ヨーロッパで静かな感動を呼んだ、文字のない音楽の絵本
音楽から生まれる友情をテーマに、鉛筆デッサンで繊細に描かれた本書は、テキストのない作りで読み手の想像力を刺激する一冊です。
舞台になっているのはパリのアパートメントのある一室。隣の空き部屋に新しい住民が来るのを待っている男の子は、ひとり窓辺でヴァイオリンを練習する。やがて隣の部屋に女の子が引越してきて、二人の間に音楽を通した交流がはじまる……。
音楽を通して、二人が見た風景とはなにか?
この本では「音」という「目に見えないもの」を、詩情豊かなイラストによって視覚化し、言語にする以前のイメージの伝達を鮮やかに切り取ってみせます。あらたなコミュニケーションのあり方が模索される現在、そのメッセージは、文字がまだ読めない小さな子どもから大人まで、多くの方に訴えかける内容です。
■「どうか、この美しく小さな絵本が、地球上のすべてのお隣さんたちの心を動かしてくれますように!」──フランク・ブラレイ(ピアニスト)
■小冊子「『おとなりのおんがくか』によせて」付き
小沼純一、和合亮一、しまおまほ、大林宣彦、枡野浩一、しりあがり寿、ほか豪華執筆陣!
大林宣彦
Nobuhiko Obayashi
映画作家
想像力があれば、音楽が聴こえてくる。
想像力があれば、隣の人と仲良くなれる。
想像力があればこそ、
世界は愛で繋がる。
穏やかなあしたを創造するために、
ちょっとこの本を手に取ってみましょうか。枡野浩一
Koichi Masuno
歌人
書いたり描いたりする仕事には
時に孤独が必要です。
音楽は一人でも大勢でも作品をつくることができる。
一度に大勢が同じ空間で作品を味わうことができる。
そのことの楽しさ美しさを表現した一人の作り手のもの、
孤独と情熱に思いをはせつつ
楽しく読んだ一冊です。しりあがり寿
Kotobuki Shiriagari
漫画家
これって絵? ものがたり? それとも音楽?
読んで良し、眺めて良し、持って良し、聴いて良し!
もし、となりの人が同じ本持ってたら…♪
窓を開けるのが楽しみになるのだ。しまおまほ
Maho Shimao
漫画家
電車や車の中からいろんな窓を見るのが好き。
誰かさんが送っている生活のほんの一部を
おすそ分けしてもらってるみたい。
向こうもこちらを見ていると、
目が合った一瞬だけ仲間になったような気分。
いつか会いましょう。
いつかお話ししましょう、窓から見てる誰かさん。
プロフィール
[著]
渋谷純子(しぶや・じゅんこ)
1969年兵庫県生まれ。武蔵野美術大学短期大学部生活デザイン学科卒業。絵本作家・グラフィックデザイナー・イラストレーターとしてフランスのパリで活動している。著書に『À quoi ça rime? La nuit d’un nain malin』(Autrement/2012)、本作の原版『Les voisins musiciens』(Autrement/2011)など。
www.junkoshibuya.com