雲田はるこ(『昭和元禄落語心中』著者)[インタビュー・カバーイラスト]
春風亭一之輔[表現・仕草のいろは]
広瀬和生(落語評論家)[先端の落語家スタイル10]
ポップカルチャー、認知科学、AI、社会学まで、多角的視点から落語を紐解く!
「どこが面白いの?」「刺激的なの?」
漫画家、作家、映画監督、ミュージシャン、認知科学者たちの心をとらえる!
魅力的な落語の世界を、一から解きほぐす。
基本や疑問、噺のはなし。制作の裏側や、「落語ブーム」の解明まで。
2005 年以降ずっと続く”落語ブーム”。長寿番組「笑点」は視聴率ランキングの常連で、「赤めだか」「タイガー&ドラゴン」「どうらく息子」といった落語を題材とした作品が数多く制作され、寄席には若い女性ファン「らくこ」が連日押し寄せる。
本書では、江戸時代からの伝統・大衆芸能である落語について、一から知り、実際に足を運んで楽しむための入門書。何が面白い要素なのか、今聴いておくべき落語家は誰なのか、知っておくと“ 通”な専門用語などを、現役の落語家や漫画家、作家、認知科学者、社会学者などが多角的に紹介、分析する。
【インタビュー】
雲田はるこ(漫画家『昭和元禄落語心中』)
春風亭一之輔(落語家)
【執筆陣】
東京かわら版(寄席演芸専門情報誌)
壱岐紀仁(映画「ねぼけ」監督)
田丸雅智(ショートショート作家)
石井徹也(放送作家)
九龍ジョー(ライター・編集者)
太田省一(社会学者)
野村亮太(認知科学者)
伊藤毅志(認知科学者)
渡邉寧久(演芸コラムニスト)
広瀬和生(落語評論家・「BURRN!」編集長)…etc
メディア掲載
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「南日本新聞」(8/27号) 評者:「プチシネマ」主宰・下池奈津子
「まさに自分が感じていた落語の印象が裏付けられた」 -
「なごみ」(9月号)
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「東京人」(9月号)
「いまだかつてない新時代の落語入門書」 -
ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」
目次
Introduction 落語の現在地(佐藤友美)
Interview 入り口はすぐそこにある! どこが面白いの? 刺激的なの?(雲田はるこ 聞き手・矢内裕子)
Basic work 落語の基本(岸川明広・春風亭一之輔・石井徹也・金丸裕子)
1 そもそも「落語」とは
2 表現・仕草のいろは
3 しゃべりの芸
4 落語を聴く・見る
5 話題の落語会
Expanded work1 クリエイティブな広がり(田丸雅智・壱岐紀仁・九龍ジョー・金丸裕子)
1 ショートショートと落語の共通性
2 映画で落語の機微を描く試み
3 多メディア・他ジャンルとの融合
4 話芸スキルを生活に取り入れる
Expanded work2 社会、身体と知能の探求(太田省一・野村亮太・伊藤毅志)
1 落語家/笑いと社会の関係
2 認知科学で読み解く
3 AIとアイデンティティー
Style 先端の落語家スタイル10(広瀬和生)
柳家小三治/春風亭昇太/立川志の輔/立川談春/三遊亭白鳥/柳家喬太郎/立川談笑/春風亭一之輔/立川こしら/三遊亭粋歌
History 落語の歴史(渡邉寧久)
Q&A もやもやを解消する10の質問
なぜ周りが笑っているのかわかりません(広瀬和生)
「えー」ではじまるのはなぜ? 芝居のように「感情移入」していいの?(春風亭一之輔)
落語を聴いて得することってありますか?(佐藤友美)
落語家が多すぎて、誰から聞けばいいのかわかりません(佐藤友美)
最近増えていると言われる女性ファンの実態を教えて(佐藤友美)
「笑点」って落語なの? なぜ視聴率がいいの?(渡邉寧久)
寄席や落語会では、どの席がオススメ?(佐藤友美)
ミュージシャンに落語好きが多いって本当?(九龍ジョー)
知っているとちょっと威張れる落語用語を教えてください(石井徹也)
人生を変える落語ってありますか?(広瀬和生)
落語が聞ける場所
上野鈴本演芸場/浅草演芸ホール/末廣亭/池袋演芸場/国立演芸場/渋谷らくご(渋谷ユーロスペース)/神田連雀亭/西新宿ぶら〜り寄席/らくごカフェ/永谷お江戸日本橋亭/永谷お江戸上野広小路亭/永谷お江戸両国亭新宿永谷ホール(新宿Fu-)/横浜にぎわい座/天満天神繁昌亭/動楽亭/なんばグランド花月/大須演芸場 他
プロフィール
[著]
雲田はるこ(くもたはるこ)
漫画家。2008年、短編『窓辺の君』でデビュー。2010年より初の長期連載『昭和元禄落語心中』を「ITAN」(講談社)にて執筆開始。2014年第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第38回講談社漫画賞・一般部門を受賞。2017年手塚治虫文化賞の新生賞を受賞。同作完結後は三浦しをん原作の『舟を編む』をコミカライズ連載中。そのほかBL作品を多数発表。
春風亭一之輔(しゅんぷうていいちのすけ)
噺家。2001年春風亭一朝に入門。2004年11月二ツ目に昇進、2012年3月、21人抜きで真打昇進。得意ネタは『初天神』『鈴ヶ森』『青菜』など。国立演芸場花形演芸大賞など受賞多数。著書・共著に『一之輔、高座に粗忽の釘を打つ』『春風亭一之輔落語のたくり帖』『春風亭一之輔のおもしろ落語入門』(絵・山口晃)『春風亭一之輔のいちのいちのいち』(写真・キッチンミノル)など。
矢内裕子(やないゆうこ)
ライター、編集者。東京生まれ。出版社勤務を経てフリーランスに。古典芸能、日本の伝統文化を中心に執筆・編集を手がける。企画編集した本/蜷川幸雄『蜷川幸雄の稽古場から』、柳家喬太郎『落語こてんコテン』、三浦しをん『あやつられ文楽鑑賞』、萩尾望都『夢見るビーズ物語』など多数。
石井徹也(いしいてつや)
放送作家。1956年東京生まれ。麻布学園高校在学中の17歳から落語を聞き始める。早稲田大学落語研究会中退。81年から放送作家となり、『笑っていいとも』『知ってるつもり!?』などの構成に関わる。編著書に『十代目金原亭馬生 噺と酒と江戸の粋』『楽屋』『五代目小さん芸語録』など。
田丸雅智(たまるまさとも)
ショートショート作家。1987年愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒業。2011年、光文社文庫『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。著書代表作『海色の壜』など多数。
壱岐紀仁(いきのりひと)
映画監督、写真家。1980年宮崎県生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業、多摩美術大学修士課程修了。東北新社のCMディレクターを経て、写真家として神話伝承を現代に再構築した幻想世界を多数発表。映画では、初の監督作となる映画『ねぼけ』はモントリオール世界映画祭に正式出品された。現在、長編第2作を企画中。
九龍ジョー(くーろんじょー)
ライター・編集者。1976年東京生まれ。ポップカルチャーから伝統芸能まで幅広く執筆。文芸誌『文學界』で「若き藝能者たち」連載。著書に『メモリースティック ポップカルチャーと社会をつなぐやり方』など。編集を手がけた書籍も多数。
太田省一(おおたしょういち)
社会学者、著述家。1960年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士過程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドル、ネット動画など、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を続ける。著書に『中居正広という生き方』『芸人最強社会ニッポン』『ジャニーズの正体 エンターテインメントの戦後史』など。
野村亮太(のむらりょうた)
認知科学者。東京大学大学院教育学研究科・特任助教。1981年鹿児島県生まれ。九州大学教育学部卒業後、同大学院人間環境学府修士課程に進学。同博士後期課程を学位取得。専門は、落語の間、コミュニケーションとユーモア生成、個人の認識論。International Society for Humor Studies Graduate Student Award 2007受賞。監訳にロッド・A・マーティン著『ユーモア心理学ハンドブック』など。
伊藤毅志(いとうたけし)
電気通信大学情報理工学研究科助教。工学博士。1964年愛知県生まれ。北海道大学文学部行動科学科卒業、名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了。専門は認知科学、ゲーム情報学。共著に『認知心理学4 思考』『先を読む頭脳』など。コンピュータ囲碁フォーラム副会長。
広瀬和生(ひろせかずお)
落語評論家。1960年生まれ。レコード会社勤務を経て、1993年よりヘヴィ・メタル月刊音楽誌「BURRN!」編集長。著書に『この落語家を聴け!』『なぜ「小三治」は面白いのか?』『落語家という生き方』『談志は「これ」を聴け!』『噺家のはなし』『僕らの落語』など。
渡邉寧久(わたなべねいきゅう)
演芸コラムニスト、演芸評論家。1962年生まれ。夕刊紙文化部記者・次長、雑誌記者などを経て現職。東京新聞に「笑う神拾う神」、演芸情報誌「東京かわら版」に「演芸ノ時間」などを連載。監修著書に『落語入門』(成美堂)など。文化庁芸術選奨の選考委員、文化庁芸術祭の審査委員などを歴任。
金丸裕子(かなまるゆうこ)
ライター・編集者。得意分野は、落語・浪曲、作家もの、酒、街歩き。構成や編集を手がけた本に『黒田泰蔵 白磁へ』『お茶をどうぞ 対談 向田邦子と16人』『銅版画家 南桂子 メルヘンの小さな王国へ』『カコちゃんが語る植田正治の写真と生活』『作家の珈琲』などがある。
佐藤友美(さとうともみ)
演芸専門情報誌「東京かわら版」編集人。幼少の頃より古典芸能に親しむ。大学卒業後、演芸好きが高じて愛読していた「東京かわら版」編集部に入社、2004年より現職。新聞・雑誌・WEBでの執筆や、落語会の補助や審査も行う。国立演芸場専門委員。
岸川明広(きしかわあきひろ)
演芸専門雑誌「東京かわら版」編集部員。1977年生まれ。大学卒業後、「東京かわら版」編集部に入社。執筆、落語会企画・相談はじめ、落語に関連する多方面に従事している。
お詫びと訂正
P147「先端の落語家スタイル10」の扉下に、
筆者の広瀬和生氏の名前が抜けておりました。
広瀬氏、ご購読の皆様には謹んでお詫び申し上げ、ここに訂正いたします。