イントロダクション 女らしさはどこへ行った? 近頃、男も女もそう感じている。ペルセポネのように地獄に消えたのか。穴倉や開いた傷口があれば自らの血で癒さねばならぬ。錬金術の言う通りだ。「液体薬の原料となるは自らの血液のみ」
イントロダクション 僕は作家や講師、ブロガーとして活動を始めてずいぶん経つが、「ストーリーの作り方なら全部知っている」と言う人に会ったことはない。僕も作り方は知らない。 謙遜しているわけではない。僕はもともとそんなタイプ
訳者あとがき 第二次世界大戦中のアメリカで、西海岸在住の日系人が強制収容所に抑留されていたことをご存じだろうか。日系アメリカ人作家ジュリー・オオツカの処女作である本書『あのころ、天皇は神だった』(When the Emp
フランシス・フォード・コッポラの現在・過去・未来 フランシス・フォード・コッポラは今どこで、何をしているんだろう。映画に少しでも関心があれば、そう思ったことのない人はいないのではないだろうか。映画ジャーナリズムでその名を
美術の世界でこれまで顧みられることのなかった画商という存在。美術品を売ることに対して自身の想像力と創意工夫と、そして説得力の限りを捧げた一群の魅力的な男たち(そして女たち)が登場します。 美術史に新たな角度から光を投げか
心の傷とは何か 大人になるまでの成長過程で経験した思いも寄らぬことや驚いたことを思い出し、心がざわつくことはないだろうか。たとえば、小学生の頃、あなたは科学の自由研究で3等賞を取ったことがあるとしよう。3等賞の黄色いリボ
作家はユニークな力を発揮します。読者をある世界へと誘(いざな)い、自分とは異なる体験をさせる能力です。他者の人生を体験させる機会を与えることは素敵な贈り物になりますが、自らの人生における洞察を加えてそれを提供することとい
「社会を動かすアート」は可能か? 社会そして特定の人々に深く関わりながら、何らかの変革を生み出すことを志向するさまざまな芸術行為であるソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)。 『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの
はじめに 「ゼロから読む」という名前のとおり、この本はジル・ドゥルーズの『シネマ』という書物の入門的な解説書だ。したがって本書を読むにあたって、ドゥルーズについても、哲学についても、映画理論についても知っている必要はない
◇映画それ自体のリアルをつくる演出 学生:『そして父になる』以降、素朴に作風が少し変わったように思えたのですが、映画をつくることの楽しさや喜びというのはどこにあるのでしょうか。 是枝:やっぱりそれは集団作業の現場で何かを
序文 首の靱帯、輪切りにされた気管、眼球……。わたしの目の前にある白い棚には、人体の大小さまざまな部位が、容器のなかで液体に浸かって、ところ狭しと並んでいる。水ぶくれした手、色の抜けた背骨や膝関節、切断された頭蓋骨の一部