「武器」としての演技の技術と、
俳優という仕事の哲学。
名劇作家デヴィッド・マメットが1983〜84年におこなった伝説のワークショップの簡易版が、待望の日本語訳。
「俳優の仕事とは?」「俳優の技術とは?」
俳優にとって、必要なこと不必要なことを説いた本書は、日常的に現場で実践できる「技術」と「心構え」を、シンプルに学ぶことができます。
全米の演技クラスや稽古現場で読み継がれてきた、すべての野心的な俳優たちへ贈る、何度でも読むべき名著!
■ デヴィッド・マメットの序文に加え、用語集、推薦図書などの付録を収録
すばらしい俳優は、強烈な説得力を持っています。これは、すべてのことに影響を与える人間としての存在感を、自分自身の中から、舞台に持ちこむ勇気を持っているからです。
誰かが演じるのと同じように、自分の役を演じてはなりません。舞台にいるのはあなたです。「キャラクター」とよばれた、架空の誰かではありません。それを覚えておきましょう。
──(本文より)
目次
デヴィッド・マメットによる序文
著者のことば
俳優のための用語集
俳優の仕事とは
俳優の技術とは
パート1: 俳優のためのテクニック
1 身体をともなうアクション
2 シーンを分析する
3 真実の瞬間を演じる
4 役柄の外見的なこと
5 シーンを演じるための準備
6 シーンを演じるときのトラブル集 質疑応答
7 技術のためのツール
パート2: 俳優がおちいりやすい問題の解決法
8 はじめに:俳優が現場ではまる落とし穴
9 感情という罠
10 キャラクターという神秘
11 人間関係での悩み
12 最後に:俳優が持つ力
付録
付録A:台本の変更について
付録B:シーンの分析に困ったときは
付録C:さらに学びたいときは
付録D:推薦図書
訳者/役者のことば
プロフィール
[著]
メリッサ・ブルーダー(Melissa Bruder)
1982~84年まで、ステラ・アドラー演劇学校(Stella Adler Conservatory of Acting、現在のステラ・アドラー・スタジオ・オブ・アクティング)で演技を学ぶ。その後、バーモント州のモントピーリアでのデヴィッド・マメットとウィリアム・H・メイシーによる夏期ワークショップで訓練を受ける。オフ・ブロードウェイで、『人間ぎらい』のセリメーヌ役、『天使よ故郷を見よ』のローラ役などを演じる。また、アクション・シアター・グループによるプロデュースのジェイソン・ミリガンの二作品『キャント・バイ・ミー・ラブ』のエイミー役、『ロード・トリップ』リサ役のオリジナルキャストでもある。現在は、アトランティック・シアター・カンパニーのメンバーであり、シカゴ、ニューヨーク、バーモントを拠点に活動している。
リー・マイケル・コーン(Lee Michael Cohn)
1980~81年まで、ロンドンのドラマ・スタジオで演技を学ぶ。ニューヨーク大学ドラマ学科でのデヴィッド・マメットとウィリアム・H・メイシーによる夏期ワークショップで学び、同学科のBFA(Bachelor of Fine Arts)を取得。オフ・ブロードウェイやロンドンのフリンジ・プロダクションにおいて、『ロミオとジュリエット』、『アンティゴネ』、『夜への長い旅路』や、デヴィッド・マメット『Yes, But So What?』の〝B〟役などを演じる。ニューヨークを拠点としたアクション・シアター・グループの共同芸術監督であり、数多くのアメリカ演劇のプロデュース及び出演をしている。1983年からアトランティック・シアター・カンパニーのメンバー。ニューヨーク市、シカゴ、バーモントを拠点に活動している。
マデリーン・オルネック(Madeleine Olnek)
コネチカット州出身。『オズの魔法使い』のトト役で九歳で初舞台を経験。しかし本当の意味での俳優のキャリアは、デヴィッド・マメットとウィリアム・H・メイシーの元で演技を学び始めたときである。現在はバーモントとシカゴを拠点に、アトランティック・シアター・カンパニーで活動している。
ナサニエル・ポラック(Nathaniel “NED” Pollack)
ニューヨーク大学ドラマ学科、そしてさまざまな教師とスタジオで演技を学ぶ。その後「プラクティカル・エスセティック・ワークショップ」を受講する幸運に恵まれる。ニュー・シアター・カンパニー、シカゴのグッドマン・シアター、バーモントのアトランティック・シアター・カンパニー、ニューヨーク市のプレイライツ・ホライズンで活動。
ロバート・プレヴィット(Robert Previto)
ニューヨーク州立大学バッファロー校と、ニューヨーク大学ドラマ学科で演技を学び、『ハーツ・イン・ハイランド』と『ナイトミュージック』の二つの主要な作品を演じた。主に脚本家として活動し、ニューヨーク大学でプロデュースした五つの執筆作品『レストラン』『プリシラ』『Omicron, O, Omicron』『ヤコダとダイヤモンド』『張り込み(Stake Out)』がある。現在はニューヨーク大学大学院戯曲脚本カリキュラムで学びながら、ニューヨーク大学ドラマ学科の教育助手委員を努める。
スコット・ジグラー(Scott Zigler)
アトランティック・シアター・カンパニーの芸術監督。シカゴとバーモント州モントピーリアを拠点に活動。一九八三年からアトランティック・シアター・カンパニーに所属し、デヴィッド・マメットやジョン・グェア、シェル・シルヴァスタイン、ウォーレス・ショーンの作品や、カンパニーのメンバーによるオリジナル作品に携わる。また、サム・シェパード、ランフォード・ウィルソン、ウジェーヌ・イヨネスコ、アウグスト・ストリンドベリィらの戯曲を監督した。
[訳]
絹川友梨
俳優、インプロバイザー。インプロワークス(株)代表取締役。ストックホルム国際映画祭主演女優賞、ニュージーランド・ベスト外国人パフォーマー賞受賞。「即興的」をキーワードに国内外で演劇活動をおこなっている。著書に『インプロゲーム』『ワークショップリーダーへの道』(共に晩成書房)、『気持ちが伝わる声の出し方』(角川書店)。共訳書に、マイケル・ショトレフ著『ザ・オーディション』(フィルムアート社)。
http://www.impro-works.com