アートの“本質”を身につけるための発想とは何か。
作り、観て、深く感じるための方法が満載!
歴史上の名画や現代美術の作品を例に、アートの「核心」をコンパクトに伝授。表現形式、素材の選び方、構図の作り方とともに、何をどう観たらいいのか、知っておくべきアートの基本を理解できます。登場するアーティストの数々の箴言からは、アートによる発想の豊かさを日常に取り入れるためのヒントが満載。
アートを社会的/政治的/美学的にさまざまな方向性から偏りなく捉えているため、「個人と美術」「世界と美術」との関係を見つめ直すきっかけとなり、すべての現代人に刺激をもたらします。
美術系学生からアーティスト、キュレーターまでアートに関わる方々はもちろん、もっと深くアートを知りたい人、発想が求められる企画職などに携わるビジネスパーソンにも示唆を与える一冊です。
アートの探求から学ぶことは、私たちが経験から学ぶことのほぼ全てに通じています。アートは人生と別物ではなく、私たちの人生を描き出すものだからです。したがって、この本はアートと、アートが私たちの人生を豊かにすることに関心のある全ての人に向けられています。
(中略)
アートはどこにでもあります。アートを作り、鑑賞し、分析する方法は常に変わり続けています。本書ではアートのこのような絶え間ない変化と適応に焦点を当てています。制作や表象に関わる項目もありますが、多くは考え、調べ、疑うことの必要性を説いたものです。
(中略)
アーティストは心理的、美学的、政治的、そして情念的な断片を集めて形を与え、意味を与えるのです。これにはスキルと鍛錬、賢さと観察眼をもって実践を続けることが大事です。しかし正しい道具立てがなければ、それは網で空気を捕まえるようなものです。アートスクールの学生にとって、モノに形を与える基本的な技術は思考を具体化するのに大いに役立ちます。──著者 キット・ホワイト(まえがきより抜粋)
プロフィール
[著]
キット・ホワイト(Kit White)
ニューヨーク市を拠点に活動しているアーティストで、同市ブルックリンのプラット・インスティテュート修士課程で准教授を務める。ハーヴァード大学で美術を学んだのち、ニューヨークをはじめ世界各地で個展を開催してきた。作家のアンドレア・バーネットは妻で、一人の娘がいる。
[訳]
村上華子(むらかみ・はなこ)
東京大学文学部卒、東京芸術大学大学院映像研究科修了。ベルギー政府給費留学を経て現在パリ第8大学造形学部博士課程在学中。越後妻有トリエンナーレをはじめ、フランス、レバノンでも作品を発表している。共訳書に映画監督M・フィギスによる『デジタル・フィルムメイキング』(フィルムアート社)がある。