フィンランドで見つけた「学びのデザイン」

豊かな人生をかたちにする19の実践

大橋香奈/大橋裕太郎=著
発売日
2011年6月24日
本体価格
2,000円+税
判型
四六判・並製
頁数
208頁
ISBN
978-4-8459-1170-7
Cコード
C0036
刷数
2刷
備考
品切

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本当の豊かさを探すために、
終わることのない「学びのデザイン」の旅へ

フィンランドの美術館、図書館、自然学校、建築学校、動物園など、義務教育ではないオープンな学びの場から、成人教育、シチズンシップ教育、若者支援、メディア教育、そして、性的マイノリティや障がい者の支援の現場を訪ねるフィールドワーク。
「楽しさ」と多様な「学びの体験」を重視するフィンランドの実践を、カラフルな写真とわかりやすいレポートで1冊にまとめました。
学校の外の/学校を卒業したあとも、生涯続く「学ぶこと」の大切さ。
本書では、子どもも大人も、自らの未来を照らすことのできる「学び」の必要性に着目し、フィンランドの実践のレポートを通して、社会、家庭、そして人生のあらゆる場所で役立つ「学び」の精神を探ります。

目次

はじめに
「学びのデザイン」を探す旅へ
1. ミュージアムと「学び」
「観客」を「共同プロデューサー」に変えていく 国立現代美術館キアズマ
アートとコミュニティ、アーティストと市民をつなぐ挑戦 世界遺産の町ラウマの美術館
子どもが未来をデザインするために デザインミュージアム
「オープンラーニング」で科学はもっと楽しくなる フィンランド科学センター・ヘウレカ
2. 図書館と「学び」
すべての人に学びの機会を! タンペレ市サンポラ図書館
未来の図書館づくりの実験場 ヘルシンキ市図書館〈Library 10〉
北極圏に暮らす人々をつなぐ「リビングルーム」 ラップランド地域図書館
3. メディアと「学び」
世界への扉を開く教科書 WSOYpro社
映像制作体験で磨く、「情報社会で輝く力」 国営放送局YLE
映画鑑賞による「発見と学び」を子どもたちに NPO〈Koulukino〉
協働のネットワークでメディア教育を推進する フィンランド・メディア教育協会
4. 自然と「学び」
森の学校で考える「持続可能な未来」 ヴァンター自然学校
生物多様性に出会う動物園の島 コルケアサーリ島ヘルシンキ動物園
未来の環境の担い手を育てる 子どもと若者のための建築学校〈Arkki〉
5. 人生と「学び」
社会を変える力を育てる「シチズンシップ教育」 ヘルシンキ市若者支援活動
文化と生き方の多様性を学ぶ「スクールオペラ」 フィンランド国立歌劇場
性の問題を越えて、誰もが「自分らしさ」を表現できる社会へ LGBTIの人権NGO〈SETA〉
障がい者の体と心の自立を支援する 障がい者によるNGO〈Kynnys〉
生涯学び続ける「知識社会」実現のために フィンランドの成人教育
おわりに
豊かな人生への扉を開けて

プロフィール

[著]
大橋香奈(おおはし・かな)
1981年東京都生まれ。慶應義塾大学SFC渡辺靖研究会で文化人類学を学び、アルゼンチンを拠点にフィールドワークを重ねた。同大学卒業後サントリーホールディングス株式会社に5年半勤務し、健康食品のブランドマネージャーを経験。2009年に夫・裕太郎のフィンランド赴任に伴い同社退社。ユタカナ(yutakana.org)を主宰し、夫とともに「豊かな人生」をテーマにプロジェクトを企画・実施している。2011年英国のMet Film Schoolにてドキュメンタリー制作を学ぶ。文章、写真、映像で「人」の物語を伝えることをライフワークにしている。

大橋裕太郎(おおはし・ゆうたろう)
1981年福島県生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了、博士(学術)取得。子どもの「遊び」と「学び」をテーマにしたプロジェクトを実施し、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞(いずれもコミュニケーションデザイン部門)*1、文部科学省インターネット活用教育実践コンクール実行委員会賞(社会教育部門)など受賞。2009年から1年半ヘルシンキ大学教師教育学部メディア教育研究グループで研究員として活動。2011年ロンドン大学ナレッジラボにて訪問研究員として研究を実施。より多くの人がこれまで知らなかった自分の好きなこと、得意なことに気づき、可能性を広げることができる「学び」を追究している。
*1 受賞プロジェクト
〈Being- いきてること展〉井の頭自然文化園でのプロジェクト
〈クラゲラボ〉新江ノ島水族館でのプロジェクト