具体的なサウンド制作の手順から、より高度な理論までを網羅した、映画音響入門の決定版!
映画、ドラマ、アニメーション、ゲーム……
映像のための音響に携わる全クリエイター必携の書
映画のストーリーテリングにおける音の作用には不変の真理があります。本書では、実際の映画作品を取りあげながら、映画音楽・効果音・自然音・役者の発声音など、映像におけるあらゆる「音」のメカニズムを解き明かします。
具体的な音響制作の知識が得られることはもちろん、不朽の名作に携わったサウンドデザイナーの証言や実践エクササイズを通して、映画そのものへのイマジネーションを広げることができる内容。今後の映画音響設計においてスタンダードな教本となり、鑑賞者にとっても映画の見方が一変する、発見に満ちた一冊です。
無音の宇宙空間がもたらしたリアリティ─『2001年宇宙の旅』
溶鉱炉を再現するために用いられた意外な音─『ターミネーター2』
場面と劇伴の違和感がもたらす心理的作用─『時計じかけのオレンジ』
ダース・ベイダーの呼吸音が生まれるまで─『スター・ウォーズ』
etc……
傑作の「音」は、どのようにデザインされたのか?
ノイズに意味を与えると、意思を表す音になる。人は原始時代から、音でコミュニケーションをとってきた。警告や合図、メッセージのやりとりや娯楽に音が使われてきたし、愛情表現や戦いの場でも音は役に立ってきた。音に注目して歴史をたどることもできる。宗教、音楽、言語の発展はもちろん、戦争や医療、建築、心理学の分野でも多くがわかる。もちろん、映画にも音はつきものだ。
(「イントロダクション」より)
目次
第一章 サウンドデザインの手順
第二章 よりクリエイティブに
第三章 振動から知覚まで
第四章 知覚から認知まで
第五章 音楽の認知
第六章 私たちの声
第七章 音と映像
第八章 音とストーリー
第九章 サウンドデザインの未来
プロフィール
[著]
デイヴィッド・ゾンネンシャイン(David Sonnenschein)
八歳でクラリネットの演奏を始めて以来、幅広いジャンルの音楽に親しむ。カリフォルニア大学では神経生理学を専攻。インドネシアやタイで音文化についてのフィールドワークを行なった後、南カリフォルニア大学映画芸術学部修士課程で映画制作を学ぶ。ブラジルのリオデジャネイロで長編映画『Super Xuxa』を監督したことを契機に南米各都市でサウンドデザインについてのワークショップを開催。その後、出身地であるロサンゼルスに戻って企画会社ソニック・ストラテジーズを設立。映画やテレビ、インタラクティヴ・メディアのサウンドデザインについてのセミナーや講演、コンサルティング、音を使った各種療法の研究を行なっている。