原田裕規:ホーム・ポート

広島市現代美術館=監修
発売日
2025年1月20日 ※2025年始めから広島市現代美術館にて先行発売
予価
3,800円+税
判型
B5判変型・並製
頁数
136頁
ISBN
978-4-8459-2420-2

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広島市現代美術館特別展「原田裕規:ホーム・ポート」公式カタログ

写真、映像、CGとさまざまなメディアを用いながら、自らの身体性を作品に投じ、多様な人々のアイデンティティと結びついたイメージを描き出す原田裕規、初の大規模個展の図録にして初の作品集。

◎広島市現代美術館での展示のために制作された新作を含む豊富な作品図版を掲載

◎原田裕規インタビューも収録


目次

■図版
展示風景写真

写真の山
One Million Seeings
湖に見せる絵
Waiting for
光庭
残照
ホーム・ポート
シャドーイング

■原田裕規インタビュー
聞き手:杉原環樹(ライター)

■論考
富井玲子(美術史家)
小髙美穂(キュレーター、写真研究者)
松岡剛(キュレーター、広島市現代美術館)

■付録
作家略歴
参考文献
作品リスト

[デザイン]中野豪雄

展覧会情報

広島市現代美術館特別展
「原田裕規:ホーム・ポート」
展覧会内容詳細は以下の公式サイトをご覧ください
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/harada_yuki
会期:2024年11月30日(土)–2025年2月9日(日)

<広島市現代美術館公式サイトより引用>
原田裕規(1989-)は、2012年に「ラッセン展」や「心霊写真展」の企画でデビューし、社会の中で広く知られる視覚文化を題材とするプロジェクトからその活動をスタートしました。また近年は、広島や山口からハワイへ渡った移民について調査し、日系アメリカ人の混成文化を題材にした映像作品《シャドーイング》を発表しています。本作品内で登場人物は次のように語ります。

うんと遠くに行こうと出航しても、
まるで舵の曲がったボートみたいに同じところに戻ってしまう
その場所こそが「私自身」だ
私は決して「私自身」から逃れることはできない

本展タイトルと同名の作品《ホーム・ポート》は、日系人も多く移り住んだ町であり、2023年夏に大火に襲われたマウイ島ラハイナが描かれたラッセンの作品がもとになっています。広島出身であり、ラハイナへの滞在歴もある原田は、「母港」を意味するこの作品の題名を展覧会のタイトルに採用しました。したがって、本展は原田にとっての里帰り展であるともいえるでしょう。
本展では、原田が現時点の集大成とする新展開の平面作品に加えて、これまでに制作された代表的な映像/インスタレーション/パフォーマンス作品、10代の大半を過ごした「広島時代」の初期絵画などを紹介します。多様な展開を見せる彼の制作の歩みが「舵の曲がったボート」のように母港に帰還するさまを、ぜひご覧ください。

プロフィール

原田裕規(はらだ・ゆうき)
アーティスト。1989年山口県生まれ、広島県育ち。2016年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。とるにたらない視覚文化をモチーフに、テクノロジーやパフォーマンスを用いて、社会や個人の本性(ほんせい)を「風景」や「自画像」のかたちで表現している。2012年に「ラッセン展」の企画でデビューし、議論喚起型のプロジェクトからその活動を開始。2019年以降は断続的にハワイに滞在し、ピジン英語に代表されるトランスナショナルな文化的モチーフに着目している。
主な個展に「やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす」(日本ハワイ移民資料館、2023)、「Unreal Ecology」(京都芸術センター、2022)、「アペルト14 原田裕規:Waiting for」(金沢21世紀美術館、2021)など。
単著に『評伝クリスチャン・ラッセン』(中央公論新社、2023)、『とるにたらない美術』(ケンエレブックス、2023)、編著に『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社、2013、増補改訂版=2024)など。2023年にTERRADA ART AWARD 2023でファイナリストに選出、神谷幸江賞を受賞。