『旅芸人の記録』『アレクサンダー大王』などで知られ、迷走する20世紀を照らし、神話のまなざしで映画史を塗り替えた映画監督アンゲロプロスの全貌。作品解説、インタビュー、評伝、フィルモグラフィに加え、代表作『旅芸人の記録』の全ショットを完全採録する。
目次
Ⅰ フィルムの風景
政治の不在 旅 時間 再現 弁証法 オフ・スクリーン 検閲 神話
ワン・ショット=ワン・シークェンス 叙事詩 世界劇場 ブルジョワ
回想 終幕 賛美歌 過渡期 父親探し 亡命者の帰還 接近 音楽
独唱声部 円 結語
Ⅱ▼アンゲロプロス/映画世界
『モノクロで』 『フォルミンクス物語』 『放送』 『再現』
『1936年の日々』 『旅芸人の記録』 『狩人』 『アレクサンダー大王』
『アテネ、アクロポリスでの三度の帰還』 『ひとつの村、ひとりの村民』
『シテール島への船出』 『蜂の旅人』 『霧の中の風』
『こうのとり、たちずさんで』 『ユリシーズの瞳』
Ⅲ▼アンゲロプロス/自己史 一九三五―一九九五年
Ⅳ▼アンゲロプロス/対話
個人的体験から出発する スタニスラフスキー・システムの採用
俳優と登場人物の倫理観 リハーサルの重要性 撮影地への長い道のり
ヒッチコック的方法とゴダール的方法 政治的映画の行方 芸術家の役割
善悪の図式を乗り超える ヨーロッパ映画のために戦う 歴史はけっして死に絶えない
資料
アンゲプロス作品の歴史的背景
略語・概念・名称
フィルモグフィー
スタッフ・キャスト解説
アンゲロプロスを題材にした映画
文献目録
CD・レコード
『旅芸人の記録』完全採録シナリオ(巻末)