〈サブテキスト〉という新たなポイントから脚本創作を指南。「見えない心情を表す」=「深みのある感情を描く」ためのメソッドを教えます。
映画脚本だけでなく、演劇、小説、マンガ、ゲームシナリオなど、すべてのストーリー創作者に役立つヒント満載。
初のサブテキスト論!
【サブテキストとは?】
登場人物のセリフや行動の裏に潜む、言外の意味のこと。セリフでは表されない人物の態度(感情・考え)。また、言葉として発話されるときは、「建前」と「本音」という場合の「本音」にあたるもの。
○ストーリー創作に行きづまっていませんか?
・物語の中で巧みな伏線が張れない
・登場人物の感情や行動にリアリティがない
・様々な解釈ができるストーリーにできない
・奥行きのあるセリフが書けない
→そんな悩みを解く鍵は「サブテキスト」にあった!
サブテキスト=「意味の水面下にあるもの」「行間にあるもの」を充実させることで、ストーリーやキャラクターに深みを与えることができます。本書は、サブテキストの特性を解説しながら、様々なサブテキストのパターンを紹介し、キャラクターの掘り下げ方や重厚なストーリーの描き方を提示する創作術です。
具体的に映画の中でサブテキストがどう表現されていて、どのように使われているのかということを、実際の映画脚本を多く引用しながら説明しているため、分かりやすく説得力があります。
ストーリーとキャラクター造形をさらに深めるための一歩先にいく創作術!
「リンダ・シーガーは、映画脚本のサブテキストという未踏の領域を、巧みな、魅力あふれる、洞察に富んだやり方で掘り下げていく。この本は、すべてのプロ脚本家、脚本家の卵、脚本家に憧れる者、ただたんに興味がある者の役に立つだろう。文句なしの良書である。」
──シド・フィールド「この本を読むまで、サブテキストをこんなに自分が使っていたなんて知らなかった。リンダ・シーガーの例示と実証は、何度でも読む必要がある。」
──アルヴィン・サージェント(アカデミー賞受賞脚本家)
目次
1章 サブテキスト──定義とその広がり
2章 言葉を通してサブテキストを表現する
──登場人物の情報と経歴
3章 言葉によってサブテキストを表現する技術
4章 身振りや行動を通してサブテキストを表現する
5章 イメージとメタファーを通してサブテキストを作り出す
6章 ジャンルを通してサブテキストを表現する
7章 脚本家アルヴィン・サージェント、サブテキストに思いを巡らす
8章 あとがき
プロフィール
[著]
リンダ・シーガー
ハリウッドで活躍する著名なスクリプト・コンサルタント。映画やテレビ番組を中心に、1981年から手がけた脚本は2千本以上におよび、ピーター・ジャクソンやレイ・ブラッドベリのアドバイザーも務めた。
また現在までに9冊の映画脚本に関する書籍を著し、米国アカデミー賞協会をはじめ、世界30ヵ国以上で脚本術の講義やセミナーを行っている。主な著書に『アカデミー賞を穫る脚本術』(フィルムアート社)、『ハリウッド・リライティング・バイブル』(フィルムアンドメディア研究所)などがある。
[訳]
坪野圭介
アメリカ文化・文学の研究および翻訳を行っている。東京大学大学院博士課程在学中。訳書にジー・リオン・コー『The Pillow Book/マクラノソウシ』(awai books)、共訳書にデイヴィッド・シールズ他『サリンジャー』(KADOKAWA/角川書店)、『アベンジャーズ』シリーズ(ヴィレッジブックス)などがある。