“ヌーヴェル・ヴァーグの先駆者” ”自主製作で映画の新たな可能性を切り開いた最初の映画作家” メルヴィルの軌跡がここに蘇る!
『海の沈黙』『サムライ』『影の軍隊』『仁義』……クールでストイックなその作風でタランティーノ、ジャームッシュ、ジョニー・トー、北野武ら個性的な映画作家に影響を与え続けるJ=P・メルヴィル。これまでの彼を巡る言説と作品そして時代背景を読み込んだ”映画クリエイター”メルヴィルの全体像!
「(セルジオ・)レオーネが西部劇で成し遂げたことを、
メルヴィルは犯罪映画で成し遂げた」
ーークエンティン・タランティーノ「メルヴィルは香港のアクション映画に多大なる影響を与えている。
現代的なヒーローたち、ロマンチズム、そしてそのスタイル、
メルヴィル映画の革新的な部分が香港映画に溶け込んでいる」
ーージョニー・トー
目次
1ーージャン=ピエール・メルヴィルが生きた時代
2ーー小説の忠実な映画化とは何か
『海の沈黙』
『恐るべき子供たち』
3ーーヌーヴェル・ヴァーグ前夜
『この手紙を読むときは』
『賭博師ボブ』
『マンハッタンの二人の男』
4ーー知られざる文芸映画
『モラン神父』
『フェルショー家の長男』
5ーーフィルム・ノワールーー男たちの絆
『いぬ』
『ギャング』
6ーー対独レジスタンスの神話と現実
『影の軍隊』
7ーーアラン・ドロン三部作
『サムライ』
『仁義』
『リスボン特急』
8ーー自主独立の映画作家ーーいまなぜ、メルヴィルか
プロフィール
[著]
古山敏幸(ふるやま・としゆき)
1954年、神戸市生まれ。同志社大学文学部卒業。
1981年、オリジナル脚本「雷鳴のきざし」で新人脚本家を対象にした城戸賞を受賞。
著書に『黒澤明の作劇術』(フィルムアート社刊)がある。