魅力的なキャラクターを作るためには何から始めるべきか?
矛盾や葛藤といった複雑な内面を生み出すためにはどうすればいいのか?
人間関係をダイナミックに表現するためには何が必要か?
キャラクター創作のノウハウが凝縮された古典が、待望の邦訳!
ハリウッドを拠点に、2000本以上の脚本に関わってきたスクリプト・コンサルタント、リンダ・シーガー。そんな彼女が、キャラクター創作のテクニックを徹底伝授。
本書は、キャラクター設定の基礎(人物や時代背景のリサーチ、身体や感情の表現方法など)を理解することから入り、実践(バックストーリーや人間関係の作り方、セリフの書き方など)、応用(非現実的なキャラクターの作り方、ステレオタイプを超えるために考えるべきことなど)、とステップアップ式に構成されており、効率的にキャラクター創作の基礎とその応用方法を学ぶことができます。
また、タイプに基づいたキャラクターの設定、脇役に人柄や特徴を与える方法、サブテキストについて、など細部のテクニックに関しても解説しているため、これ1冊でキャラクター創作に必要なあらゆる知識を得ることができるでしょう。
加えて本書には、30名以上のクリエイターたちの生の声も収録。映画やテレビの脚本家はもちろん、小説家、劇作家といった人々、そしてマンガ家や広告クリエイターなど多彩な作り手が、キャラクターの創作や人間関係の構築に関する独自の方法論を語っています。
シーガーとクリエイターたちの解説や方法論が書かれているだけでなく、自作を執筆する前のよい準備運動になるであろうエクササイズ、作品を創作する際にチェックリストの役割を果たすクエスチョンなども収録しています。ほかにもひとつの作品やひとりの人物にフォーカスし掘り下げていくことで、より深い理解へと促すケーススタディ、章の内容を簡潔に記すことで頭の整理に役立つまとめなども各章に用意。
映画、テレビドラマ、演劇、小説、マンガ、ゲーム……すべてのジャンルの物語創作者、必携の1冊!
☆原書は1990年刊行。数多くある物語創作術の中でも、キャラクター創作における定番書。
☆ハリウッドを中心に活躍する脚本家や、アメリカの人気小説家の声も多数収録。
☆各章の理解を深める、エクササイズ、ケーススタディ、クエスチョン、まとめを掲載。
☆黒人、アジア系、ヒスパニック系など人種を描く際の注意点にも触れられており、現在の書き手必読。
「人物を描けば、そのキャラクターだけでなく、自分のこともよくわかる。リンダ・シーガーはしっかりと僕らの手をとり、ドラマの核心へといざなってくれる。本書は真剣に創作を志す人には必読の、ユニークで深みのある本だ」
バリー・モロー(『レインマン』脚本家)「シナリオをもっとよくするためには、登場人物の設定が欠かせません。テレビや映画の制作陣が全力を尽くせるのも、リンダ・シーガーの助言があるからです」
バーバラ・コーディ(テレビドラマ『女刑事キャグニー&レイシー』脚本家)「魅力的なキャラクターを脚本に登場させるハウツーの基礎。記憶に焼きつく人物像を生み出すためのツールと、書き手が問うべきクエスチョンが盛りだくさんだ」
ジェレミー・ケイガン(『ナティ物語』監督)「小説執筆で最も難しいのは人物設定です。リンダ・シーガー氏の著書は私たちに人を見る目の感受性を高め、新たな視点をくれるでしょう」
ロビン・クック(小説『コーマ―昏睡』著者)「名優が演じたくなるキャラクターを書くために知っておきたいことが、この本にはたくさん詰まっています」
ダイアン・クリッテンデン(『スター・ウォーズ・エピソード4/新たなる希望』キャスティングディレクター)
読者の感想(読者モニターより)
キャラクターのタイプを4つに分類し、その分類を使って作る方法や、キャラクター同士の対立構造を作ってストーリーを考えていく方法がとくに印象に残りました。
キャラクター創作のヒントが盛りだくさんで、各章にエクササイズがあるので、実用的な一冊だと思います。脚本、戯曲、小説を書いていて「キャラクターをもっと魅力的にしたい」と感じている方や、「ステレオタイプなキャラになるのを避けるヒントがほしい」と悩んでいる方にとくにおすすめ。
(30代女性)
第6章で紹介されていた、脇役を「機能」で捉えようとする考え方、これが眼から鱗でした。優れた脇役は複数の機能を担っているんですね。創作、作品鑑賞の時に役立ちそうです。
著者のリンダ・シーガーの本は『ハリウッド・リライティング・バイブル』以来ですが、こちらも何度も読み込む一冊になりそうです。
(30代女性)
一言で言うと、読む前には戻れない本でした。
読み始めてまず思ったのは、1章目から刺激的だということです。章構成からも、キャラクター構成の最初の一歩から順に教える姿勢が感じられます。
また、実践のワークシートが付いており、各章を読んで確認すべき事項が明確で、理解するために何度も読み返しました。啓発本や読み物ではなく、キャラクター工学の教材のようでした。ぼんやりとしたキャラクターの細部まで理解したことで、執筆するうえでの迷いがなくなり、筆が進むようになりました。
本書を読んで、もっと面白いものが小説が書けそうで期待を持てています。漠然と何か足りなかったり、一度でもキャラクターの問題に直面した人はご一読頂きたいと思います。
(20代男性)
「バックストーリー」「人間関係」「セリフ」など、さまざまな視点からキャラ作りに言及しているので、自分が苦手と思う箇所を重点的にチェックすることができるのが良いと感じました。
「セリフがうまい人はセンスや才能」と聞くことが多く、鍛えるのは難しいと思っていましたが、本書の「良いセリフ」「悪いセリフ」をチェックするだけで、改善点を見つけられそうです。
(30代男性)
魅力的なキャラクターにするには様々な要素を付け加える必要があります。そのための方法を一冊丸々解説し、他の脚本術の本を補完してくれるのが本書です。キャラクターにどのような設定を加えるか、ディテールをほどこすか、どのようなキャラクターがいれば魅力が引き立つか、といったアイデアについて、様々な角度から解説されています。
また、具体例とインタビューが多いのも本書の特徴です。キャラクターの実例があり、またそのキャラクターを作った作家によるコメントも載っていて、作家の思考に触れることができます。本書の具体例と同じような視点でアプローチができないかと考えることで、「こんな趣味があったらどうか」「こんな友達がいたらどうか」などと様々なアイデアが湧いてきます。
(20代女性)
いわゆるHow to本の押し付けがましさがなく、とても心地よい読後感でした。様々なクリエイターのキャラクター創作ヒントも知ることができ、多面的な知見が広がりました。書き方は人それぞれ。自分なりのやり方を見つけ、自分の内面や自分に近しい人達をヒントに己の作り方を発見していく。その過程でこの本は良い疑問を投げかけてくれていると思いました。
キャラクターが豊かになるよう活用していきたいと思います。あとこの本は役者さんが読むと、役柄に対しての向き合い方が一層深くなって良いのではないでしょうか。
(30代女性)
キャラクター作りをしっかり身につけたい、誰かを感動させる物語作りに本気で打ち込みたいという人には、じっくりと向き合うことで学びが多いテキストだと思います。素晴らしい作品を作り上げた方々がどんな姿勢でキャラクター作りを行ったのか、有名作品ではどんな表現が使われたのかという具体的なエピソードが多く、とてもためになります。
また、エクササイズやクエスチョンが設けられていて、自分の創作活動に落とし込んで考えることができます。単なる「教科書」に終わらず、具体的なワークとして活用できるのが良いと思いました。キャラクターのリサーチから、人間関係の作り方、脇役の設定、セリフの書き方など、創作する上で考えるべき課題が網羅されている点も素晴らしかったです。
(30代女性)
キャラクターの設定をするにあたって、本書では多彩なサンプル分けがされています。そのため、スタート時点で個性を意識したキャラクター作りが比較的容易にできます。
また、掘り下げるための思考法も詳述されているので、キャラクターがステレオタイプになりがちな人にはうってつけの教材と言えます。
(40代男性)
メディア掲載
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「Real Sound」でご紹介いただきました。
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「作家の味方」でご紹介いただきました。
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「マンガコンプレクス」でご紹介いただきました。
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「同人誌をつくる」でご紹介いただきました。
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「テラストーリーズ」でご紹介いただきました。
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佐渡島庸平さんのYouTube「佐渡島チャンネル」でご紹介いただきました。
目次
まえがき
第1章 キャラクターのリサーチをする
第2章 キャラクターに一貫性と矛盾を与える
第3章 バックストーリーを作る
第4章 キャラクターの心理を理解する
第5章 キャラクターの人間関係を作る
第6章 脇役キャラクターを追加する
第7章 セリフを執筆する
第8章 非現実的なキャラクターを作る
第9章 ステレオタイプを超越する
第10章 キャラクターの問題を解決する
エピローグ
原注
プロフィール
[著]
リンダ・シーガー(Linda Seger)
ハリウッドで活動するスクリプト・コンサルタント。映画やテレビ番組を中心に、2000本以上の脚本に関わり、映画監督ピーター・ジャクソンや小説家レイ・ブラッドベリのアドバイザーを務めた経験を持つ。また、映画脚本に関する書籍を多数執筆しているほか、米国アカデミー賞協会をはじめ、世界30ヵ国以上で脚本術の講義やセミナーを行っている。主な著書に『ハリウッド式映画制作の流儀』、『サブテキストで書く脚本術』、『アカデミー賞を獲る脚本術』(以上フィルムアート社)、『ハリウッド・リライティング・バイブル』(フィルムアンドメディア研究所)などがある。
[訳]
シカ・マッケンジー(Shika Mackenzie)
関西学院大学社会学部卒。「演技の手法は英語教育に取り入れられる」とひらめき、1999年渡米。以後ロサンゼルスと日本を往復しながら、俳優、通訳、翻訳者として活動。教育の現場では、俳優や映画監督の育成にあたる。訳書は『魂の演技レッスン 22 』、『“役を生きる” 演技レッスン』、『監督と俳優のコミュニケーション術』、『演出についての覚え書き』、『俳優のためのオーディションハンドブック』、『ハリウッド式映画制作の流儀』(以上フィルムアート社)他。