俺はこれまで作られたすべての映画から盗んでいる
——クエンティン・タランティーノ
カルト映画の帝王から、現代を代表する巨匠へ……
孤高の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に至る、映画にすべてを売り渡した天才の魂をめぐる最新評伝。
幼年期から青年期の映画への熱狂から、『パルプ・フィクション』での批評的・興行的成功を経由し、独自の映画哲学と信念を突き通しつつ、そのほとんどの作品を批評・興行の両面で成功に導き、いまや紛れもなく現代を代表する巨匠のひとりとなったクエンティン・タランティーノの軌跡を網羅的に紹介。
監督作のみならず原案・脚本作の成立背景やテーマを精緻に解き明かし、旺盛な創造意欲に満ちた作品群に初めて触れるための絶好の入門書でありつつ、コアな観客がその才能の真価を改めて発見するための必読書ともなるだろう。
豊富なスチール写真やオフショット、さらには影響を与えた諸作品の資料(スチール、映画ポスター)が、フルカラーで多数掲載!!
作品の内側と外側を横断しながらタランティーノ・ユニバースを味わい尽くせ。
メディア掲載
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「REAL SOUND ブック」でご紹介いただきました。
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「CINRA」でご紹介いただきました。
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「intoxicate」でご紹介いただきました。
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「週刊 読書人」(2020年9月18日付)で書評を掲載いただきました。
<稀有な才能の軌跡をたどった力作:評 高崎俊夫さん> -
「図書新聞」(2020年10月17日付)で書評を掲載いただきました。
<映画作家が持つ神話の引力:評 河原大輔さん>2020.10.17 -
「キネマ旬報」(2020年12月上旬号)で書評を掲載いただきました。
<QTワールドの網羅的ガイドブック:評 千浦僚さん>
目次
1. 「俺は映画学校じゃなく、映画に通ったんだ」
ビデオ・アーカイブス
2.「この映画は自分のために作ったんだ、
みんな勝手に楽しんでくれたらそれでいいけどね」
『レザボア・ドッグス』
3.「どれも別れた元カノみたいなもの……」
『トゥルー・ロマンス』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』
4.「このキャラクターたちはいつまでも
お喋りをやめようとしないんだ……」
『パルプ・フィクション』
5.「向こうから俺に忍び寄ってきたような感じだね」
『フォー・ルームス』『ジャッキー・ブラウン』
6.「自分の事をアメリカ人映画作家だと
思ったことなんて一度もないよ……」
『キル・ビル Vol.1』『キル・ビル Vol.2』
7. 「スラッシャー・ムービーは正統派さ……」
『グラインドハウス』
8. 「とにかく奴をぶっ殺しちまえ」
『イングロリアス・バスターズ』
9.「命は安く、クソみたいに扱われ、
バッファロー・ニッケル(5セント)の価値しかない」
『ジャンゴ 繋がれざる者』
10. 「まるで一度も時代映画を作ったことが
ないような気分にさせられるよ」
『ヘイトフル・エイト』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
プロフィール
[著]
Ian Nathan(イアン・ネイサン)
イギリスで広く知られる映画ライター。本書以前には、リドリー・スコットの名作『エイリアン』の歴史について著したベストセラー『エイリアン・コンプリートブック』『スティーヴン・キング 映画&テレビ コンプリートガイド』(以上、竹書房)をはじめ『ティム・バートン 鬼才と呼ばれる映画監督の名作と奇妙な物語』(玄光社)、『魔法への招待:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』メイキング・ブック 』(ハーパーコリンズ・ジャパン)など、計8冊の書籍が出版されている。
世界最大の映画雑誌「エンパイア」の編集者およびエグゼクティブ・エディターをつとめた後、現在は寄稿編集者として引き続き同誌に貢献している。他にも「タイムズ」紙、「インディペンデント」紙、「メイル・オン・サンデー」紙、「カイエ・デュ・シネマ」誌、スカイ・アーツ・チャンネルのドキュメンタリー・シリーズ「ディスカバリング・フィルム」などに定期的に貢献している。
[訳]
吉田俊太郎(よしだ・しゅんたろう)
英国と日本を頻繁に行き来しながら主に映画・映像とライフスタイルの両分野で翻訳活動をしている。訳書に『物語のひねり方』、『空想映画地図[シネマップ]』、『映画の瞬き[新装版]』、『ストーリーの解剖学』、『あるミニマリストの物語』、『minimalism ~30歳からはじめるミニマル・ライフ』、(以上、フィルムアート社)、『習得への情熱 チェスから武術へ』、『映画もまた編集である ウォルター・マーチとの対話』(以上、みすず書房)など多数。