フォントを楽しむための15冊
(選・文/芦谷國一)
発売後からSNSだけでなく、Youtubeや海外でも話題になった欧文フォント擬人化マンガ『となりのヘルベチカ』。日常生活やクリエイティブな場所で活躍する彼らを、4コママンガやコラムで誰にでもわかりやすく紹介しています。今回は刊行記念フェアとしてフォントやデザイン、擬人化にふれるきっかけに最適な15冊を、著者の芦谷國一さんにセレクトいただきました。ぜひ、本書を足がかりにフォントの奥深い世界をご堪能下さい。
1957年の登場から、今も世界中で広く使われ続けているヘルベチカ。誕生秘話や実例集などを収録した、ヘルベチカの魅力にせまる1冊です。
2,小林 章『欧文書体 その背景と使い方』美術出版社、2005年
書体の歴史や背景、主要な書体の解説などがわかりやすく書かれています。はじめて書体を学ぶ際の教科書として最適な1冊です。
3,小林 章『欧文書体 2 定番書体と演出法』嘉瑞工房=監修、美術出版社、2008年
書体デザイナーへのインタビューや演出別の実例を紹介し、より効果的な書体の使い方が学べます。1と合わせて持っておきたい1冊。
4,小林 章『フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?』美術出版社、2011年
『欧文書体』『欧文書体2』に引き続き、ロゴタイプや看板、チラシなどを写真付きで紹介し、書体の役割や魅力を解説しています。
5,スタン・ナイト『西洋活字の歴史 グーテンベルクからウィリアム・モリスへ』高宮 利行=監修・訳、安形 麻理=訳、慶應義塾大学出版会、2014年
活版印刷が誕生してからの文字見本を時代順に紹介した本です。精細な写真と、書体にまつわる歴史や特徴などの解説が見所です。
6,サイラス・ハイスミス『欧文タイポグラフィの基本』小林 章=監修、グラフィック社、2014年
人々が文字を見る時、読む時どのように認識しているか、文字を組む時の用法を絵本のようなイラスト付で紹介した組版の入門書です。
7,Peter Dawson『街で出会った欧文書体実例集 THE FIELD GUIDE TO TYPOGRAPHY』手嶋由美子=訳、ビー・エヌ・エヌ新社、2015年
約120の書体を写真付きで紹介した、ビジュアルで楽しむ書体のガイドブックです。また書体ごとの違いがわかる「書体の比較」も面白いです。
8,石川祐基『もじ鉄 書体で読み解く日本全国全鉄道の駅名標』三才ブックス、2017年
日本全国にある鉄道の駅名標。使われた書体やデザインの違いが楽しめる本です。識別しやすい標識のための様々な工夫に気付く1冊。
9,藤本 健太郎『タイポさんぽ改 路上の文字観察』誠文堂新光社、2016年
著者が町を歩いて集めた、ステンシルや手書きの古い看板を取り上げた1冊です。いつもと違った目線での散歩を楽しみたいあなたに。
10,筒井 美希『なるほどデザイン 目で見て楽しむ新しいデザインの本。』エムディエヌコーポレーション、2015年
デザインの基礎を直感的に、ビジュアルで楽しめる本です。解説もわかりやすく、初心者からベテランまで「なるほど」と思わせてくれる内容。
11,カイシ トモヤ『How to Design いちばん面白いデザインの教科書 改訂版』エムディエヌコーポレーション、2017年
レイアウトや印刷のこと、DTPソフトの使い方など、デザインの現場で必要な技術が簡潔にまとめられた実用的な本です。
12,槻木 こうすけ『ついったーさん 1』KADOKAWA、2017年
TwitterやInstagramなどSNSの擬人化漫画。それぞれのサービスの特徴があるあるネタとして描かれています。ついったーさんが可愛い!
13,ネピア『擬人化マンガ 大学あるあるこれくしょん』ぴあ、2018年
学風や学部、学食を取り上げた大学の擬人化漫画です。それぞれのキャラが立っており、母校でなくとも大学に親近感がわく作品です。
14,A. L. グプティル『ペンで描く』小山栄=訳、マール社、1979年
様々な表現が書かれたペン画の参考書です。直線を引く基礎から風景画の応用まで、つけペンを使う人におすすめの1冊です。
15,ブレイク・スナイダー『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』菊池 淳子=訳、フィルムアート社、2010年
ハリウッド映画のストーリーを例に、物語に必要な脚本術を学べます。漫画や小説にも活用できる、作劇の入門にぴったりの良書。
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