解説 堺三保 「本書で論じるのは原則であって、ルールではない」 本書『ストーリー』のイントロダクションはこの一文から始まる。 このイントロダクションにこそ、本書の真髄が含まれている。本書は、「ストーリー」、すなわち「物語
Introduction はじめに むかしむかし、賢い人々は、世界は平らだと信じきっていた。しかしその後、世界は平らではないことがわかった。それでも彼らは、太陽は地球のまわりを回っているのだと信じていた……その理論も間違
Chapter.1 アウトラインは必要か? 作家は二つのカテゴリーに大別できます。アウトライン派と非アウトライン派、あるいは執筆前 にプロットを作る「プロッター」と、作らない「PANTSER(パンツァー)」。パンツァーと
イントロダクション 本書で論じるのは原則であって、ルールではない。 ルールは「このようにしなくてはならない」と命じるが、原則は「こうすればうまくいく……そして、記憶に残るかぎりずっとそうだった」と示唆する。このちがいは重
イントロダクション 女らしさはどこへ行った? 近頃、男も女もそう感じている。ペルセポネのように地獄に消えたのか。穴倉や開いた傷口があれば自らの血で癒さねばならぬ。錬金術の言う通りだ。「液体薬の原料となるは自らの血液のみ」
イントロダクション 僕は作家や講師、ブロガーとして活動を始めてずいぶん経つが、「ストーリーの作り方なら全部知っている」と言う人に会ったことはない。僕も作り方は知らない。 謙遜しているわけではない。僕はもともとそんなタイプ
訳者あとがき 第二次世界大戦中のアメリカで、西海岸在住の日系人が強制収容所に抑留されていたことをご存じだろうか。日系アメリカ人作家ジュリー・オオツカの処女作である本書『あのころ、天皇は神だった』(When the Emp
フランシス・フォード・コッポラの現在・過去・未来 フランシス・フォード・コッポラは今どこで、何をしているんだろう。映画に少しでも関心があれば、そう思ったことのない人はいないのではないだろうか。映画ジャーナリズムでその名を
美術の世界でこれまで顧みられることのなかった画商という存在。美術品を売ることに対して自身の想像力と創意工夫と、そして説得力の限りを捧げた一群の魅力的な男たち(そして女たち)が登場します。 美術史に新たな角度から光を投げか
心の傷とは何か 大人になるまでの成長過程で経験した思いも寄らぬことや驚いたことを思い出し、心がざわつくことはないだろうか。たとえば、小学生の頃、あなたは科学の自由研究で3等賞を取ったことがあるとしよう。3等賞の黄色いリボ
作家はユニークな力を発揮します。読者をある世界へと誘(いざな)い、自分とは異なる体験をさせる能力です。他者の人生を体験させる機会を与えることは素敵な贈り物になりますが、自らの人生における洞察を加えてそれを提供することとい