映画、ゲーム、アニメ、PV、アート、CG、マンガ…
ハイカルチャー/ポップカルチャーの枠組みを超えて視覚文化を語る!
紀伊國屋じんぶん大賞2015 第2位!
文化のめまぐるしい速度変化にどのように対応すればよいのか?
動画以降の世紀を生きるための、ポピュラー文化のタイム・トラベル。
國分功一郎×石岡良治による巻末特別対談を収録!
「文化の民主化」が徹底されつつある今、まさに必読の書が現れた。
──國分功一郎(巻末特別対談より)伝説の男が、「日本最強の自宅警備員」と呼ばれるあの男がついにその重い腰を上げた……!
本書をもって世界は知ることになるだろう、本物の知性と本物の情熱の存在を。そして、石岡良治氏だけが両者をあわせもつことを。
──宇野常寛
目次
はじめに なぜ視覚文化なのか?
Lecture.1 カルチャー/情報過多 誰が「カルチャー」を作るのか?
1-1. Culture: 教養から文化へ
1-2. 現代日本におけるカルチャーを考える
1-3. 情報過多の時代における議論の出発点
Lecture.2 ノスタルジア/消費 消費文化の構造と「懐かしさ」の問題
2-1. アメリカン・フィフティーズの残したもの
2-2. 消費文化のモデルとしての『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
2-3. ノスタルジアという想像力の両義性
Lecture.3 ナラティヴ/ヴィジュアル メロドラマとPVにみる「フェイク」の可能性
3-1.「まがいもの」としての文化
3-2. メロドラマをめぐる再解釈
3-3. PV―ヴィジュアルのフェイク化がもたらす可能性
Lecture.4 ホビー/遊戯性 「ガジェット」が文化の意味をくつがえす
4-1. ホビーの領野
4-2. ゲームと遊戯性—デジタルゲームの位置づけ
4-3. ロボットアニメの諸相とガジェットの想像力
Lecture.5 メディエーション/ファンコミュニティ 「速度と時間」を複数化して考える
5-1. メディア、メディウム、メディエーション
5-2. 「動画」の時代は何を変えたか
5-3. ファンコミュニティの再編、文化をめぐる速度と時間
特別対談 國分功一郎×石岡良治 新しい時代のための、視覚文化をめぐる哲学
参考文献リスト
作品リスト
あとがき
プロフィール
[著]
石岡良治
1972年東京生まれ。批評家・表象文化論(芸術理論・視覚文化)・ポピュラー文化研究。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)博士後期課程単位取得満期退学。跡見学園女子大学、大妻女子大学、神奈川大学、鶴見大学、明治学院大学ほかで非常勤講師。
論考として、「メディウムの肌理に逆らう―ロザリンド・クラウスにおけるポストメディウムの条件」(『述―特集・舞台/芸術』3号、近畿大学国際人文科学研究所編、明石書店、2009年)、「『仮面ライダーディケイド』、旅の途中」(『ユリイカ』2012年9月臨時増刊号)、「クリスチャン・ラッセン、二つの世界のエッジで」(『ラッセンとは何だったのか?―消費とアートを超えた「先」』原田裕規編、フィルムアート社、2013年)など。また雑誌『PLANETS』やムック『文化時評アーカイブス』にて、マンガやアニメなどのレビュー・座談会に参加。