かくも素晴らしく、奇妙で、エグい。
“オペラ”の魅力は無限大! 愛と欲望の「色恋♡オペラ」入門!
オペラというとクラシックでとっつきにくい……なんて先入観は間違いです!
純愛、色事、愛憎、エロス、嫉妬、策略、殺人、裏切り……
女子目線からオペラの世界をひもといてみると……そこは、色恋の業火に焼かれた恋人たちの死屍累々のパノラマ。男と女、ふたつの生き物が抱く真理と核心が存分に描かれた、深淵なる哲学がそこには広がっているのでした。
オペラ初心者でも、きっとオペラが観たくなる!男女の業を軸に読み解く、これまでにないユニークな「色恋♡オペラ」入門書です。
■オペラを知らなくても面白く読める、新しいオペラの楽しみ方!オペラ作曲家10人、現代のキーパーソン7人、各種コラムなど、ユニークなコンテンツも充実!
オペラという演劇世界では、恋のスリルも現実以上に過激になり、
起こる悲劇も度を越したものになります。
血が流れ、首が飛び、ハートと四肢が粉々になる……。
しかしながら、オペラはオンナ脳とオトコ脳の間に流れる深い川をつなぐ橋として、
教育的な側面を持っているのです。 ──本書「はじめに」より
目次
■prologue はじめに
オペラと恋愛。この因果なるもの。
■1 オペラって楽しい!
ポップミュージックのような名作
『フィガロの結婚』 てんやわんやの愛を描いて大ヒット!
『愛の妙薬』 純情男の恋の大逆転ロマン
■2 サディスト、破廉恥、エロス。
人間の欲望はおそろしい
『トスカ』 オペラの濃い口メロドラマ
『カルメン』 人類最強の「雌」の激情的恋愛
『ドン・ジョヴァンニ』 「超人的悪漢」から考える人間哲学
■3 オペラの神様はサディスト!?
かわいそうなヒロインたち
『トゥーランドット』 女のプライドとは何ぞや?
『ラ・ボエーム』 芸術家たちのビタースウィートな青春
『蝶々夫人』 大和撫子の愛とプライド
■4 愛する二人は止められぬ
宿命の愛の炎めらめら
『トリスタンとイゾルデ』 まぶしい愛の閃光は宇宙の神秘
『ロミオとジュリエット』 若い二人が出会い、運命が渦を巻く!
■5 あわれ彼女は娼婦
『椿姫』 悲劇フラグのフルコース
『タイス』 愛した女は娼婦。修道僧の恋の罪
『マノン』 美しすぎる少女の破滅
■6 男の孤独。女の孤独。
『ホフマン物語』 愛した女は夢の中。孤独な男の恋
『アンナ・ボレーナ』 憂鬱と無常観…女王の孤独
『ばらの騎士』 「理性的な女性」の切ない孤独
♥オペラの作曲家10人
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ガエターノ・ドニゼッティ
ジャコモ・プッチーニ
ジョアキーノ・ロッシーニ
ジュゼッペ・ヴェルディ
ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー
ジョルジュ・ビゼー
リヒャルト・ゲオルク・シュトラウス
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
♥オペラのキーパーソンたち
#1 マリア・カラス
#2 アンナ・ネトレプコ
#3 エリーナ・ガランチャ
#4 トーマス・ハンプソン
#5 ヨナス・カウフマン
#6 フアン・ディエゴ・フローレス
#7 ペーター・コンヴィチュニー
♥コラム
ズボン役の魅惑
野次とブーイング
「初演」の失敗
イタリアオペラはすごいんです
オペラに恋するロック
テノールとバリトン
オペラ・ヒロイン12星座
■epilogue おわりに
プロフィール
[著]
小田島 久恵(おだしま・ ひさえ)
岩手県生まれ。岩手大学教育学部特設美術科卒。高校時代から投稿ライターとして参加していた『rockin’on』誌で2年間編集を務めたのちフリーのライターに。ロック・ポップスを中心に、映画、舞踊、演劇についてのコラムや評論、インタビューを執筆。2000年頃からクラシック評論の執筆を開始。ピアニスト、ヴァイオリニスト、声楽家、指揮者、オペラ演出家への取材を行う。2007年4月〜2009年3月までインターネット・ラジオのクラシック番組『OTTAVA amoroso』のパーソナリティを担当。著作に『クラ女のショパン』(河出書房新社刊 室田尚子・山口眞子両氏との共著)。作家のよしもとばなな氏&故・岡本敏子氏の対談本『恋愛について、話しました』(イーストプレス刊)の構成も担当する。女性と恋愛についてのコラムもブログなどで発表。複数の女性誌において占い師(ペンネーム)としても執筆中。水瓶座。