はじめに 突然ですが、みなさんは現代アートについてどのようなイメージをお持ちですか? 何が描いてあるかわからない抽象画や難解なコンセプトの作品、そして専門用語が飛び交う解説文などから、敷居の高いイメージを持っている方も多
序章ファッションを通して考える 思考すること、それは旅することである──ドゥルーズ&ガタリ[1] 1 ファッションを理論化する 現代ムスリムのアイデンティティを定義する上でのヴェールの役割、ファッション雑誌に登場する女
日本語版への前書き 本書の大部分は、2010年に書き下ろしたものである。2000年から2010年の間は、世界に大きな意味をもたらす政治的出来事が起こった時期であり、その影響はアートワールドにも及んだ。2000年には、米国
序章「映画における意味」 映画とは技巧(テクニック)と意味との結婚である。セットを作り、俳優に演技を指示し、カメラの位置を決め、撮影した大量のショットを編集する時、映画製作者は単に物語を語っているのではなく、「意味」を作
6 役柄とキャラクター 役柄はキャラクターではない。役柄はストーリーの社会秩序における一般的な立場(母親、上司、芸術家、一匹狼)を担い、それに応じた役目(子供に食べさせる、従業員を管理する、キャンバスに絵を描く、他人を避
日本語版への序文 Netflixのヒット映画『Don’t Look Up』(2021)で、視聴者と文化批評家はハイテク複合企業の描写を楽しんだ。この映画では、地球へと突進する小惑星が、金銭的価値の高い金属を含む巨大な岩塊
新版によせて ジョン・ベイリー 本書所収のインタビューの終わり近くでハンガリー出身の撮影監督ヴィルモス・スィグモンドは、1970年代のハリウッド映画界に潜りこむ大変さについて質問され、こう答えている。「いつも学生たちには
0–01 「絵がうまい」ってどういうことだろう? »絵がうまくならない理由 絵をうまく描きたい!と人は思うものです。でも、なかなか絵はうまくなりません。なぜでしょう? それには理由があります。図1を見てください。これは自
2022年12月24日発売された『色のコードを読む なぜ「怒り」は赤で「憂鬱」はブルーなのか』では、わたしたちの身近に存在する「色」について、感情、芸術、歴史、宗教、科学、医学、政治、ポップカルチャー等々、多様な側面から
はじめに 本書は「崇高」という美学の一大テーマをめぐる対談集である。 崇高[英:sublime|独:erhaben|仏:sublime]――おそらく、ほとんどの読者にとっては耳馴染みがないと思われるこの言葉は、とりわけ「
プロローグ さようなら、映画よ 映画の果てへ 映画よさようなら。本書の題名にこんないかにも意味ありげなフレーズを選んだ理由はひとつではない。 タイトルを思いついたきっかけは、ふたつある。 ひとつ目は、1972年に刊行され
訳者あとがき 1 本書はLawrence Venuti, The Scandals of Translation: Towards an Ethics of Differenceの全訳である。 著者のローレンス・ヴェヌテ