漫画編集者

木村俊介=著
発売日
2015年5月25日
本体価格
1,800円+税
判型
四六判・並製
頁数
344頁
ISBN
978-4-8459-1446-3
Cコード
C0095
刷数
2刷

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漫画編集者は何をつくりだしているのか?
何かと何かのあいだに立ってものをつくる仕事に関わるすべての人へ。
喜び、苦しみ、逡巡、充実感が息衝く、「私たちの時代」のインタビュー・ノンフィクション!

ふみふみこ、平本アキラ、ゆうきまさみ、枢やな、松本大洋による描き下ろし特別マンガ「私の担当編集者」収録!

本書は、気鋭のインタビュアー・木村俊介が丹念に紡いだ、漫画が生まれる現場の第一線でたたかう5人の漫画編集者のインタビュー集です。

漫画編集者たちの熱い想いや、「漫画編集者」という仕事について、世代もジャンルも異なる5人の編集者たちにそれぞれ、じっくりとお話をうかがいます。仕事の細かい話から、具体的な担当作品においてどのようなことを経験されてきたか、漫画編集者としてのやりがいや幸せ、いま思っていることなどを深く掘っていきます。新しい何かを生み出すことの苦しみと喜びの中で仕事をする姿を伝えていきます。そこからは、「漫画編集者」という職業の「肖像」が見えてくるのです。

さまざまなジャンルの第一線で活躍する人から無名の人まで、これまで500人超のインタビューをしている木村俊介氏の最新作!

「漫画家さんと連載企画を打ち合わせしていく際には、技術的なことよりもなによりも先に、この企画、この作品を世に問う価値があるのかないのか、みたいなことから考えてみるようにしています。大げさないいかたをすれば、いろんな人の手をかけて、本人も人生の大事な時間とエネルギーを使って、何ヵ月なり何年なりの期間をかけてまでやる価値のある企画、やる価値のある作品なのかということが、まずは担当編集と漫画家がおたがいに最初に見えているのかどうか、という……」
──猪飼幹太さん「コミックリュウ」編集部

「ぼくはもともと、へんなことをすればいいや、と思ってやってきたんです」
──三浦敏宏さん/「ヤングマガジン」編集部

「漫画はあくまでもサービス商品で、ほかにいろいろ選択肢がある娯楽のうちのひとつなんですよね。自分たちで『なくそう』と思っていなくても、漫画を発表するための『家』は簡単になくなってしまうものなんです。しかも、決して建て直せない……。『いま、ここにある』という事実に甘えちゃいけないな、と思います」
──山内菜緒子さん/「ビッグコミックスピリッツ」編集部

「『黒執事』第一巻の発売の前日に、伝えたんです。これが売れなかったら、ぼくは会社をやめるって。内容、ジャンル、タイミング、表紙、キャッチコピー……売れるために必要と考えてきた作戦を、今回は、はじめてすべての面で実現できてしまった。これで売れなかったら、ぼくは根本的に見ている場所がちがっているのだろうから」
──熊剛さん/「Gファンタジー」編集部

「漫画編集者のやることは……おもしろい漫画を作るために、作家がやること以外すべて、と考えると、けっこうわからなくもなるものですよね。結局、こっちには、期限までにおもしろいものを仕上げる、ということ以外の条件はないんです。それのためには、ありとあらゆることが仕事だ、と思いはじめたら、際限がなくなる」
──江上英樹さん/元「IKKI」編集部

メディア掲載

目次

はじめに
1章
[インタビュー]猪飼幹太/「月刊コミックリュウ」(徳間書店)
《マンガ》「いかいさんと私」ふみふみこ

2章
[インタビュー]三浦敏宏/「ヤングマガジン」「ヤングマガジンサード」(講談社)
《マンガ》「担当さん漫画」平本アキラ

3章
[インタビュー]山内菜緒子/「週刊ビッグコミックスピリッツ」「月刊!スピリッツ」(小学館)
《マンガ》「細うで繁盛記と書いてヤマウチナオコと読む」ゆうきまさみ

4章
[インタビュー]熊剛/「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)
《マンガ》「担当K氏とわたし」枢やな

5章
[インタビュー]江上英樹/「IKKI」(小学館)
《マンガ》「エガミさん」松本大洋

6章「問いを見つける職業」を取材してみて 木村俊介
おわりに

プロフィール

[著]
木村俊介(きむら・しゅんすけ)
インタビュアー。1977年、東京都生まれ。
著書に『善き書店員』(ミシマ社)、『料理の旅人』(リトルモア)、『仕事の話』(文藝春秋)、『変人 埴谷雄高の肖像』(文春文庫)、『物語論』(講談社現代新書)、『「調べる」論』(NHK出版新書)、『仕事の小さな幸福』(日本経済新聞出版社)、聞き書きに『調理場という戦場』(斉須政雄/幻冬舎文庫)、『芸術起業論』(村上隆/幻冬舎)、単行本構成に『西尾維新対談集 本題』(講談社)、『海馬』(池谷裕二・糸井重里/新潮文庫)、『ピーコ伝』(ピーコ/文春文庫PLUS)、『イチロー262のメッセージ』シリーズ(ぴあ)などがある。