マボロシの雑誌、『季刊フィルム』『芸術倶楽部』一挙解凍!!
60年代・70年代という、「カルチャー」がいちばん熱かった時代を読み解くバイブルです!
1968年から1974年にかけて刊行されていた、知る人ぞ知る幻の雑誌、『季刊フィルム』『芸術倶楽部』に掲載された、荒木経惟、赤瀬川原平、寺山修司、横尾忠則、森山大道、中平卓馬、足立正生、桑原甲子雄、杉浦康平、篠田正浩、大島渚、磯崎新、高松次郎、高橋悠治、松平頼暁、湯浅譲二、宮井陸郎、武満徹、松本俊夫、粟津潔、飯村隆彦、中原佑介、今野勉etc…といったそうそうたる執筆陣たちの若き日のテキスト/座談会/インタビューを、よりすぐって1冊にアーカイヴ化!
序文・四方田犬彦
★創業40周年記念★「季刊フィルム」コレクション
1960年代の終わりの東京。映画、映像、写真、建築、アート、音楽、演劇etc、
ジャンルを越えた芸術家や批評家、そしてその卵たちが、「表現」ををめぐる無償の対話を無数に重ねていた時代。
ジャンルを自由自在に横断し、巻き込み、巻き込まれながら、“芸術の前衛”を手さぐりで模索し続け、そしてそれはいつしかある種の運動体となって、『季刊フィルム』『芸術倶楽部』という雑誌として結実した。
1968年~1974年にかけて刊行された、現在では知る人ぞ知る幻の雑誌となっているこの2誌が、“ベスト・セレクション”として書籍化、いま、甦る!
大ボリュームの400ページ、資料的価値も高く、森山大道のインタビュー「“末期の目”でなく“記憶の目”」や、高橋悠治が構成した「トランソニック・シンポジウム」のほか、『季刊フィルム』名物(?)・長尺座談会など、本書が初の単行本収録となった貴重な記録が満載! 図版多数!
四方田犬彦による序文、抜粋
「……一冊の雑誌はもっとも幸福な場合、創刊されたとき、それに喚起された一群の読者を創造する。やがて彼らは雑誌に投稿を開始し、投稿はやがて寄稿となって文化の運動を継承してゆく。こうした現象の典型的な例がここにはある。わたしや中条省平の世代にとって、すべては『季刊フィルム』から始まったのだ。」(「世界の迷路のなかで」より)
目次
世界の迷路のなかで─序文にかえて=四方田犬彦
第1部 ラディカル 60’sの海へ──整理されない全く混沌とした無限に多様な形式で芸術をとらえる
作品ノート◎[書を捨てよ町へ出よう]=寺山修司
複々製に進路を取れ=赤瀬川原平
複写の気持=荒木経惟
鼎談◎複写時代の仕事=寺山修司・横尾忠則・高松次郎
インタヴュー◎“末期の目”でなく“記憶の目”=森山大道
知覚における実験=飯村隆彦
座談会◎未来と向きあっているもの〈技術・思想・表現〉=磯崎新・武満徹・松本俊夫・宮井陸郎
第2部 文化の乱反射のなかに身をおいて──自らの肉体をさらしながら開放された感覚で世界を反転させる
対談◎南方との対話=杉浦康平+武満徹
隙間が気になる=粟津潔
対談◎[儀式]の周辺=大島渚+武満徹
まったくのゆきあたりばったり=中平卓馬
半世界─受け手の表現 イントロダクション=解説・寺山修司
アリアドーネの法則〈半世界・表現カタログ集〉=寺山修司
撮られ方の歴史〈日本写真反面史〉=桑原甲子雄
第3部 芸術の果て、表現の彼方──芸術は残してきた故郷にヘソの緒でつながっている
シンポジウム◎音楽の新しい方向〈トランソニック・シンポジウム〉=構成・高橋悠治
事物と記憶=中原佑介
座談会◎言語と映像をめぐって=粟津潔・飯村隆彦・武満徹・中原佑介・松本俊夫
個人映画についての十二の断想=松本俊夫
座談会◎表現を廃棄しうるか?=粟津潔・足立正生・今野勉・篠田正浩
註
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