フィルムアート社の中の人が2024年7月に刊行された映画関連書籍の中から気になる映画本3冊をピックアップして紹介します。(毎月上旬更新予定)
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他なる映画と 1・2
濱口竜介゠著
インスクリプト
『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』そして『悪は存在しない』の映画監督・濱口竜介による映画論を、全2冊に集成。
1巻目の「映画講座」篇には、仙台・神戸・鎌倉・ソウルなどで開かれたレクチャーをまとめる(すべて初活字化)。映画史上の傑作・名作はいかに撮られてきたのか、その作劇と演出と演技へと迫る。
2巻目は「映画批評」篇として、映画をつくりながら折々に発表してきた作品レビューや映画をめぐる論考・エッセーにくわえ、日本語未発表原稿や書き下ろし2篇(7万字に及ぶブレッソン『シネマトグラフ覚書』論ほか)も収録する。
映画監督は、映画の何を見ているのか、ここにつまびらかになるだろう。
(出版社HPより)
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映画とポスターのお話
ヒグチユウコ/大島依提亜゠著
白泉社
ヒグチユウコの絵と大島依提亜のデザインによる珠玉の映画ポスター40点余りを収録し、二人で映画の魅力を語り尽くした画集のような1冊。登場作品/アリ・アスター「ミッドサマー」、ジム・ジャームッシュ「ダウン・バイ・ロー」、宮崎駿「風の谷のナウシカ」、是枝裕和「誰も知らない」、フェデリコ・フェリーニ「悪魔の首飾り」、アルフレッド・ヒッチコック「めまい」など。
(出版社HPより)
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ホラー映画の科学
悪夢を焚きつけるもの
ニーナ・ネセス=著
五十嵐加奈子=訳
ホラー映画を見るとき、私たちの脳・心・身体で何が起こっているのか?モンスター、暴力、トラウマ、音……さまざまな切り口から、脳科学や心理学で〈恐怖〉のしくみを解き明かすもっと眠れなくなること必至の、ホラー映画×科学の世界!
私たちはなぜ、ホラー映画という〝悪夢の燃料〟を求めるのか?私たちの脳や身体はホラー映画の何に恐怖を感じ、どのように反応するのか?
本書では、科学コミュニケーターとして活動する著者が多彩なホラー映画を例に、人が恐怖を感じ、脅威に対処するメカニズムを紹介。脳科学・心理学・神経科学・生物学の知見から、〈恐怖〉のさまざまな側面を明らかにする。
登場する映画は、『サイコ』『エクソシスト』など古典的名作から、『ヘレディタリー/継承』『アス』『クワイエット・プレイス』など現代のヒット作まで約300本。サイコ、SF、スラッシャー、スプラッター、クリーチャー、オカルトなどのサブジャンルを縦横無尽に扱いながら、ホラー映画の歴史もおさらい。いかに映画における〈恐怖〉が作り出されてきたのか、そして私たち観客はいかにそれを受け取るのかに迫る。
各章には、ひとつの作品を掘り下げるコラムと、映画の製作者や研究者へのインタビューも収録。尽きることのないホラーの魅力を存分に楽しめること間違いなし。
その他の気になる映画本
『MCU 比類なき映画スタジオの驚異的〔マーベル〕な逆転物語』ジョアンナ・ロビンソン/デイヴ・ゴンザレス/ギャヴィン・エドワーズ=著(フィルムアート社)
『皆殺し映画通信 ストライクス・バック』柳下毅一郎=著(フィルムアート社)
『映画興行分析』宇野維正(blueprint)
『ウェス・アンダーソンの世界 フレンチ・ディスパッチ』マット・ゾラー・サイツ=著(DU BOOKS)
『ばらばらとなりし花びらの欠片に捧ぐ』荻野洋一=著(リトル・モア)
『ワイルドシングス VHSジャケット野性の美』桜井雄一郎=著(スティングレイ)
『映画の切り札 ハリウッド映画編集の流儀』上綱麻子=著(星海社)
『飛躍するインド映画の世界』夏目深雪=著(PICK UP PRESS)
『チャップリンが見たファシズム 喜劇王の世界旅行1931-1932』大野裕之=著(中央公論新社)
『合本 映画鑑賞術』(マガジンハウス)
『特撮美術監督 三池敏夫の仕事』三池敏夫=著(竹書房)
『日本映画時評集成 2011-2022』山根貞男=著(国書刊行会)
『アニメと場所の社会学 文化産業における共通文化の可能性』永田大輔/松永伸太朗/杉山怜美=編著(ナカニシヤ出版)
『成熟の喪失 庵野秀明と“父”の崩壊』佐々木敦=著(朝日新聞出版)
『戦争映画を解読せよ! ナチス、大日本帝国、ヒロシマ・ナガサキ』永田喜嗣=著(青弓社)
『若き日の映画への熱狂 わが菊地浅次郎、私もあなたのようになりたかった』鈴木輝夫=著(ごまめ書房)