ジャンルを超えた実践で感性革命を目指し世界を駆抜けた芸術運動「フルクサス」。全世界に衝撃を与えた、カルチュラル・アート革命の全貌を、今に残る関係者が証言!
「超ジャンル、プロセス、偶然性」
60年代に欧米化各地で展開された芸術運動「フルクサス」。 その伝説的ムーヴメントを生きた作家の証言。 全世界に衝撃を与え、今も続くカルチュラル・アート革命の全貌とは!?
目次
00 フルクサスとは何か
フルクサスの歴史/創始者ジョージ・マチューナスの人生/フルクサスの十二の基準/フルクサス精神は今も
01 今もフルクサスは生きている
ドイツでの四〇周年祭/看板に寄せたメッセージ/ジェノヴァ、パリでの四〇周年祭
音による似顔絵《フルクサス組曲》/オランダ、アメリカでの四〇周年祭/ベン・パターソンの七〇歳記念ツアー/ジーベックでの演奏会/ギャラリー360度での《オペラ三部作》/ベン・パターソンのオークション/フルクサスは終わったのか?
02 フルクサス以前~「グル-プ・音楽」の時代
大学での出会い/リラックスのエクササイズ/「グル-プ・音楽」結成/デビュ-・コンサ-ト/ポーリン・オリヴェロとの共演-三〇年の違い/アクション・ミュ-ジックへの移行/惨敗したテープ音楽/失敗の先に見えたもの
03 フルクサスとの遭遇
パイクの取り持つ縁/マチューナスが買った《エンドレス・ボックス》/ニューヨークのフルクサス本部/ディナー・コンミューン/バーンスタインにお絞りを/ジョナス・メカス/ディック・ヒギンズとアリソン・ノウルズ/ピーター&バーバラ・ムーア/芝生の上のジョージ・ブレクト-/アル・ハンセンのハプニング/ラ・モンテ・ヤングの音楽/詩人ロベール・フィリウ/「パーペチュアル・フルックス・フェスト」/「マンデイ・ナイト・レター」/マチューナスとの亀裂/《スペイシャル・ポエム》の開始/ジョルジ・リゲティとの邂逅/九つのグローバルなイヴェント/《スペイシャル・ポエム》はメール・アートか?/マチューナスによるエディション
04 日本での挑戦
イヴェントの可能性を追求する/草月「ハプニング・コンサート」/イヴェントのなかの言葉の機能/インターメディアの概念/「インターメディア・アート・フェスティヴァル」/「クロス・トーク/インターメディア」/音楽への回帰/「再現・草月アートセンター」/前衛の役割とは?/「東京の夏・世界の女性作曲家」/女性の原理/音楽の色気/テクノロジーへの関心/フラクタル理論の応用
05 九〇年代、欧米でのフルクサス・フェスティヴァル
「ウビ・フルクサス・イビ・モートゥス」/二五年ぶりの再会/パフォ-マンス風景 《ジョージ・マチューナスへの鎮魂曲》/「フルクサス・ヴィ-ルス」/ベン・ヴォーティエのエゴの問題/日本人の三作品/パフォーマンスとジョン・ケージ追悼/「エクセレント一九九二」/フルクサス再会コンサート/ジャン・デュピュイのウィット/《グランド・ピアノのためのフォーリング・イヴェント》/ランズベルギス氏とフルクサスの関係
06 九〇年代以降、日本プロジェクト
《フルクサス・メディア・オペラ》/電子テクノロジーで解読されたスコア/国際電話による遠隔参加/国立国際美術館での《フルクサス裁判》/尋問とパフォーマンスによる回答/「音楽の前衛I~ジョン・ケージ上陸」/ギャラリー360度の「バス観光ハプニング」/うらわ美術館の「フルクサス展」/リアリゼーションの基準とは?/フルクサスのパフォーマンス
07 ジャンルを超えて~美学と作品
表現形態の変換/本から室内楽曲へ/音楽の小瓶と《グラッパ・フルクサス》/北イタリーのフルクサス・コレクターたち/マチューナスによるフルクサスの美学/合唱曲での例/《シャドウ・イヴェント No. X》の多層構造/詩的ゲ-ム《フルクサス・バランス》/創造は発掘のプロセスにある
■フルクサス人物相関図
■本書で取り扱う作品リスト