「ブレイク・スナイダー・ビート・シート」、「10のジャンル」、「ログライン」などの画期的な創作論を確立し、物語創作の世界的ベストセラーとなった脚本術『SAVE THE CAT !』がついに邦訳!!
映画脚本家志望はもちろん、小説家、漫画家、アニメ、TPRG、ゲームなどあらゆるジャンルの物語創作者必読の一冊!
「小難しい脚本術の分析書はいらない。シンプルで、しかも本当に大手映画会社が買ってくれる脚本を書くための最低限のコツを教えてくれ!」そんな読者に、目からうろこの超実践的脚本マニュアルが本書。
ハリウッドに蓄積するストーリーのDNA[法則]。脚本とは芸術であり、科学でもある。科学である脚本を支配するこの法則は、不変のものなのだ。
学者の難解な分析本とは一線を画し、業界を知り尽くした筆者が、メジャーで売れる脚本の法則を簡潔に語りおろします。ジャンル、プロット、構成、販売戦略、キャスティングなど、基本要素を踏まえながらも、誰も教えてくれなかった黄金法則は、驚くほど実践的。映画だけでなくテレビや舞台など、ストーリーを扱う全ての人が必読です!
[序文]
シーラ・ハナハン・テイラー
Zide/PerryEntertainmentの企画制作部長/プロデューサー。「アメリカン・パイ」三部作、『へルボーイ』、『キャッツ&ドッグス』、『ファイナル・デスティネーション』、『デッドコースター』他多数の作品に参加。UCLAのプロデューサーズ・プログラム(大学院)客員准教授本書のどのページをめくっても思う。ブレイク・スナイダーの薦めるアイデア、ヒント、ツールはすべて、私が映画をプロデュースするときに、二重、三重のチェックのために使っているものだなあ!と。それに、誰にでも理解できて役に立つ本――全くの初心者から現役のプロデューサーまで――だってことも素晴らしい。そんな本はなかなかないのだ!
本書『SAVE THE CATの法則』(SAVE THE CAT! The Last book on Screenwriting You’ll Ever Need)を有名な脚本家たちにも、失礼のないように読んでもらう方法はないかと私はいつも考えている。ベテランであっても、この本には参考にすべき点がたくさんあるからだ。正直、もっと脚本家がブレイクのアドバイスどおりに書いてくれたら・・・・・・と思う。そうすれば週末、何本も脚本に目を通す私の作業はずっと楽になるだろうし、脚本はもっと売れて、映画化されるはずだ。ストーリーテリングの本質を理解した新人の脚本家を発掘したり、すでにあるアイデアを脚色できる脚本家探しも楽になるはずだ(ねえ、ブレイク。でも本当にこの本出版しちゃっていいの? みんなが読んだら、ライバルが増えるだけよ!)。
私はずっと探していたのだ。映画会社の重役がよく挙げる〈成功作〉の例(『デンジャラス・ビューティ』、『ダイ・ハード』、『キューティ・ブロンド』、『サイン』など)を使ってその舞台裏を覗き、ジャンル・プロット・構成・販売戦略・キャストなどについて説明してくれる本を。しかも新人でもベテランでも理解でき、役に立つような本を・・・・・・。それがまさに本書なのである。ハリウッドのプロデューサーや映画会社のお偉いさんが使う秘密の言語をわかりやすく教えてくれるベルリッツのガイド本みたいなものだ。小切手を切る側の人間がどう考えているのかがわかれば、成功に一歩を近づけるのはまちがいない。
大げさなことを言うつもりはないが、わが社(Zide/PerryEntertainment)――新人の脚本家を発掘して育てる最高の場所――では、ブレイクのアドバイスと同じことをいつも脚本家に言っている。自分の作品と同じジャンルの映画を見て、重要なビートに分解してみなさいとか、主人公は誰でポスターは何を表しているか考えなさいとか、似たような映画を分析すればストーリーテリングの王道が理解できるとか・・・・・・。だから初めてこの本を読んだとき、ブレイクが6年くらいわが社に潜入して私たちの会話を聞き取り、この一冊にまとめたんじゃないか? と思ったほどだった。
私の経験からいって、本書のアドバイスに従えば必ずうまくいく。この脚本術を使ってプロになった脚本家やプロデューサーは、挙げればきりがない! まさにブレイクのおかげなのだ。役に立つテクニックやルールを、効率よくウイットに富んだ形で、この本にまとめてくれたからだ。それに、うまい状況説明と同じように、ブレイクの文体が明るくて楽しいので、自然とアドバイスが頭のなかに入ってくる。気がついたら全部読み終わっていて、多くを学び、しかも次の脚本に取り組む勇気すらみなぎってくる。
また、本書は脚本術をビジネスという視点からとらえている部分が、とても重要だし画期的だと思う。この業界で成功するには、アートとビジネスのバランスをうまく取ることが不可欠だ。まさに『SAVE THE CATの法則』はそれを行なっている!
本書は、貴重な脚本のコレクションとともに、必ず本棚に置いておくべき一冊だ。そう、シド・フィールドの本のすぐ隣に。売れる脚本を書くための構成や戦略について見直したいときには、すぐに手にとって読めるように。
最後にひと言。私もこれまで脚本の書き方に関するものは何冊も読んできた。けれどもUCLAの授業で必読書扱いにしてほしいと大学側に頼んだ脚本術の本は、これが初めてである。映画業界にほんの少しでも興味のある人は、ぜひこの『SAVE THE CATの法則』を読んでほしい!
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目次
1章 どんな映画なの?
最高のログライン/皮肉はあるか?/イメージの広がり/観客と製作費/パンチの効いたタイトル/ログラインを試してみる/テスト・マーケティングはこんな感じ/ハイ・コンセプトの死/まとめ/練習問題
2章 同じものだけど、ちがった奴をくれ!
どんな映画に……一番似ている?/家のなかのモンスター/緊張感はどこにあるんだ?/金の羊毛/魔法のランプ/難題に直面した平凡な奴/人生の節目/バディとの友情/なぜやったのか?/バカの勝利/組織のなかで/スーパーヒーロー/ハリウッドの、ずるい秘密/まとめ/練習問題
3章 ストーリーの主人公は…
ストーリーの主人公は誰か?/ログラインを膨らまそう/原始的な動機はあるか?/主人公の配役/俳優の典型的な役柄/特殊なケース/あくまでもログラインに忠実に/まとめ/練習問題
4章 さあ、分解だ!
構成、構成、構成……/オープニング・イメージ(1)/テーマの提示(5)/セットアップ(1~10)/きっかけ(12)/悩みのとき(12~25)/第一ターニング・ポイント(25) /サブプロット(Bストーリー)(30)/お楽しみ(30~55)/ミッド・ポイント(55)/迫り来る悪い奴ら(55~75)/すべてを失って(75)/心の暗闇(75~85)/第二ターニング・ポイント(85)/フィナーレ(85~110)/ファイナル・イメージ(110)/まとめ/練習問題
5章 完璧なボードを作る
ボードのマスター/最初のカードは……/重要なターニング・ポイント/カードの書きすぎとブラックホール/どうしても軽めになっちゃう第三幕/色分け/余分なカードを削る/+/-と〉〈/旅立ちのとき……/章の最後に/私の最終兵器/まとめ/練習問題
6章 脚本を動かす黄金のルール
SAVE THE CAT!/《危機一髪 猫を救え!》なのだ。/プールで泳ぐローマ教皇/魔法は一回だけ/パイプの置きすぎ /黒人の獣医(別名:マジパン多すぎ)/氷山、遠すぎ!/変化の軌道/マスコミは立ち入り禁止!/まとめ/練習問題
7章 この映画のどこがまずいのか?
主導権を握るのは主人公だ/セリフでプロットを語っていないか?/悪い奴はひたすら悪く/回転、回転、回転/カラフルな感情のジェットコースター/「やあ、元気?」「うん、元気だよ」/一歩戻って/松葉杖と眼帯/原始人でもわかるか?/まとめ/練習問題
8章 最後のフェード・イン
野望VS運命/下準備/神経を擦り減らす/最初のコンタクト/ネットワーク作り/逆にやってはいけないこと……。/プレゼンの成功例・失敗例なるようにしかならない
用語解説
訳者あとがき
プロフィール
[著]
ブレイク・スナイダー(Blake Snyder)
“ハリウッドで最も成功した競売向け脚本家の一人”である。彼が大手映画会社に売った脚本のうち2本は200万ドルの値がつき、そのうちの1本はスティーヴン・スピルバーグが購入した。すでに2本が映画化されている。
業界を知り尽くしたスナイダーならではの、明快で核心をついた脚本メソッドを集成した本書『Save the Cat! The Last Book on Screenwriting You’ll Ever Need』はオンライン書店、米国アマゾンの脚本術部門で第1位を維持し、多くの読者の支持を受けている。