. 77 13行目
誤) 失敗したことがる。

正) 失敗したことがある。

p. 150 1行目
誤) アメリア

正) アメリカ

p.252 上段最終行、p.253 中段後ろから3行目
誤) Jan Vranovský

正) Alberto Strada(提供:国際交流基金)

読者の皆さま、関係者の皆さまにご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。

株式会社 フィルムアート社