アートはなぜアートなのか?
アートをアートたらしめているものとは何か?
「芸術」の同語反復=アートートロジーをめぐり、批評家・佐々木敦が私たちの硬直した芸術/アート観を揺さぶる!
「すばる」誌の人気連載にして著者初の芸術論が、増補のうえ待望の書籍化!
映画、音楽、演劇、文学等々、ジャンルの垣根を超えて「批評」の今日的な可能性を実践において追求する佐々木敦が、マルセル・デュシャン「泉」から1世紀を超えていま、現代芸術/現代アートを問い直す。
「アート」はなぜ「アート」なのか? レディ・メイド以来、多くの論者によって繰り返されてきたその問いは、今日においてなお未解決である。私たちはたんにその同語反復を見て見ぬ振りしているだけではないのか? 「あなた方は、本当に、ほんとうにこの問題をまともに考えてみたことがあるのですか?」(佐々木敦)
2017年から2018年にかけて行われた展覧会、公演、刊行された書籍や公開された映画作品を通じた思考のルポルタージュであるとともに、「芸術」の同語反復に彩られたこれまでの100年をめぐる批判的考察、そしてこの先の100年をめぐる挑発的宣言として、本書は編まれている。
《本書で言及される作家やキーワードなど》
マルセル・デュシャン、レディ・メイド、「Malformed Objects」展、「切断してみる。」展、小泉明郎、佐藤直樹、横尾忠則、ゴードン・マッタ゠クラーク、奥村雄樹、ミヤギフトシ、札幌国際芸術祭、大友良英、クリスチャン・マークレー、泉太郎、田中功起、マイクロポップ、上妻世海、ソーシャリー・エンゲイジド・アート、松井みどり、ニコラ・ブリオー、会田誠、小沢剛、映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』、ジョン・ケージ、アーサー・C・ダントー、アンディ・ウォーホル、……etc
メディア掲載
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「CINRA」にてご紹介いただきました。
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「すばる」(2019年5月号)にて書評を掲載いただきました。評者:滝口悠生
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「美術手帖」(2019年6月号)にて書評を掲載いただきました。
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佐々木敦×池田剛介(『失われたモノを求めて』著者) のイベントレポートを「REAL TOKYO」に掲載いただきました。
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「月刊美術』(2019年8月号)にてご紹介いただきました。
目次
exposition アートートロジー
1 2017年の概念芸術
2 言葉とモノ
3 ポストインペリアル/ポストコロニアル
4 デザインなのかアートなのか
5 アートナラトロジー
6 「芸術祭」という問題(1)
7 「芸術祭」という問題(2)
8 「マイクロポップ」再考(1)
9 「マイクロポップ」再考(2)
10 「マイクロポップ」再考(3)
11 会田誠と小沢剛
12 一本の映画と三冊の本
coda アフター・アートートロジー
プロフィール
佐々木敦(ささき・あつし)
一九六四年生まれ。批評家。HEADZ主宰。文学、音楽、演劇、映画、美術など、芸術文化を貫通する批評活動を行う。著書に『ゴダール・レッスン』(フィルムアート社)、『ゴダール原論』『批評時空間』(新潮社)、『新しい小説のために』(講談社)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、『ニッポンの思想』『ニッポンの音楽』『ニッポンの文学』(講談社現代新書)、『筒井康隆入門』『未知との遭遇(完全版)』(星海社新書)、『シチュエーションズ』(文藝春秋)、『ex-music(L/R)』(アルテスパブリッシング)、『「4分33秒」論』(ele-king books)、『テクノイズ・マテリアリズム』『(H)EAR』『即興の解体/懐胎』『文学拡張マニュアル』(青土社)など多数。