クリストファー・ノーラン作品、日本で初めての本格的分析本!
メメント、ダークナイト、インセプション、インターステラーまで、ノーラン映画の特徴である「嘘と真実」を軸に、全長編作品を徹底考察!!
これからのハリウッド映画を牽引する映画監督、クリストファー・ノーラン。彼の映画で外せないテーマである「フィクション」や「嘘と真実」を通して、全作品を読み解いていく。各作品において「嘘」がどのように中心的な役割を果たし、観客である私たちは、何に翻弄され欺かれ、ノーラン特有の巨大な「嘘」に巻き込まれていくのか。
そのようなノーラン映画の構造に着目し、虚構(嘘、仮想、夢、偽装など)を作り込むためにどのような仕掛けを施しているか、その映像と物語の展開の巧みさを、哲学や精神分析理論からも考察。ノーラン映画ファンはもちろん、哲学や精神分析学に関心のある方まで、読み応えのある1冊です。
気鋭の映画・メディア研究者、中路武士氏による詳細なノーラン作品解題も収録!
「映画研究や精神分析理論、とくにラカンとヘーゲルの研究者にとって、とても重要なテキストとなる」
「気取らず素晴らしく鋭い批評。ノーランの完全な読解と言ってもいい」
──米国内 書評より
メディア掲載
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「CINRA.NET」2017.05.27
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「キネマ旬報」(7月下旬号) 評者・南波克行
<真実に到達するための嘘>2017.07.05 -
「intoxicate」2017.08.20
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「図書新聞」 評者:田辺秋守
<ノーランの映画世界の基礎にあるものは>2017.08.31 -
「Time Line」(TOKYO FM)2017.09.04
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表象文化論学会『REPRE』31号2017.11.13
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「日本映画学会会報」第52号 評者・川村亜樹2017.11.27
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「ミステリマガジン」(2018年3月号)2018.01.25
目次
謝辞
イントロダクション 嘘の倫理学
第1章 真実という罠:『フォロウィング』と完璧な身代わり
第2章 『メメント』と知ろうとしない欲望
第3章 汚れた警官:『インソムニア』と犯罪捜査の技法
第4章 凡庸なスーパーヒーロー:『バットマン ビギンズ』の政治化されたリアリズム
第5章 『プレステージ』における創造の暴力
第6章 真のヒーローの外観:『ダークナイト』の必要な闇
第7章 『インセプション』における現実放棄の要請
結び 結果なき嘘
+第8章 『ダークナイト ライジング』:闇の騎士は本当に立ち上がったのか?
+第9章 反重力:『インターステラー』とフィクションによる場所からの離脱
原註
訳者あとがき
引用文献
クリストファー・ノーラン作品解題
索引
プロフィール
[著]
トッド・マガウアン (Todd McGowan)
バーモント大学准教授(The Fictional Christopher Nolan執筆当時)。文理学部英文学科フィルム&テレビジョン・スタディーズ課程で映画と文化理論を教える。著書に Out of Time: Desire in Atemporal Cinema (University of Minnesota Press, 2011)、The Real Gaze: Film Theory After Lacan (SUNY Press, 2007)、The Impossible David Lynch (Columbia University Press, 2007)など多数。
[訳]
井原慶一郎(いはら・けいいちろう)
鹿児島大学教授。専門は英文学、表象文化論。著書に映画学叢書『映画とイデオロギー』(共著、ミネルヴァ書房、2015年)、訳書にアン・フリードバーグ『ウィンドウ・ショッピング/映画とポストモダン』(共訳、松柏社、2008年)、同『ヴァーチャル・ウィンドウ/アルベルティからマイクロソフトまで』(共訳、産業図書、2012年)など。