アメリカ、インドで舞踊や瞑想を学び、シャーマニックな宇宙的動きで世界的評価を受ける前衛舞踊の第一人者・洪信子。本書は、彼女の破天荒な人生と繊細にして大胆な感受性を告白した舞踊と人生の書である。
目次
序文 日本語版によせて
ジャングルの中で――いまの生活について
ボルケーノ、木と草と花と鳥のいる島に住む
瞑想を通して私は私を見つめる
ブラック・サンド・ビーチで見る満月
思い残すことなく――表現について
笑いと感情を抑圧する社会
舞踊団「ラフィング・ストーン(笑う石)」の結成
涙を流すこと、感情を出し切ること
秘密を隠す人間は自由にはなれない
舞踊家への聖なる道ーー私の舞踊について
アルウィン・ニコライの舞踊学校に入る
東洋の深い恨(ハン)を解き放つ
インドへの道、野性のエネルギーへの導き
宗教のような求道としての舞踊
いつもひとりぼっちだが――孤独について
夜の海に向って私は歌う
ニューヨーカーの孤独な生活
たった一人でケネディ空港に降り立った時
骸骨を抱いてーー死について
チベットで、頭蓋骨と一緒に暮らす
死、大いなる悟りの時
私のエゴの死、深海に身を投げ出す
身体、すなわち本堂ーー体について
激痛の体をひきずりながら
ヒラヤマでダライ・ラマに会う
呼吸によって神経の痛みを取り去る
幼児の体、障害者の体、東洋人の体…
瞬間、瞬間の体を意識することが、瞑想である
十二種の生活瞑想法
人生の幻影ーー家族と結婚について
結婚や子供を産むことの葛藤
画家との結婚、自然の流れに従う
NYでの極貧生活、愛児フィを手放す
私、彼、フィ、三人の独立
至上の時ーー妊娠と出産
臨月の時、舞踊家が妊娠すること
清州大学教員を辞す
自然分娩と人工分娩
娘・フィへの手紙
自然に生きられるなら――性と愛について
自然の中のセックス
同性愛とパートナーシップ
性の抑圧と孤独、あるいは愛の代償行為
存在の源泉にある愛
最小限の生ーー生活と装飾
所持品への無関心
ヌーディスト・ヴィレッジで感じたこと
飾りすぎない生き方、自分本来の生き方
最後の師は自然ーー師と宗教
ラジニージ、マハリジ、クリシュナムルティ
サマディ、神を感じる瞬間
自然は私のすべてを知っている
ホン・シンジャ(洪信子)略歴/代表作品活動