第1章 映画脚本とはなにか 「あなたが事務所にいるとしましょう。そこへ、見覚えのある美人の速記者が入って来る ……黒い手袋を脱ぎ、取り出した財布の中身をテーブルにぶちまける……10セント硬貨二枚 と5セント硬貨一枚、マッ
ヴィム・ヴェンダースの『アメリカの友人』 または稚拙なる模倣の倫理 ドイツ映画は面白い。とりわけ1968年以来ここ10年ほどのドイツ映画は面白い。いうまでもなく、面白いといった言葉は讃辞としてはあまり上質でない。それを承
イントロダクション なぜ、構成は大切なのか? ストーリーの創作で大切なことなのに、書き手が見過ごし、誤解しているものは何でしょう? 本書を手にして頂いた今、答えは「構成(ストラクチャー)[表現上の諸要素を独自の手法で組み
解説 堺三保 「本書で論じるのは原則であって、ルールではない」 本書『ストーリー』のイントロダクションはこの一文から始まる。 このイントロダクションにこそ、本書の真髄が含まれている。本書は、「ストーリー」、すなわち「物語
Introduction はじめに むかしむかし、賢い人々は、世界は平らだと信じきっていた。しかしその後、世界は平らではないことがわかった。それでも彼らは、太陽は地球のまわりを回っているのだと信じていた……その理論も間違
Chapter.1 アウトラインは必要か? 作家は二つのカテゴリーに大別できます。アウトライン派と非アウトライン派、あるいは執筆前 にプロットを作る「プロッター」と、作らない「PANTSER(パンツァー)」。パンツァーと
イントロダクション 本書で論じるのは原則であって、ルールではない。 ルールは「このようにしなくてはならない」と命じるが、原則は「こうすればうまくいく……そして、記憶に残るかぎりずっとそうだった」と示唆する。このちがいは重
イントロダクション 女らしさはどこへ行った? 近頃、男も女もそう感じている。ペルセポネのように地獄に消えたのか。穴倉や開いた傷口があれば自らの血で癒さねばならぬ。錬金術の言う通りだ。「液体薬の原料となるは自らの血液のみ」
イントロダクション 僕は作家や講師、ブロガーとして活動を始めてずいぶん経つが、「ストーリーの作り方なら全部知っている」と言う人に会ったことはない。僕も作り方は知らない。 謙遜しているわけではない。僕はもともとそんなタイプ
訳者あとがき 第二次世界大戦中のアメリカで、西海岸在住の日系人が強制収容所に抑留されていたことをご存じだろうか。日系アメリカ人作家ジュリー・オオツカの処女作である本書『あのころ、天皇は神だった』(When the Emp
フランシス・フォード・コッポラの現在・過去・未来 フランシス・フォード・コッポラは今どこで、何をしているんだろう。映画に少しでも関心があれば、そう思ったことのない人はいないのではないだろうか。映画ジャーナリズムでその名を
美術の世界でこれまで顧みられることのなかった画商という存在。美術品を売ることに対して自身の想像力と創意工夫と、そして説得力の限りを捧げた一群の魅力的な男たち(そして女たち)が登場します。 美術史に新たな角度から光を投げか