はじめに 「新しい身体論」を書いてみませんか、という企画のご提案をいただいたのは、2019年の暮れのことでした。 私は1989年に生まれて、デジタルネイティブと自称してもギリギリ許されるくらいの時代に育ちました。イ
「序章 アニメーションの制度化と戦争──空間の再編成の表現様式」より「4 本書の構成」 序章の最後に、本書の構成および本研究の方法と、そこで用いた資料について示したい。 まず、第1章では、日本におけるアニメーションの
本書について アクションというジャンルで展開されるのは、生と死という、人間の終わりなき奮闘に関する最上の隠喩である。そこでは、自己犠牲の精神を持つヒーローを自己中心的な悪役と対峙させ、悪の企てをくじいて不運な被害者を救い
ストーリーにはなぜ感情が必要か もし現実の世界で、あなたの経験が本質的要素を欠いていて、記憶に残らないとしたらどうだろうか。たとえば、澄みきった氷河湖を見下ろす展望台までハイキングし、鏡のような湖面を眼前にしても何も感
1 物語とは何か? 「むかしむかし、あるところに……」 出だしのこのフレーズを読めば、これから自分が物語の舞台と出会い、そこでさまざまな出来事が起きるのだということがたちどころにわかる。だいたいの人間がそう思うはずだ。
はじめに わたしはいま困っています。なのに少し嬉しい。歌詞になんらかの気持ちがあるあなたがこの本を手に取ってくれたからです。 はてわたしが何を教えられるのか、あらためて問いを立ててしまうと、やや体に良くないような気す
イントロダクション 「お前は生きるに値しないのさ」――ウィリアム・マニー(『許されざる者』より) トム・ハンクスはクリント・イーストウッドの物まねが上手い。ふたりが組んだ『ハドソン川の奇跡』は、パッと見には飛行機事故を
はじめに 情熱を持てる題材について書きましょう、といつも私は言っています。小説家を目指すみなさんへのこの言葉は、私自身が指南書を書く時にも当てはまります。そのうちの1冊である『ストラクチャーから書く小説再入門――個性は
監訳者まえがき 『女の子のための西洋哲学入門』へようこそ! この本は、西洋哲学に含まれるいろいろな分野について、各分野を専門とする女性哲学者たちがときに熱く、ときにユーモラスに、そして何よりも哲学的に語る内容になってい
はじめに――障害と映画をつなぐ 「障害」というテーマを含む映画作品は数多く存在しますが、そのなかでも『コーダ あいのうた』(2021、シアン・ヘダー)は、近年もっとも注目を集めた作品の1つといえるでしょう。『コーダ あい
はじめに 人間生きていれば、悲しみは避けて通れないけど、その対処方法には実にいろいろある。激しく怒る、絶望する、叫ぶ、悲嘆に暮れる、すねる、泣くのもそうだろう。ただ、わたしたちが悩ませられているこのみじめで不完全な状態に
P.C.L.映画の時代 1932〜1937年 昭和8(1933)年8月10日『音楽喜劇 ほろよひ人生』(木村荘十二)が公開された。駅でビールを売るビヤガール・千葉早智子が、音楽家・大川平八郎と恋に落ちる。クライマックスの