ノートルダム大聖堂の火災はなぜ止められなかったのか? セグウェイはどうして失敗したのか? 病院が居心地悪いのはなぜか?……
それ全部デザインのせい!
工業製品やSNSのシステム、企業組織、都市計画の失敗と成功からこの世界の仕組みを解読する、誰もがデザインする時代の必読書。
太刀川英輔(デザインストラテジスト)
若林恵(編集者)推薦!
ノートルダム大聖堂の火災はなぜ止められなかったのか? セグウェイはどうして失敗したのか? 女性用トイレにだけ行列ができるのはなぜか? USBケーブルが半分の確率で入らない構造なのはどうして? 病院が居心地悪いのはなぜか?……ひとつでも気になったら、ぜひ本書の読者になることをおすすめします。その裏側にある仕組みを知れば、目の前にある世界の見方が変わるはずです。
マイクロソフトでシステムやウェブサイト、ユーザー・インターフェースなどのデザインを多数手がけてきた著者が、私たちの身の回りにある製品やシステム、都市計画などを「デザイン」というレンズで見つめ、その製品が失敗している理由や成功している理由を説得力のある説明でひも解いていきます。そこにはより民主的な社会をつくるためのヒントがたくさん詰まっています。
すべての章が、コンパクトで読みやすくまとめられていますが、そのなかでは「つくることとデザインすることの違い」「よいデザインとは?」「誰だって何かをデザインしている」「デザインはデザイン・チームの映し鏡」「解決策は問題を生み出す」といった章タイトルが示すように、それぞれ深い議論が行われています。本書を読めば「デザイン思考」「ソーシャルデザイン」「UX(ユーザーエクスペリエンス)」「顧客中心主義」など現在話題に上がっているデザイン用語を冷静に見つめ直すきっかけになるはずです。
また、読者が身の回りの世界を見つめ直すいい道具となる「デザイン・チェックリスト」や、より深くデザインの世界に飛び込む助けとなる参考資料のリストも用意。多くの読者にとって、世界を広げるための入り口として機能することでしょう。
新型コロナウイルスによって目の前の世界が変わり、テレワークの推進など働き方が変化しているなか、デザインを通して社会の構造を見つめ直す本書は、コロナ以後の世界を生きるために必要な新しい視座を教えてくれるはずです。
デザインとは形を通して社会に
関係性を生み出す統合的な知恵だ。
本書にはデザインの知恵を育む
ヒントが詰まっている。
太刀川英輔 (デザインストラテジスト/NOSIGNER代表)
「世の中にはびこる悪いデザインの大部分は、無能の結果と言っていい」……
ユーザー視点、顧客中心主義、直感的、使いやすさ、ニーズ、UX、デザイン経営などの流行り文句に踊らされる世の無能上司たちに、まずは本書を送りつけよう。
自分がその当人だったら? 暗記するまで読み込もう。
若林恵 (編集者/黒鳥社)
世界が今のように機能しているのはなぜなのか? その背景には隠れた理由が潜んでいる。本書では、「よいデザイン」というレンズを通して、その理由の数々を解き明かしていきたいと思っている。予備知識なんて必要ない。必要なのは好奇心だけだ。
私はこの数年、面白く、すらすら読めて、好奇心をくすぐり、記憶に残る本を書くために努力してきた。みなさんがこの本でそんな体験をしてくれることを願うばかりだ。昔から、私はこの世界のいろいろなものがうまく機能している理由、そしてうまく機能していない理由に、ずっと興味を持ってきた。本書を通じて、みなさんの心にも同じような情熱を呼び起こせたらうれしい。(「はじめに」より)
※本国ではアラン・クーパー(ソフトウェア設計者)、ヘンリー・ペトロスキー(工学者)、アリス・ローソーン(デザイン評論家)、ロビン・ウィリアムズ(グラフィック・デザイナー)といった、各ジャンルの著名人が絶賛コメントを寄せています。(実際のコメントは下記参照)
テクノロジー業界にいる人ならみんな、デザインが必要不可欠なものだとわかっている。でも、デザインとはなんなのか、成功にどう役立つのかを理解している人は少ない。その点、スコット・バークンは問題点とその解決策の両方に光を当てている。名著だ。
アラン・クーパー(ソフトウェア設計者、『ユーザーインターフェイスデザイン――Windows95時代のソフトウェアデザインを考える』の著者)
デザインは、私たちが意識しているかどうかは別として、私たちの運命を決める日常生活では避けようのない要因だ。スコット・バークンは、デザインが世界をどう形づくっているのかを説得力のある形で主張しつつ、デザインを通じて私たちの生活を向上させる方法を指南している。
アリス・ローソーン(デザイン評論家、『HELLO WORLD――「デザイン」が私たちに必要な理由』の著者)
デザインは私たちの生活のあらゆる場面に影響を及ぼす。本書を読めば、そこかしこにデザインの痕(あと)が見つかるようになり、デザインにみずから参加することさえできるようになるはずだ。
ロビン・ウィリアムズ(グラフィック・デザイナー、『ノンデザイナーズ・デザインブック』の著者)
世界はまちがいなくデザインでできている。スコット・バークンはこの本でその事実をとてもわかりやすく説明している。
ヘンリー・ペトロスキー(工学者、『フォークの歯はなぜ四本になったか――実用品の進化論』の著者)
この世界の真の仕組みについて説明させたら、スコット・バークンの右に出る者はただのひとりもいない。
ジェフリー・ゼルドマン(ウェブ・デザイナー、オンライン・マガジンA List Apartの共同創立者)
ジャグジーがセグウェイより優れている点は? 格子状の道路が機能する都市と機能しない都市があるのはなぜ? インターフェースを「直感的」と表現することの問題点は? この傑作書を読み終えたとたん、あちこちにデザインの痕(あと)が見つかるようになり、デザインが機能する理由、そして失敗する理由を問うようになるだろう。
エレン・ラプトン(クーパー・ヒューイット・スミスソニアン・デザイン・ミュージアム、現代デザイン部門のキュレーター)
デザインについてわかりやすく解説し、デザインとともに生きる人々、つまり私たち全員に対してデザインを民主化する貴重で不可欠な資料だ。
コイ・ヴィン(アドビのプリンシパル・デザイナー、『ニューヨーク・タイムズ』紙の元デザイン・ディレクター)
デザインは私たちの生活において、なぜこれほどまでに重要なのか? スコット・バークンはその本質を見事にとらえ、デザインについてどう考えるべきなのかを、面白おかしくわかりやすい方法で解説している。本書を読めば、私たちの世界が今のような姿をしているのはなぜなのか、世界をよりよくするためにはどんな疑問について考えるべきなのかがわかるはずだ。
ジャレッド・スプール(User Interface Engineering創設者)
洞察力と説得力に満ちたデザインの入門書。本書を読めば、誰でもこのデザインされた世界を理解できるようになる。そうして得た新しい知識を武器に、自分自身の世界を分析し、向上させる勇敢な人々がきっと現われるだろう。
アシュリー・アクシオス(&Partnersの最高体験責任者、アメリカ・グラフィックアート協会の会長)
デザインは万人に影響を与える。だが、果たして万人がよいデザインとは何かを理解しているだろうか? 本書を読めば、きっとそれが理解できるようになる。
サム・アキヤーノ(Design Museum Foundationのエグゼクティブ・ディレクター)
スコット・バークンはデザインが世界に及ぼす真の影響について説明し、新しい考え方や見方を発見するのを楽しくしている。
マシュー・リーコック(ボードゲームデザイナー、『パンデミック:新たなる試練』の開発者)
あなたが「デザイン」の意味を知りたいと思っている一般市民であれ、自分の仕事をもっとわかりやすく説明したいと思っているデザイナーであれ、楽しく知識を深められることまちがいなしだ。
カレン・マグレーン(Bond Art+Science代表、スクール・オブ・ビジュアル・アーツ教員)
本書を読めば、完璧なトーストが焼けたときに感謝すべき相手、乗るつもりだった航空便を逃したときに責めるべき相手、通りすぎるセグウェイの集団を見たときに笑うべき相手がわかるだろう。
ジョン・コルコ(Modernist Studioの最高執行責任者、Austin Center for Design創設者)
本のサイズにだまされてはいけない。こんなに薄いのに中身の濃い本はない。見事な筆致、目をみはる歴史、説得力のある疑問の数々を通じて、デザインが私たちの身のまわりにあふれていること、そしてデザイナーが今まで以上に必要なことを教えてくれる。
イーサン・マルコッテ(ウェブ・デザイナー、『Responsive Web Design(未)』の著者)
世界を形づくるあなた自身の能力を発見したいなら、あるいはほかの人々がみんなのために陰でどう世界を形づくってくれているのかを知りたいなら、本書はその気軽で楽しい入門書になるはず。
マイク・デイヴィッドソン(InVision副社長、ツイッターの元デザイン担当副社長)
洞察力に満ち、面白くて、思考をくすぐる。本書を読み終えたころには、きっと周囲の世界への見方が変わる。そして、それはすばらしいことだ。
ギャヴィン・ケリー(Artefact共同創設者)
デザインは私たちの暮らす世界をつくっているだけではない。この世界の万物がデザインであると言っていい。スコット・バークンは、わかりやすく、簡潔で、刺激的な本書を通じて、デザインが生活のあらゆる側面に浸透していることを見事に述べている。
スティーヴン・ヘラー(スクール・オブ・ビジュアル・アーツのデザインMFAプログラムの共同責任者、AIGAメダル受賞者)
面白くてたまらない本。私たちに見えているもの、見えていないものを含め、私たちの身のまわりにある重要な物事についての物語や洞察を紡ぎ上げ、それがどうやって生まれたのかを、日常的な言葉で説明している。この世界を新たな視点で見つめ直したい人には最高の本だ。
アンナ・スレイファー(国際スパイ博物館の展示およびプログラム担当副館長)
デザインの基本を見事なほど簡潔にまとめている。スコット・バークンはこの世界のあらゆるものを新たな視点で見させてくれる。快作だ。
ジョン・ヴィーチー(パズルゲーム『Bejeweled』共同制作者、PopCap Games共同創設者)
デザインほど扱いづらく、それでいてたいへん重要なテーマについて、簡潔で、読む人の心をつかみ、しかも洞察力のある本を書くには、かなりの腕が必要だ。だが、スコット・バークンはそれを見事にやってのけた。彼は、トースター、都市、ドアの取っ手、医療システム、ソーシャル・メディア、シートベルトといった実世界の例を使い、デザインの持つ影響力を明らかにしている。
ダン・ヒル(デジタルデザイナー、『Dark Matter and Trojan Horses: A Strategic Design Vocabulary(未)』の著者)
スコット・バークンは、デザインが私たちの生活の隅々にまで及ぼしている影響、私たちの行動に及ぼしている深い影響を理解させてくれる。本書を読み終えたころには、きっと世界が今までとは違う姿に見えてくることだろう。
アーロン・ウォルター(InVisionのデザイン教育担当副社長)
本書を読めば、身のまわりにあるものへの見方が変わり、適切な疑問を掲げられるようになる。これはどう機能しているか? 誰のためのものなのか? 今後何年も機能しつづけるだろうか? そして何より、見事にデザインされたものは見事なチームから生まれることがわかるだろう。
リリー・チェン(マイクロソフトの対話型AI担当副社長)
メディア掲載
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週刊金曜日 2021年3月19日号「本箱」にて紹介されました!
目次
はじめに
第1章 すべてのものにデザインがある
第2章 つくることとデザインすることの違い
第3章 よいデザインとは?
第4章 人間を第一に考える
第5章 誰だって何かをデザインしている
第6章 あなたの住む街で
第7章 スタイルはメッセージ
第8章 どう機能するかがデザイン
第9章 対価を払う人がいる
第10章 決めるのは権力者
第11章 デザインは動詞である
第12章 ポケットのなかにはチケットがひとつ
第13章 アイデアとシステム
第14章 デザインはデザイン・チームの映し鏡
第15章 どう考えるかが重要
第16章 価値とトレードオフ
第17章 デザインとは流れである
第18章 対立を生み出すデザイン
第19章 解決策は問題を生み出す
第20章 見方を変える――あなたの世界を改善するためのデザイン・チェックリスト
行動に移す――世界のデザインを改善するためにあなたができること
お勧めの参考資料
プロフィール
[著]
スコット・バークン(Scott Berkun)
1994年、カーネギーメロン大学を卒業後、マイクロソフトやワードプレス・ドット・コムに勤務。製品のシステムやウェブサイト、ユーザー・インターフェースなどのデザインを多数手がけ、長きにわたりプロジェクト・チームのリーダーとして活動する。2003年以降は作家および講演活動に専念。『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『ガーディアン』などに寄稿するほか、CNBC、MSNBC、CNNといったメディアへも出演している。邦訳書に『アート・オブ・プロジェクトマネジメント——マイクロソフトで培われた実践手法』『イノベーションの神話』『パブリックスピーカーの告白――効果的な講演、プレゼンテーション、講義への心構えと話し方』(以上、オライリー・ジャパン)、『マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた』(新潮社)がある。
[訳]
千葉敏生(ちば・としお)
1979年、神奈川県生まれ。早稲田大学理工学部数理科学科卒業。2006年よりフリーランスの翻訳家として活動。主な訳書に『スタンフォード式 人生デザイン講座』『デザイン思考が世界を変える――イノベーションを導く新しい考え方 アップデート版』(以上、早川書房)、『クリエイティブ・マインドセット――想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』(日経BP)、『貧困を救うテクノロジー』(イースト・プレス)、『スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。――未来を思索するためにデザインができること』(ビー・エヌ・エヌ)などがある。