「型」にはめると、物語に足りない要素が見えてくる!
物語の構成を学べる『ストラクチャーから書く小説再入門』の実践編が登場。
書き込むだけで、頭に思い描いた物語を具体化できる!
登場人物、舞台設定、伏線……どの場面で何を書くべきかを徹底指南
映画、アニメ、演劇、ゲーム、マンガ……あらゆるジャンルに応用可能
創作とは自然な流れと直感に従って行うものだと思われがちです。物語に必要な要素さえ組み込めば、キャラクターが勝手に動き出し、結末まであっという間に書き上げられると信じられています。ところが実際のところ、途中で書く手が止まってしまったり、要素はすべて満たしているにもかかわらず、どこかまとまりがなかったりと、納得のいく物語を書き上げるまでには困難がつきものです。
だからこそ「ストラクチャー」、つまり「構成」が重要になってくるのです。構成は、ありきたりなストーリーを生み出すものではなく、アイデアを支え、それぞれのシーンをつなげてくれる「型」。その「型」を使うことで、今までよりも執筆がうまく、そして楽に運ぶようになるはずです。
構成について実践的に学べる本書では、シド・フィールドによって理論化された物語創作メソッド、3幕構成をわかりやすいかたちに分解し、フックや第1幕、プロットポイント1、第2幕の前半、ミッドポイント、第2幕の後半、プロットポイント2、第3幕、クライマックス、解決など、重要な要素を1つずつ解説しながら、各章がどのような役割を担い、物語全体の何パーセントずつを占めるべきかを指南してくれます。
また、各章のおわりにはチェックリストがついており、それぞれの要素が適切に機能しているかを確認することができます。
質問に答えていくことで、頭に思い描いた物語を具体化することができる実践的な本書と、ヒット作を分析し、理論の詳細な解説が記されている『ストラクチャーから書く小説再入門』を併せて読むことで、より一層物語創作への理解を深めることができるでしょう。
本書は徐々にストーリーの全体像からディテールへと思考を進め、また全体像に戻る構成になっています。それぞれの問いに対するあなたの答えが具体的になればなるほど、執筆や推敲の準備も整っていくでしょう。でも、途中で質問を飛ばしたくなったら、ためらわずに飛ばして先に進んで下さい。他のステップをすべて完了させてからでなければ埋められないセクション(「伏線」など)も、いくつかあります。
答えを書き込む際に、頁にある空欄では足りないかもしれません。思いついたことをすぐに書き留められるよう、あらかじめノートを別に用意しておいて下さいね。
構成の美点は、そのシンプルさです。ブロックを整然と積み重ねることによって、ストーリーが構築できます。その積み重ねの構造が見えた時、突然、ストーリーには何が必要かがわかるでしょう。もう悩まなくても大丈夫。あなたの知識とパワーを使い、創作ができるようになります。
ストーリーに振り回されることなく、しっかりと手綱をとっていきましょう。
――本書「はじめに」より抜粋
目次
はじめに
第1部 ストーリーの構成
第1章 フック(つかみ)
フックのクエスチョン
フックのチェックリスト
書き出しの1文チェックリスト
ドラマ的な疑問(問題が提起する疑問)
最初の章チェックリスト
第2章 第1幕
伏線
サブプロット
紹介が必要なキャラクターは?
キャラクターを発見する
ステークの紹介
舞台設定の紹介
舞台設定チェックリスト
キャラクターのパーソナルな環境
第3章 プロットポイント1
インサイティング・イベントとキー・イベント
第4章 第2幕の前半
プロットポイント1へのリアクション
第2幕の前半全体でのリアクション
ピントポイント1
第5章 ミッドポイント
ストーリーのミッドポイント
第6章 第2幕の後半
ミッドポイント後のアクション
主人公の変化
ピンチポイント2
第7章 第3幕
プロットポイント2
プロットポイント2の後
キャラクターを死なせる時のチェックリスト
第8章 クライマックス
ストーリーのクライマックス
第9章 解決
「解決」のプランを立てる
結びの1文チェックリスト
第2部 シーンの構成
第10章 シーン
シーンの「目的」の選択肢
シーンの「葛藤や対立」の選択肢
シーンの「災難」の選択肢
第11章 シークエル
シークエルの「リアクション」の選択肢
シークエルの「ジレンマ」の選択肢
シークエルの「決断」の選択肢
参考図書
おわりに
謝辞
訳者あとがき
プロフィール
[著]
K.M. ワイランド (K.M.Weiland)
アメリカ合衆国ネブラスカ州出身。インディペンデント・パブリッシャー・ブック・アワードを受賞する他アメリカ国内で高く評価されている。『アウトラインから書く小説再入門』『ストラクチャーから書く小説再入門』『キャラクターからつくる物語創作再入門』『〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック』『テーマからつくる物語創作再入門』(以上フィルムアート社)など創作指南書を多数刊行。また作家としてディーゼルパンク・アドベンチャー小説『Storming』や、中世歴史小説『Behold the Dawn』、ファンタジー小説『Dreamlander』等、ジャンルを問わず多彩な作品を発表している。ブログ「Helping Writers Become Authors」やSNSでも情報を発信中。
[訳]
シカ・マッケンジー (Shika Mackenzie)
関西学院大学社会学部卒業。「演技の手法は英語教育に取り入れられる」とひらめき、1999年渡米。以後ロサンゼルスと日本を往復しながら、俳優、通訳、翻訳者として活動。教育の現場では、俳優や映画監督の育成にあたる。『アウトラインから書く小説再入門』『ストラクチャーから書く小説再入門』『キャラクターからつくる物語創作再入門』『〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック』『テーマからつくる物語創作再入門』(以上フィルムアート社)と、これまでに日本で刊行されたK.M.ワイランドの著書すべてを翻訳している。他訳書は『ハリウッド式映画制作の流儀』『記憶に残るキャラクターの作り方』(以上フィルムアート社)など。