ジェンダーの複雑さに向き合うために
これからの時代の「当たり前」を身につけるための
新しいガイドブック!
この本に出逢えて良かった。
いつかもし、私が子どもを授かれたら、
一緒に読んでみたいと思います。
──西原さつき(俳優/ドラマ『女子的生活』出演・演技指導/映画『ミッドナイトスワン』脚本監修)
私たちは多様な人々とさまざまな知見を共有し、ともに生きる時代に立っています。
しかし実際は人種や性別などに基づく差別や偏見は無くなっておらず、いたる所で日常に悪影響をもたらしています。
本当のところ、私たちはそうした「自分とは違う」人たちのことを、そして自分自身のことをどこまで知っているのでしょうか。
本書ではクィア作家でアーティスト、そしてノンバイナリー(性別二元論に収まらないジェンダー)を自認する著者が、歴史、科学、社会学的な事象を通じつつ、実体験を交えながらジェンダーにかかわる様々なトピックについて丁寧に解説していきます。
ジェンダーをめぐる基本用語集とその解説、歴史的な出来事や事件、世界に大きな影響をもたらした人々の逸話、人間以外の動物における「性」のはなし、さらには著者自身による乳房切除手術の経験談まで。毎日のように変化を続けるジェンダーと世界との関係を学ぶために、本書は多くの方にとって最良の入り口となるはずです。
近年話題のSDGs(持続可能な開発目標)では、ジェンダー平等の実現や、人や国の不平等をなくすことが国際目標として定められています。本書にはそれを最良のかたちで実現するために、これからの時代を生きる私たちがぜったいに知っておかなければならない知識が詰まっています。
他者について学び、自分がどう生きたいかを考えるための一歩を、本書をきっかけに踏み出していただければ幸いです。
◎主な項目
ジェンダーにまつわる用語・入門編/ジェンダー・アイデンティティ/ジェンダー・ディスフォリア(性別違和)/ジェンダー・エクスプレッション(ジェンダー表現)/ジェンダーアイデンティティ、セクシュアリティ、性的指向の違い/アセクシュアリティ/動物たちの同性愛行動/身体的な性/ジェンダーの解剖学/インターセックス/ナメクジの性/べからず・べし/LGBTQ+って実際どういう意味?/ジェンダーロール(性役割)/インターセクショナリティ/同化教育制度/第3のジェンダーと第4のジェンダー/シェイクスピア/コウイカ/脳みその重さにまつわる神話/STEM(science, technology, engineering, and math /科学、技術、工学、数学)の女性たち/1800年代の服装/ルイ14世とハイヒール/男の子は男の子――いかに有害な男らしさが男性集団をかたちづくっているか/家父長制/ライオン/スポーツ/ホワイト・フェミニズム/黒人少年が黒人男性になるとき(黒人男性に対する警察の暴力、不当に投獄される黒人男性たち)/性的暴行、#metoo、ジェンダー化された暴力/摂食障害は誰でもなる病気/中絶について/医療のバイアス/ジェンダーと精神疾患/トランス・コミュニティにおけるメンタルヘルス/特権について 初級編/平等性≠公平性/ピンク税/貧困の女性化/静かなる南部の流行病/公共施設のプライバシーと安全法/「セックスワーク」はよくない言葉ではない/ストーンウォールの反乱/LGBTQ+は一枚岩ではない/カミングアウト運動の危険性/広告/リベット工員のロージー神話/ベクダル・テスト……etc.
◎注目の人々
デヴィッド・ボウイ/プリンス/フリーダ・カーロ/ココ・シャネル/アノーニ/セリーナ・ウィリアムズ/マーシャ・P・ジョンソン/ラヴァーン・コックス/アニタ・ヒルとクリスティン・ブレイジー・フォード/サパティスタ/ハンナ・ギャズビー/フランク・オーシャン……etc.
【イベント情報】
☆7/20(火)19:30~21:00(オンライン)
野中モモ×ゆっきゅん
自分と他人を理解するためのアイデンティティと表現
※終了しました
メディア掲載
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FRaU の特集で本書が選出されました!(宮台由美子さん)
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Elle girl の特集で本書が選出されました!(松尾亜紀子さん)
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ダ・ヴィンチ 2021年7月号 「絶対読んで得する8冊」で書評が掲載されました!(ヒラギノ游ゴさん)
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ハーパーズ・バザー 2021年7・8月合併号 特集「未来をもっと生きやすくする 5つのジェンダー・トピックス」で、「思春期の『選択』を広げる 優良ハンドブック」として本書がピックアップされました!
目次
序文 メレディス・タルサン
まえがき
パート1:まずはここから
パート2:さらに深掘り
パート3:わたしの話
あとがき:学びは決して終わらない
参考資料
索引
謝辞
著者について
プロフィール
[イラスト・文]
アイリス・ゴットリーブ(Iris Gottlieb)
イラストレーター兼作家。著書に Seeing Science: An Illustrated Guide to the Wonders of the Universe、Natural Attraction: A Field Guide to Friends, Frenemies, and Other Symbiotic Animal Relationships がある。好きな食べものはすいか。いちばん怖いものは内部寄生虫。犬のバニーと一緒にノースキャロライナ州ダーラム在住。
[訳]
野中モモ(のなか・もも)
東京生まれ。編集職を経てロンドン大学ゴールドスミス校で美術史を学ぶ。東京を拠点に文筆および翻訳業(英日)に従事。訳書にレイチェル・イグノトフスキー『世界を変えた50人の女性科学者たち』(創元社)、ロクサーヌ・ゲイ『飢える私 ままならない心と体』(亜紀書房)など。著書『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(筑摩書房)、『野中モモの「ZINE」小さな私のメディアを作る』(晶文社)。
お詫びと訂正
初版発行書籍に記載上の誤りがございました。
正しくは下記の通りとなります。
P.70 1行目
×14世紀のエリザベス朝のイングランドでは
○16-17世紀のエリザベス朝のイングランドでは
※本箇所は原書での記載をそのまま反映した箇所となります。原著者に確認を行なったところ、やはり元の記載の誤りであったことが確認できましたため、以上のように訂正いたします。
p.120 右段 8行
×声を上げない
○声をあげない
p.122 右段 最後の段落4行
×どう扱わうか
○どう扱うか
p.132 右段 19行
×決して許されるわけではありません。
○許されるわけでは決してありません。
p.198 右段 3段落目6行
×避難
○非難
p.200 右段13行
×『黒人フェミニストの思惑
○『黒人フェミニストの思想
読者の皆さまご迷惑をおかけしましたことを謹んでお詫びし、訂正いたします。
株式会社 フィルムアート社