ピックアップ

気になる映画本 2025年1月刊行

フィルムアート社の中の人が2025年1月に刊行された映画関連書籍の中から気になる映画本3冊をピックアップして紹介します(毎月上旬更新予定)。
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◎バックナンバー
2024年|12月11月10月9月8月7月|6月|5月4月


私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか
ロジャー・コーマン、ジム・ジェローム=著
早川書房

「B級映画の帝王」コーマンが語る、創造の秘訣創造性を損なわずに、商業的成功を収める方法とは全クリエイター必読!!

『金星人地球を征服』などのSF、ポー原作の怪奇映画、セクシー作品にアクション物ーー製作費数万ドル、撮影期間1週間といった条件で、ヒット作をつくり続けたロジャー・コーマン。彼のもとには、未経験だが才能ある人々が集結した。現場でキャリアを積んだ映画人らの証言を交え、伝説の監督/プロデューサー自身が語る、創造性を損なわずに商業的成功を収める方法とは。フィルモグラフィーを改訂し復刊。
出版社HPより)


映画監督ドン・シーゲル
ノワールを遠く離れて
吉田広明=著
作品社

『第十一号監房の暴動』『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』『殺し屋ネルソン』『白い肌の異常な夜』『ダーティハリー』『突破口!』……40年にわたりハリウッドでアクション映画、犯罪映画を撮り続けた職人監督のキャリアと主題を詳細に辿る、モノグラフの名手による書き下ろし長篇評論!【詳細なフィルモグラフィー付】

誰もがドン・シーゲルを知っている。シーゲルは、一九四〇年代半ばに長編映画の監督となり、八〇年代初頭に至るまでのおよそ四十年間、アクション映画、犯罪映画を撮り続けた商業映画作家である。(…)シーゲルはスタジオ・システムの崩壊によっても、自身のスタイルを大きく変化させることはなかった。(…)類型を反復することで達成できた過激さ。それは映画という表現媒体の根幹にまで達している。まず何より本書は、シーゲルが作り続けた活劇の特徴、主題の絡み合いを腑分けして叙述し、彼の作品がその類型性ゆえに達成しえたものを見定め、彼を一人の映画作家として遇することを目的とする。(「まえがき」より)
(出版社HPより)


映像アーカイブ・スタディーズ
ミツヨ・ワダ・マルシアーノ=著
法政大学出版局

映画が誕生して1世紀以上経つが、現在でもその保存のしくみは国によって大きく異なる。ロシアのように納品義務がある国もあれば、個人の収集が先行した日本、まったく法整備のない国までさまざまだ。本書は国内外の映画だけでなく、テレビ番組やホームビデオ、ネット配信、ブルーフィルムに至るまで、アーカイブの現状と課題を考究した国際的共同研究。未来へ記憶を手渡すにはもう一刻の猶予もない。
出版社HPより)


その他の気になる映画本

現代思想を使って映画批評! ハリウッドとケンブリッジで学んだ、映画のすばらしさを』 鈴木健=著(小鳥遊書房)
映像文化論の教科書 運動としての映画、映像としてのスポーツ』鬼丸正明・ 坂上康博=著(青弓社)

ゴジラvs.自衛隊アニメの「戦争論」』小泉悠・高橋杉雄・太田啓之=著(文藝春秋)
木下惠介監督映画「なつかしき笛や太鼓」の舞台裏 小島の満天に星は輝く』玉井正明・玉井康之=著(北樹出版)
スタジオジブリの美術』武重洋二・スタジオジブリ=著(パイインターナショナル)
『エリック・ロメールアントワーヌ・ド・ベック=著(水声社)
リドリー・スコットの全仕事』イアン・ネイサン=著(東京ニュース通信社)
井上ひさし外伝 映画の夢を追って』植田紗加栄=著(河出書房新社)