「支援」から「SHIEN」へ
──新しい時代の問題解決法!
新しい時代の到来ととともに、新しいパラダイムに合った生きかたや、働きかたが求められています。
「競争社会から決別し、利益をあげながらも、社員が豊かで安心できる働きかたへ」 「互いに不満を持つのではなく、同じヴィジョンに向かい尊敬し合う働きかたへ」
本書では、従来の「支援」ではなく「SHIEN」という言葉をもとに、対等感の中で、新しい価値を生みだすことを提案します。他者を大事にする考えかた(=利他性)を軸に行動を起こすこと。重なりのなかったところに重なりを作り、「してあげる」と「してもらう」行為を交換すること。
一人ひとりの新しい働きかたを見つけるために、関係性を高め合う「SHIEN」の精神を実践してみませんか。
■「あなたが他者に与えれば、社会があなたを幸せにする。
SHIENとは不思議な生き方だ」 ──資生堂名誉会長 福原義春
■ 影山知明、服部みれい、望月智行/対談収録
目次
はじめに
序章 支援とSHIENの違いとは
基本ワード解説――SHIEN学がよくわかる4つの言葉
第1章 【基礎編】SHIEN学入門ーSHIENが主役の時代へ
1 必然で生まれたSHIEN学とその背景
SHIENが生まれたわけ
閉塞感いっぱいの社会で
競争の時代は終わった
奇跡的大復活劇の体験
パラダイムシフトの芽生え
閉塞感から解放されるためのSHIEN学
自動車会社には、20世紀社会の縮図がある
リザパラの時代とプロパラの時代の違い
なぜ管理は生まれたのか
物質の豊かさから、心のつながりの時代へ
プロセスパラダイムの時代になると
プロセスパラダイムで社員が変わる
プロセスパラダイムは「心」の時代
リザパラはプロパラの母体
N社のプロパラへの移行
部門間を越えたSHIENがはじまる
SHIENは自然発生した
2 新しい時代の新しい問題解決法
してもらう/してあげる能力を高める
思いも寄らない「解」が浮かぶ
お互いの力を引き出し合おう
相手に弱みを見せてみる
テクニックでなく、「関係性」
よい質問をする、よく褒める
エンパシーを高めよう
重なりのないところに重なりをつくる
N社を再生したチームとは?
第3スペースにジャンプしよう
新しいリーダーのありかた
天分に出合う
天分で仕事をする時代
自分の天分の見つけかた
相手の天分を一緒に立ち上げよう
自分を立ち上げるために
本質が問われる時代に
幸せの意味を考える
お金の価値について考えよう
3 SHIENさえ必要としない未来へ
コーズパラダイムの時代へ
プロパラの未来型は?
シンクロニシティが起こる瞬間
持続可能な社会とは?
拡大成長型企業の末路
長寿企業に未来のヒントが
新しい働きかたの時代へ
働きかたが変わってくる
ON/OFFが混在する自由
◎インタビュー SHIEN学とわたし 1 東野翠れん(フォトグラファー、モデル)
第2章 【対話編】豊かなSHIENの実践
社会とSHIEN学 影山知明(NPOコレクティブハウジング社代表理事、クルミドコーヒー店主)
女性とSHIEN学 服部みれい(文筆家、『マーマーマガジン』編集長)
組織とSHIEN学 望月智行(川越胃腸病院院長)
◎インタビュー SHIEN学とわたし 2 竹川亮三((元)ケンウッドデザイン社長、日本感性工学会理事)
第3章 【応用編】SHIENの未来を考える
問題とSHIENの関係
「本当の自分」を立ち上げる
SHIENは自然や食を大切にする
SHIENマネジメントとは?
天分にコミットする
幸せにコミットする
シンクロニシティが起こるわけ
新しい科学の可能性
これからの世界と日本の天分
■ 特別付録 SHIENを体感し、体得するためのワークショップ
おわりに
プロフィール
[著]
舘岡康雄(たておか・やすお)
東京都生まれ。東京大学工学部応用化学科卒業。日産自動車中央研究所材料研究所に入社し、研究開発部門、生産技術部門、購買部門、品質保証部門を経て、人事部門で日産ウェイの確立と伝承を推進。現在は、静岡大学大学院教授。博士(学術)。
1996年から、プロセスパラダイム、コーズパラダイムを提唱し、SHIENに関するワークショップや講演活動を展開。2005年にはSHIEN研究会、2009年には天分研究センターを設立し、現在活動中。ABEST21専門審査委員、顧客ロイヤルティ協会顧問、山城経営研究所コーディネーター、ビジネスブレークスルー大学大学院客員研究員。主な著書『利他性の経済学:支援が必然となる時代へ』(新曜社)。