『スター・ウォーズ』には、フロイト
『ハリー・ポッター』には、アドラー
『スパイダーマン』には、ユング……
名作の〈鍵〉は心理学にあった!
名だたる心理学理論、神話の構造から、
物語を作るためのエッセンスを抽出
脚本家にとって、魅力的な物語を作り出すためには、まず「人間の行動」を理解する必要があります。本書では、心理学の基礎的な用語を、登場人物の人格(キャラクター)に当てはめて説明することからはじめ、そこからキャラクターの作り方や、プロットの設計を考えていきます。
読者は、人間の葛藤を深堀りすることで、より強度のあるシナリオを作成することが可能になるでしょう。また、フロイト、エリクソン、ユング、ジョーゼフ・キャンベル、アドラー、ロロ・メイの6名による理論は、心理学そのものへの造詣を深め、映画鑑賞の視野も広がる内容となっています。
脚本家、映画ファンはもちろん、小説家、アニメーター、ゲームクリエイター必携の1冊。
《本書で引用される映画作品》
『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』『ロリータ』『ワーキング・ガール』『わらの犬』『用心棒』『レイジング・ブル』『ローズマリーの赤ちゃん』『ヨーク軍曹』『ロッキー』『リオ・ブラボー』『理由なき反抗』『ミイラ再生』『メメント』『三つ数えろ』『民衆の敵』『メトロポリス』『許されざる者』『魔人ドラキュラ』『真昼の決闘』『マルコムX』『マンハッタン』『北北西に進路を取れ』『フランケンシュタイン』『ブギーナイツ』『普通の人々』『ブルーベルベット』『羊たちの沈黙』『ビッグ・リボウスキ』『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』『博士の異常な愛情』『白熱』『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』『透明人間』『トイ・ストーリー』『ドラッグストア・カウボーイ』『特攻大作戦』『ダーディハリー』『断崖』『セルピコ』『スパルタカス』『スイミング・プール』『市民ケーン』『ジョーズ』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『狩人の夜』『カリガリ博士』『エリン・ブロコビッチ』『ウディ・アレンの重罪と軽罪』『アニー・ホール』など
目次
イントロダクション
Part1 ジークムント・フロイト (Sigmund Freud)
「葛藤」がキャラクター作りのインスピレーションになる
第1章 エディプス・コンプレックス
第2章 神経症的葛藤
第3章 性心理の発達段階
第4章 自我防衛機制
第5章 夢の仕事
Part2 エリク・エリクソン (Erik Erikson)
「アイデンティティの危機」が物語を作る
第6章 規範葛藤
第7章 アイデンティティの危機とその向こう
Part3 カール・ユング (Carl Jung)
「集合的無意識」こそが創造の源泉
第8章 元型のキャラクター
第9章 元型のプロット
Part4 ジョーゼフ・キャンベル (Joseph Campbell)
「英雄の旅」を心理学で考える
第10章 千の顔を持つ英雄
第11章 ヒロインの旅
Part5 アルフレッド・アドラー (Alfred Adler)
子供主人公の成長と葛藤を描くには?
第12章 劣等コンプレックス
第13章 兄弟のライバル関係
第14章 ライフスタイル
Part6 ロロ・メイ (Rollo May)
「私はなぜ存在するのか?」実存的な問いかけを脚本に
第15章 実存的葛藤
第16章 ナルシズムの時代のための元型
結論
作品インデックス&ビブリオグラフィ
プロフィール
[著]
ウィリアム・インディック (William Indick)
ニューヨーク大学において、心理学の学士号(1993年)と音楽療法の修士号(1996年)を取得した。特殊教育の教師とクリエイティヴ・アート・セラピストとして働いたのち、コーネル大学で発達心理学の博士号を取得(2001年)。インディック博士は脚本家、作家、脚本術のコンサルタントとして活躍中で、さらにニューヨーク州、オークデールのダウリング・カレッジの心理学の助教を務め、以下のような講座を担当している。「映画における心理学」、「西部劇」、「映画におけるアイデンティティ」、「個のアイデンティティの構築」。また近刊に“Analyzing Film: Revealing the Psychological Symbolism in Movies”がある。